『事故物件ゾク 恐い間取り』亀梨和也から主演を継いだ渡辺翔太には「際立つもの」がある 中田秀夫監督が証言

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2025年05月01日 12:10  クランクイン!

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クランクイン!

映画『事故物件ゾク 恐い間取り』メイキング(左から)金田昇、加藤諒、主演のSnow Man・渡辺翔太 (C)2025「事故物件ゾク 恐い間取り」製作委員会
 Jホラーの名手として世界に名を馳せる『女優霊』『リング』シリーズの中田秀夫監督が、2020年に亀梨和也を主演に放った『事故物件 恐い間取り』。興行収入23.4億円を叩き出し、2001年以降のホラー映画として最大のヒットを記録した前作から約5年を経て、Snow Man・渡辺翔太が新たに主演する『事故物件ゾク 恐い間取り』が7月25日に公開になる。クランクイン!では、渡辺が本作で“(コックリさんに似た)降霊術”に挑むシーンの撮影現場に潜入。監督が渡辺に抱いた印象などを聞いた。

【写真】映画『事故物件ゾク 恐い間取り』撮影現場の様子を大公開!

◆渡辺翔太演じる主人公・ヤヒロが遭遇したのはシェアハウスの事故物件

 事故物件住みます芸人・松原タニシのベストセラー書籍「事故物件怪談 恐い間取り」シリーズを原作にした本シリーズ。今作では30歳を目前に控え、タレントの夢を追うべく「事故物件住みますタレント」として福岡から上京する桑田ヤヒロ(渡辺)が主人公だ。

 見学に訪れたのは、1軒目のアパート、2軒目の旅館に続き、ヤヒロが3軒目に遭遇する事故物件であるシェアハウスでのシーン。東宝スタジオ内に組まれた、コンクリート風の天井や柱に年季を感じさせるシェアハウスのリビングだ。スーツケースを持ったヤヒロに、加藤諒演じる拓巳が「ルールはひとつ、女連れ込むの禁止ね。前にトラブルがあって」と説明する。鍵付きの共同ロッカーや、リビングのあちこちにある貼り紙、趣味がバラバラの本などから、シェアハウス感が伝わって来る。事故物件らしく家賃は“1万6000円”だ。

 続くシーンでは、金田昇演じる海斗とヤヒロ、拓巳の3人が、シェアハウスに取り憑(つ)く老婆の霊の存在に気付き始める。そしてヤヒロが(コックリさんに似た)降霊術を提案するのだが……。一連のシーンに監督からの「OK」が出ると、渡辺から柔らかな笑みがこぼれた。

 撮影の合間になると、加藤、金田と楽し気に談笑する渡辺。印象的だったのは、出ずっぱりの渡辺が、本番前に台本を手に取るそぶりを見せなかったこと。あとで監督やプロデューサーに聞いたところによると、本作は事前に数回のリハーサルを重ねたそうで、すでにセリフは渡辺の頭に入っているようだ。セリフ間違いでのNGも今のところないらしく、逆に長いセリフ、芝居どころが上手くいったときには、ガッツポーズをする渡辺の姿もあったとか。

 またこの日は原作者の松原タニシが現場を訪れており、少し前に収録したというリアル事故物件の映像を、スタッフや待ち時間だった加藤に見せて大盛り上がりする一幕もあった。

◆シェアハウスで行われた“降霊術”のあとに、怪奇現象が!

 少し時間をかけてのセットチェンジのあとは、それまでの何気ない会話シーンとは打って変わった降霊術の場面。リビングを囲むように置かれた燭台のロウソクの灯が揺らめき、“いかにも”な雰囲気を醸し出す。コックリさんといえば、日本では狐の霊を呼び出す行為と信じられているが、起源は西洋の「テーブル・ターニング」占いの一種であり、ヤヒロがテーブルに広げてみせたのもまさに西洋風のボード。太陽と月、天使と悪魔、YESとNOに男女の絵、さらに数字とカナが記されている。それを真剣なまなざしで見下ろすヤヒロ、拓巳、海斗の3人。

 ロケ撮影が多い本作にあって、この3軒目の物件が大掛かりなセットを組んでの撮影になったのも、実はここから起きる“恐い”出来事ゆえ。宇高武志プロデューサーも「今回セットはそれほど多くは使用していないんです。どこにあってもおかしくないような場所でありかつリアルな場所が舞台になっていることが大事な作品なので、基本的にはロケーションにしています。ただこのシェアハウスに関しては、絶対にロケでは撮れない怪奇が起きるので」と説明。

 実は取材班は、このあとのシーンを見学できなかったのだが、「カメラテストの時点でちょっとビックリするようなアクロバティックでスペクタクルな画になっていました。ご期待いただけると思います!」と太鼓判を押され、後ろ髪をひかれながら現場を後にした。

 宇高プロデューサーは、中田監督の演出に関しても証言。「監督は芝居とホラーシーンではスピードが全然違います。芝居は俳優の演じやすさを重んじて、本番になったらそれほどテイクを重ねないようにしているのだと思います。そのために撮影に入る前にリハをしっかりやっているのだろうなと」。そのためむしろ巻くほどだいう。しかしホラー場面に入るや「途端にめちゃ粘る」そう。

 「ちょっとしたニュアンスとか。立ち位置が数ミリ変わるだけで、影の入り方や、幽霊のディティールがどう見えているかといったことが変わるので、そこに関してはものすごくこだわって撮っています」。スケジュールを組む時点で、カット数ではなく、芝居のシーンなのか、ホラーのシーンなのかによって、割く時間をかなり変えているそうで、中田監督ならではの時間割といえる。

◆中田監督、クランクイン初日の渡辺翔太と吉田鋼太郎のシーンでいきなり「お!」

 さて、そもそも本作は大ヒット作の続編にあたる。新垣弘隆プロデューサーにも話を聞くと、主人公のヤヒロは「ピュアで等身大の青年だが、誰にでも優しすぎるという性格。そのため人に対してだけでなく、霊も呼び寄せてしまうという特徴をもつ役柄」。そこで「身近な人懐っこさだけでなく、どこか繊細でナイーブな面を持ち合わせるキャラクター」である渡辺にオファーしたという。

 また、渡辺とは初めてのタッグとなった中田監督は、「若い頃からドラマなどでも俳優としても主役を多くやってきたキャリアのある(前作の)亀梨くんと、キャリアの点では渡辺くんはやはり少し違う。もちろん渡辺くんもドラマなどに出ていますが、映画の主人公でそれもホラー映画。現場に入る前は緊張感があったと思います。まだこれからどんどんやっていく人」と感じていたと振り返る。しかしヤヒロが出会うことになる芸能事務所社長・藤吉役の吉田鋼太郎との2ショットを撮ったクランクインの初日に、いきなり「お!」と思わされたと明かした。

 「2ショットでも負けない力があるというか。吉田さんや花鈴役の畑芽育さんたちとも一緒に事前リハーサルをやらせてもらっていて、いろいろ話し合ったりしていました。そこからたぶん自分で咀嚼してくださったんだと思います。クランクインしてグイっとギアがアップする感じがありました。リハーサル時からの吸収力と、クランクインしてからの集中力にすごく驚いています」とし、それもSnow Manという勢いのあるグループで活動していることも大きいのではないかと言及。

 「言葉にするのは難しいんですけど、一線にいて際立つもの、やはりはっきり“何か”があります。いっぱいのカメラから見つめられてきているので、ここぞという時の集中力を発揮してやってくださっていると思います」と話した。

 そして数々の人気&名作ホラーを生み出してきた中田監督が、今作は「真っ向勝負! 真正ホラーです」と断言。「『死亡遊戯』のように、というのは半分冗談のたとえではありますが、どんどんステージアップしていきます。戦う相手、見せる幽霊も全然違いますしね」とにやり。期待して待つしかない。

 映画『事故物件ゾク 恐い間取り』は、7月25日より全国公開。

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