新型SUVストックカーの『シボレー・トラッカー』に『トヨタ・カローラクロス』、そして『ミツビシ・エクリプスクロス』の3車種が登場する2025年のSCBストックカー・ブラジル"Pro Series" 新型SUVストックカーの『シボレー・トラッカー』に『トヨタ・カローラクロス』、そして『ミツビシ・エクリプスクロス』の3車種が登場する2025年のSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”に向け、開幕直前にビッグネームの参戦が決定。現地4月29日付でエリオ・カストロネベスのブラジル・モータースポーツ界復帰がアナウンスされ、今季シリーズ昇格を果たすRTRスポーツ・チームの『シボレー・トラッカー』をドライブする。
母国で最後にシーズンを戦った31年前の1994年以来、国際舞台で華々しい活躍を演じてきた49歳のカストロネベスは、北米最高峰のシングルシーター、NTTインディカーシリーズに於ける『インディアナポリス500(インディ500)』での4勝を筆頭に、デイトナ24時間レースでの3度の総合優勝、2020年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でのシリーズタイトル獲得など、ブラジル最高峰ドライバーとしての地位を確立してきた。
そのカストロネベスにとって、地元SCBでの最初の経験は2012年に遡り、当時のシェル・レーシングのゲストとして“Corrida do Milhão(ミリオン・レース)”に参戦。インテルラゴスで『プジョー408』のステアリングを握った。
直近の2025年2月には、トラックハウス・レーシングの国際ゲスト枠に招聘されNASCARカップシリーズにもデビューし、伝統の『デイトナ500』に出場するチャンスも得ていたカストロネベスは、節目の新時代を迎える2025年のSCBにフル参戦を表明し「大好きなインテルラゴスのサーキットで、シボレー・トラッカーに乗るのが待ち切れない」と意欲を語った。
「リンカーン・オリベイラ(シリーズプロモーターを務めるVicar/ヴァイカーのCEO)の招待にとても満足している。僕はこのカテゴリーの大ファンだし、とくにこの新しいSUVコンセプトの登場で挑戦の価値が倍増した今、躊躇することなくこの提案を受け入れたよ」とカストロネベス。
所属先は2022年半ばからステップアップのストックライツに出場してきた、実業家のマイク・パパレリ率いるRTRスポーツ・チームとなる。
すでに2025年のグリッドに並ぶ3ブランドそれぞれに10台の車両が確認されており、選考は昨季最終戦後の年末にドラフトを通じて行われ、メーカーはどのチームと協力したいかを決定するプロセスを経ていたが、チームはこの大物のために陣営内で追加の1台を用意する。
「2025年シーズンのRTRスポーツ・チームのドライバーとして、エリオ・カストロネベス氏を迎えることができ、大変光栄に思っている」と応じたパパレリ。
「エリオ氏のような経歴と才能を持つドライバーを我々のプロジェクトに迎えることは、大きな夢の実現であり、チームの軌跡における重要な節目となる。彼の経験と献身的な姿勢が、ブラジル・モータースポーツの主要カテゴリーにおけるチームの成長をさらに後押しするだけでなく、並外れた結果をもたらすと確信している」
シリーズ黎明期にストックカーの誕生にも貢献したシボレー陣営は、ディフェンディングチャンピオンでシリーズ史上最年少の“3冠”ドライバーであるガブリエル・カサグランデ(A.マティス・フォーゲル/シボレー・トラッカー)を筆頭に、元F1ドライバーのフェリペ・マッサ(TMGレーシング/シボレー・トラッカー)らが在籍。さらに“5冠”の帝王ことカカ・ブエノ(スクーデリア・キアレッリ/シボレー・トラッカー)や、16年間在籍した強豪ユーロファーマRCからの移籍で新天地を求めた“3冠”ドライバーのリカルド・マウリシオ(カヴァレイロ・ヴァルダ/シボレー・トラッカー)も陣営の一翼を担う。
そして注目のトヨタは、シリーズ参戦の2020年以降ここまで協力関係を構築してきたフルタイム・スポーツが、新たにFull Time GAZOO Racing Team(フルタイム・ガズー・レーシング・チーム)として参戦。ここへ日本のモータースポーツで20年以上の経験を持ち、ル・マン24時間にも参戦したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(トヨタ・カローラクロス)が加入することに。
チームの顔として2度のタイトルを獲得してきたルーベンス・バリチェロは、提携関係にあるカヴァレイロ・スポーツのカローラクロスに乗り換え、チアゴ・カミーロとセザール・ラモスのコンビは、ほぼ唯一の体制不変ペアとして引き続きイピランガ・レーシングからのエントリーとなる。
そして2005年から2008年までランサーを走らせていたミツビシは、改めてエクリプスクロスを投入し、完全リニューアル体制で挑むユーロファーマRCは史上最年少の優勝者でありチャンピオン経験者であるフェリペ・フラーガを起用。
そのほか提携先チームにはリカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ/ミツビシ・エクリプスクロス)や、シリーズ“3連覇男”のダニエル・セラ(ブラウ・モータースポーツ/ミツビシ・エクリプスクロス)、そして今季はTCRサウスアメリカ・シリーズにもフル参戦するネルソン・ピケJr.(スクーデリア・バンデイラスII/ミツビシ・エクリプスクロス)らが顔を揃える。
その新世代SUVストック“Audace SNG01”シャシーを採用した各モデルが登場する2025年SCBの開幕戦は、今週末の5月2日から4日まで、サンパウロ州インテルラゴスの、おなじみホセ・カルロス・パーチェにて開幕のときを迎える。
[オートスポーツweb 2025年05月01日]