
【写真】クールな雰囲気が漂う、柳俊太郎の撮り下ろしカット(全10枚)
本作は、芥川賞作家・村田沙耶香による同名のベストセラー小説を、映像ディレクター・川村誠の初監督・初脚本で実写映画化。超少子化の先−「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方にほんろうされる若者たちを描く。
人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。 そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ、恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。 そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。 家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。 だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。
雨音(蒔田)の夫・朔を演じる柳は「読んだときに衝撃を受けた」と脚本と初めて出会った時のことを述懐。「人間」という言葉を使っていいのかどうなのか、といった疑問が浮かんでくる存在であり、優しくとても真面目な故に自分を壊していってしまうような、柔らかく儚い一面がある」と、朔というキャラクターについて独自の捉え方を披露した。
主演の蒔田についても「演じている時の姿と、撮影の合間に2人で話している時のゆるりとした姿とのギャップが、プロフェッショナルであり印象的」であったとコメントを寄せている。
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映画『消滅世界』は、今秋全国公開。
※コメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
【柳俊太郎】
初めて脚本を読んだのは 5 年半前でした。
当時の自分にとってこのようなテーマは現在ほど身近ではなかったので、読んだときに衝撃を受けたことを強く覚えております。
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撮影は短い期間でしたので、あっという間に終わってしまいました。
監督の演出は多くを語らずともしっかり寄り添っていただき、監督の頭の中の世界をみんなが共有していたように思います。主演の蒔田さんはとてもハードなシーンが多く大変だったと思いますが、演じている時の姿と、撮影の合間に2人で話している時のゆるりとした姿とのギャップが、プロフェッショナルであり印象的でした。
この作品は川村監督の持つ独特な色とリズムを存分に感じられる作品になっていると思います。
ぜひ劇場でご覧いただけたらと思います。
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私たちの常識とはかけ離れ、
それでいてもしかしたら有り得るかもしれない世界線で生きる
朔という人物を、淡々と、そしてどこか
ミステリアスに演じていただける方を考えた時、
真っ先に思い浮かんだのが柳さんでした。
企画立ち上げ当初からお声がけさせていただき
制作が危ぶまれた時期も含め、
長年本作に拘ってくださったことが、
作品成立の大きな力となりました。
蒔田さん同様、柳さんの存在無くして
本作の実現はあり得ませんでした。
撮影の頃には、役を完全に自分のものにして
世界の同調圧力の中でグラデーションするように
変容していく人間の内面を、極めてナチュラルに、
そして静かな狂気をも感じさせる存在として
見事に体現してくださり、
作品のトーンを決定づけてくれました。
本気でこんなことを言っているのか、
その瞳の奥で何を考えているのか−
そんな想像を掻き立てる
柳さんの存在感と演技を、
是非堪能していただきたいです。