イギリス出身の監督が日本のコンビニを舞台にゾンビ映画製作へ 東京でロケハン実施

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2025年05月02日 13:15  ORICON NEWS

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英日合作映画『KONBINI ZOMBIES(原題)』ロケハンの様子をとらえたメイキング写真
 日本のコンビニを舞台に、ゾンビの襲来に立ち向かう店員たちの姿を描く英日合作映画『KONBINI ZOMBIES(原題)』の製作が本格始動した。

【画像】『KONBINI ZOMBIES(原題)』監督・脚本のモラヨ・アカンデ

 監督・脚本を務めるのは、イギリス出身で日本に5年以上暮らし、日本語も習得したモラヨ・アカンデ氏。彼女の実体験をもとに、日本のコンビニ文化とイギリスのユーモアを融合させた独自の世界観で展開する新感覚のゾンビ・エンターテインメント映画。

 公益財団法人東京観光財団(TCVB)から助成金の支援を受け、今年の初めに東京でロケハンを実施。TCVBは都内唯一の広域観光団体として、映画・テレビドラマ等の円滑な制作をサポートするフィルムコミッション事業「東京ロケーションボックス」を運営しており、今回の製作に協力している。

 物語の舞台は、東京の24時間営業のコンビニ「ハッピーマート」。浪人生のマユミ、帰国子女のアマンダ、K-POPアイドル志望の店員ジンウー、ホスト兼ヴィーガンのケン、熱血店長らが、突如発生したゾンビの襲来に立ち向かう。コンビニという日常の象徴を舞台に、笑いと恐怖、カラフルなキャラクターたちとポップなビジュアルで、現代社会の不安や自己肯定感の欠如を描き出す。

 エグゼクティブ・プロデューサーとして、モラヨ監督の実姉であるモヨ・アカンデ氏が参画。彼女は俳優業と製作の両分野で国際的に活躍しており、短編『A.V. Van』では共同プロデュースと主演を務め、アカデミー賞公認の「Reel Sisters Film Festival」(NY)で最優秀コメディ賞を受賞したことがある。

 「モラヨの脚本を初めて読んだとき、その世界観に一気に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。『Konbini Zombies』は、これまでにない新鮮で大胆なアプローチで、ゾンビジャンルにユニークな風を吹き込んでいます」と、意気込む。

 A24製作・配給の話題作『終わりの鳥』(2023年)のプロデューサーであるヘレン・グラッダーズ氏も製作に名を連ね、「この映画を日本で撮影できることをとても楽しみにしています。そして、世界中の観客とコンビニ文化の魅力を共有できる、エンターテイメントに富んだ“ラブレター”のような作品になると信じています」と本作に熱烈な思いを寄せている。

 さらに、共同プロデューサーとして、日本の製作・配給会社フラッグの小田寛子氏も名を連ねる。彼女はカナダ・バンクーバーで映画制作を学んだ後、日本の映画配給会社を経て、現在では国際共同製作や買付・配給などに従事。小田氏は「ジョージ・A・ロメロがゾンビというジャンルを使って社会風刺を行ったように、この作品もユーモアとエンターテインメントの中に、時代を映す視点をしっかりと持っています。互いの感性やバックグラウンドを尊重し合えるチームの一員として、この挑戦的でユニークな作品に携われることを心からうれしく思います」とコメントしている。

 ゾンビ映画の金字塔『ゾンビ』(1979年)では、ショッピングモールが舞台となり、大衆消費社会への皮肉が描かれた。本作『KONBINI ZOMBIES』では、日本の「消費社会」「空っぽの世の中」「すべてあるようで無機質な空間」を象徴する「コンビニ」を舞台に、主人公たちが自分探しの旅をし、成長していく姿が描かれる。現在、キャスティングが進行中で、令和の時代にどのようなゾンビ映画が完成するのか、期待したい。

■監督・脚本:モラヨ・アカンデのコメント

 『Konbini Zombies』の着想を得たのは10年以上前、初めて東京を訪れた時でした。スーツケースが1週間届かず、毎日通った地元のコンビニが生活の拠点となりました。ある夜、静まり返った店内で、ふと「もしここでゾンビが現れたら?」と想像したことが、この作品の原点です。

 日本で暮らすようになってから、私は言葉を学び、多くのコンビニで過ごし、さまざまなバックグラウンドを持つスタッフの方々と話をしてきました。コンビニはただの便利な場所ではなく、地域社会の鼓動のような存在だと感じています。

 この作品には、日本での生活経験や、店のカウンター越しに見えた人々の物語が色濃く反映されています。また、私の原点であるイギリスの控えめでドライなユーモアも織り交ぜ、他にはない独自のトーンに仕上がっています。


■エグゼクティブ・プロデューサー:モヨ・アカンデのコメント

 モラヨの脚本を初めて読んだとき、その世界観に一気に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。『Konbini Zombies』は、これまでにない新鮮で大胆なアプローチで、ゾンビジャンルにユニークな風を吹き込んでいます。

 日本へのロケハンでは、チームで東京中を巡り、個性豊かなコンビニを見て回りました。その中で、日本の文化や現代社会の空気感を肌で感じることができ、私自身もメロンパンの大ファンになりました。

 本作は、観客の記憶に残る唯一無二の作品になると確信しています。そんな特別なプロジェクトに参加できることを、心から光栄に思います。

■プロデューサー:ヘレン・グラッダーズのコメント

 『Konbini Zombies』でフラッグとタッグを組めることをとてもうれしく思っています。2024年1月には東京ロケーションボックスの協力を得て、ロケハンのために東京を訪れました。

 長年にわたってモラヨと共に開発してきたこの大胆で独創的な脚本を、実際に日本のコンビニという舞台で体験できたのは非常に貴重な機会でした。本作は、日々コンビニで働く多様な人々や文化が織りなす“日常の最前線”を描きます。まさに、ゾンビパンデミックが始まるには絶好の舞台だと感じています。

 この映画を日本で撮影できることをとても楽しみにしています。そして、世界中の観客とコンビニ文化の魅力を共有できる、エンターテイメントに富んだ“ラブレター”のような作品になると信じています。

■共同プロデューサー:小田寛子のコメント

 本作には、モラヨ監督が東京に長く暮らし、言語だけでなく、彼女ならではの鋭いセンスや感受性を通して捉えた“今の日本” 、“今の東京“が色濃く反映されています。現代の日本社会に生きるキャラクターたちを、イギリス特有のハートフルで皮肉の効いたコメディのトーンで描こうとするこの試みに、強くひかれました。

 また、ジョージ・A・ロメロがゾンビというジャンルを使って社会風刺を行ったように、この作品もユーモアとエンターテインメントの中に、時代を映す視点をしっかりと持っています。

 非常にコラボレーティブで、互いの感性やバックグラウンドを尊重し合えるチームの一員として、この挑戦的でユニークな作品に携われることを心からうれしく思います。

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  • 火葬の日本には幽霊は居てもゾンビは居ない…
    • イイネ!5
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