『九月と七月の姉妹』デイジー・ジョンソンによる第2作長編「九月と七月の姉妹」(東京創元社)を映画化した『九月と七月の姉妹』(原題:September Says)が、9月5日(金)に公開されることが決定した。
生まれたのはわずか10か月違い、いつも一心同体のセプテンバーとジュライ。我の強い姉と内気な妹は支配関係にありながら、お互い以外に誰も必要としないほど強い絆で結ばれている。
しかし、学校でのある事件をきっかけに、シングルマザーのシーラと姉妹はアイルランドの海辺近くにある亡父の家<セトルハウス>へと引っ越すことになる。新しい生活のなかで、次第にセプテンバーとの関係が変化していることに気づきはじめるジュライ。「セプテンバーは言う」。ただの戯れだったはずの命令ゲームは緊張を増していく。
監督を務めたのは、『哀れなるものたち』(24)ヨルゴス・ランティモス監督の公私ともに渡るパートナーとしても知られる新鋭アリアン・ラベド。2010年代、ヨルゴス・ランティモス監督を中心にギリシャの映画作家たちによって生み出され、従来の商業映画とは一線を画すスタイルの映像を創造、世界の注目を集めたムーブメント“ギリシャの奇妙な波”を継ぐ監督の1人でもある。
2010年、ヨルゴス・ランティモス監督が製作・出演した『アッテンバーグ』(アティナ・ラヘル・ツァンガリ監督)で映画デビューを果たし、ヴェネチア映画祭とアンジェ・プレミエール・プラン映画祭の最優秀女優賞を受賞。ヨルゴス・ランティモス監督と2013年に結婚し、その後『ロブスター』(2015)にも出演している。
長編デビューとなる本作では、2024年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に公式出品され、カメラドール(新人監督賞)にノミネートされた。
この度解禁となったティザーポスターを手掛けたのは、デイジー・ジョンソンの原作の日本版小説の表紙のデザインを手掛け、小説「82年生まれ、キム・ジヨン」などの装画でも知られる画家・榎本マリコ。
<顔の無い>2人の少女がお揃いのワンピースを着用して一つのフレームに並んで収まる姿は、一見可愛らしくありつつも不穏さを感じさせるデザインとなっている。
榎本は「終始圧迫感のある曇天と、閉鎖的な社会生活との狭間で光り輝く姉妹の命。でもその光は希望に満ちたものじゃなく支配欲と服従、諦念に満ちていた。姉妹の物語はその家の中で、同じ景色の中で確かに存在したことを証明したくてこの絵を描いた」とコメントしている。
併せて解禁されたシーン写真は1点。セプテンバーが“2人だけのままごと”の最中に、ジュライを獲物を射るような目線で捉えたもの。セプテンバーとジュライ、無邪気ゆえに恐ろしい、歪な支配関係が切り取られている。
『九月と七月の姉妹』は9月5日(金)より渋谷ホワイトシネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて公開。
『九月と七月の姉妹』© Sackville Film and Television Productions Limited / MFP GmbH / CryBaby Limited, British Broadcasting Corporation,ZDF/arte 2024
(シネマカフェ編集部)