石破政権、参院選前決着にらむ=「国益」損なうリスクも―トランプ関税

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2025年05月02日 21:01  時事通信社

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トランプ関税を巡る日米交渉について記者団の質問に答える石破茂首相=2日、首相官邸
 石破政権は、トランプ関税を巡る日米交渉について、7月実施見通しの参院選前の決着をにらむ。2回目の日米関税交渉で、6月の首脳間合意に持ち込むスケジュール感が見えてきたためだ。石破茂首相はあくまで「国益」を優先する姿勢を示すが、今後の交渉で米側に大幅な譲歩を迫られる展開となれば、参院選前決着があだとなる可能性もある。

 首相は2日、米ワシントンで交渉を終えた赤沢亮正経済再生担当相から報告を受けた。その後、首相官邸で記者団に「なお一致点は見いだせる状況にはなっていない」と指摘した。交渉妥結の時期に関しては「早さを優先するあまり国益を損なうものであってはならない」と強調。3日に帰国する赤沢氏と今後の対応を協議する予定だ。

 6月合意が浮上したのは、通常国会の延長がなければ「7月3日公示―20日投開票」で行われる見込みの参院選日程が、日米双方の念頭にあるからだ。赤沢氏のカウンターパートのベセント米財務長官は交渉会合前、「(日本は)早期に貿易交渉で大枠の合意をまとめ、選挙に臨もうとしている」と述べていた。

 相互関税の上乗せ分を一時停止する「90日間」の期限は7月9日。自動車や農産物で一定以上譲歩することになれば、国民に不満が広がり、参院選への悪影響は避けられない。

 日本政府としては、合意に前のめりになって米側の過剰な要求をのまされる事態は避けたいところだ。外務省幹部は「米側のペースに乗ってはいけない」と警戒する。政府内には、参院選前の決着にこだわるべきではないとの声もある。

 公明党の斉藤鉄夫代表は東京都内で記者団に、「交渉をしっかり与党としてサポートし、後押ししていきたい」と語った。立憲民主党の野田佳彦代表は記者会見で「手の内を早く見せて足元を見られるようなやり方はしない方がいい」と政府にくぎを刺した。 

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