木村文乃&田中樹が挑む歴史スペクタクル×本格サバイバルスリラー 「この題材に日本で挑戦するんだと前のめりな気持ち」「連続ドラマW I, KILL」【インタビュー】

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2025年05月03日 08:10  エンタメOVO

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「連続ドラマW I

 WOWOWと松竹・松竹京都撮影所がタッグを組んだ、初の完全オリジナル大型企画「連続ドラマW I, KILL」が5月18日からWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで放送・配信スタートする。本作は、血のつながらない娘を守るために立ち向かう元忍びのお凛と、人の意識を持ちながら「群凶」と呼ばれる怪物になった謎の男・士郎の二人を軸に、「群凶」が襲い来る世界で大切なものを守るためにぶつかり合い、裏切り、葛藤する人々を描く。お凛を演じる木村文乃と士郎を演じる田中樹に撮影での苦労や見どころなどを聞いた。




−最初に本作のお話を聞いたときのお気持ちを聞かせてください。

田中 楽しみだなというのが一番でした。以前からサバイバルものが好きだったので、マネジャーさんから「ついにきたよ!」と言われてうれしかったですし、楽しそうだなと思いました。ただ、江戸時代を舞台にした時代劇でもあるので難しいところも多いと思い、同時にプレッシャーも感じていました。

木村 このお話をいただいたとき、参考作品として『クワイエット・プレイス』と『バード・ボックス』という2本の映画が企画書に書かれていたのですが、私もサバイバルものが好きで何回も繰り返し見ている映画だったので、そうした世界観に入れることがすごくうれしかったです。しかも日本で作れる日が来るとは思っていなかったので、やりたいという気持ちしかなかったです。




−台本を読んだ最初の印象は?

田中 最初は自分の演じる士郎の出るシーンを追っていましたが、気がついたら「最後はどうなってしまうんだろう」とすごくワクワクしながら読みました。物語の世界観は台本を読む前から共有していただいていたので、より理解しやすかったのかなと思います。サバイバルというと狂気的な怖い作品をイメージしていたのですが、この作品はストーリーがしっかりあって面白いと感じました。

木村 あっという間に読んでしまいました。続きが気になって仕方なくて、とにかくのめり込みました。ただ、私が実際に撮影に参加したのは1カ月半くらいですが、その短い期間で、この題材で6話分の撮影をするというのはなかなか大変なことだなと(苦笑)。でもこの題材に日本で挑戦するんだと前のめりな気持ちが大きかったです。

−撮影期間が短いということももちろんですが、アクションシーンなど体力的にもキツい撮影だったのではないかと思います。撮影での苦労を教えてください。

田中 士郎は、その時代ならではの刀の持ち方を忠実になぞらえなければいけない役柄ではなかったのですが、僕自身がものを使ったアクションシーンの経験がなかったので、そこが難しかった点です。刀が入るだけでケガのリスクが上がりますし、思い切り振らなくてはいけないのに振り切れなかったり、細かいところがすごく大変でした。しかも、気温の低い夜中や朝方の撮影もあったので、フィジカル的な苦労はありました。

−夜遅いというのはずっと撮影を続けていた結果?

田中 夜のシーンだったので、日没からスタートして日が昇るまで撮るという撮影がありました。

−なるほど。木村さんはいかがでしたか。

木村 おっしゃる通り、本当に大変でしたが、救いはみんなの目標が同じだったということ。「できないじゃなくてやってみよう。成り立たせよう」という気持ちが大きくて、みんなで励まし合って乗り越えられました。それから、通常は撮影が終わったらヘトヘトになってそれぞれのお家に帰っていくのだと思いますが、京都の撮影所は22時まで撮影をしていると夜食が出るそうです。なので、みんなその夜食を待ち遠しいと思いながら撮影していました(笑)。夜食が豪華なんです。人間は、きちんと食べたら働けるんだなと思いましたし、それで乗り越えられたというのもあります。

−今回、木村さんは元忍びという役柄ですが、アクションもやはり独特なものがあったのでは?

木村 そうなんです。走り方から違いました。そもそも時代物なので、手をパタパタさせては走りませんが、かといって現役の忍びではないので抜き足、差し足でもない。そのあんばいは考えました。それから明らかに自分がかなわない力量の相手と戦うときの、忍びならではの動きや女性ならではの柔らかさを使ったアクションはこれまでしたことがなかったので、アクションチームの方々と結構話し合いをして挑みました。







−役柄については、どのようなところをポイントに演じましたか。

田中 すごくささいなことでいうと、まばたきをしない。それから、監督とは、例えば何かに反応するときの速度はどうするのかといったとにかく細かいことを話し合いました。士郎は、半分「群凶」なので、やっぱり動きも独特なんですよ。ゆっくりした動きをしていたのに、急にパッと振り返ったり。

−そうした役作りは映画など、何かを参考にしたのですか。

田中 あまり参考になるものもなかったので、何かを参考にしたというよりは、監督に質問して、話しながら決めていきました。ポイントとしては、スピード感です。それから、人間だったらせりふに感情がこもりますが、はたして士郎はこもるのか。怒るときはどのくらい怒るんだろう。感謝するときにはどのくらい心からしているのだろう。士郎は感謝することに直面せずに幼少期を過ごしてきたので、どのくらいの気持ちで言えばいいのか、監督の前で実際にセリフを言って試してみて、演出をしていただきました。

木村 今回はヤングポール監督の存在が大きかったですね。誰も正解が分からない中で指針を示すのは監督もなかなか大変だったと思いますが、役作りを超えて、人間として寄り添ってくれていることを感じました。それぞれの方向性は教えてくれるけれども押し付けないので、苦しい時も迷わずお芝居に向き合えたのだと思います。

−田中さんの事務所の後輩の西村拓哉さんも出演されていますが、交流などはありましたか。

田中 撮影が2日しか一緒にならなかったですし、一緒のシーンがワンシーンしかなかったんです。しかも、殺陣のシーンだったので大勢のキャストがいて。西村と僕が殺陣をするのは1回だけ(笑)。その撮影の2日間は夜から朝までの撮影だったので、ほぼ記憶がないんです。ただ、その数日後、西村がクランクアップするときにあいさつはしました。ぜひ、その1回に注目していただければと思います(笑)。

−では、お気に入りのシーンや注目してほしいシーンを教えてください。

田中 やっぱり殺陣のシーンかな。山本耕史さんが演じる十兵衛との殺陣や西村とのシーンは、長回しもありましたし細かく撮影もしたので、頑張った感覚があります。自分の動きを覚えるのに必死で、現場では映像を確認できていないのですが、皆さんからよかったと言ってもらえたシーンでした。

木村 (そのシーンの撮影は)ギャラリーがいつもの2倍いました。みんな、そのかっこいい殺陣を見たくて。

田中 自分も楽しくできたシーンでしたね。

木村 一番士郎さんが士郎さんたる殺陣をするシーンですからね。

田中 そうですね。前半はあまり殺陣がないんですよ。ですが、後半になると傷を負っていたりもして、そもそも万全な殺陣があまりないので、そこが一番、見応えのある殺陣になっているのかなと思います。

−木村さんはいかがですか。

木村 時代物で合わせ着物を着ていますので、その状態でのアクションはすごく大変なんですよ。なので、普通の作品では避けるのですが、今回は総勢20名くらいの女性ばかりの群凶アクションのシーンがあります。きっとそのシーンは世界初の映像になっていると思います。今回、「ゾンビコーディネーター」と呼ばれる方が入ってくださっていて、一人一人にそれぞれ理由のある動きをつけてくださっています。例えば、どこをかまれて、どういうふうに群凶になったのか。それによって動きも変わってくるので、全員にお芝居をつけて動いたシーンです。群凶という未知の動きをお見せすることができるシーンなので、そこが見どころの一つかなと思います。

(取材・文/嶋田真己)

 「連続ドラマW I, KILL」は、5月18日から毎週日曜午後10時にWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで放送、配信スタート。


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