「処遇が甘い」の声も…三山凌輝の文春報道にSKY-HIが出した声明が“信頼できる”ワケ

0

2025年05月03日 08:50  女子SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

女子SPA!

三山凌輝1st写真集『Gaze』(主婦と生活社)
 2025年4月24日発売の『週刊文春』で、「BE:FIRST三山凌輝が“結婚詐欺”1億円を貢がせていた!」という記事が掲載された。

 この疑惑について、「文春オンライン」で第一報が報じられた4月23日深夜、三山の俳優事務所であるFlash Up étoileと、アーティストマネジメントを担っているBMSGが連盟で声明文を発表。そこには事実確認の上で「法令に違反していることがない」とあった。

さらに4月30日、BMSGのCEOであるSKY-HIが自らのX上に声明を出した。これまで三山の活躍を好意的に見てきた一人として、これは信頼すべき文面だとひとまず感じた。

 文春報道からSKY-HIによる誠実な声明文を踏まえて、今改めて三山凌輝について何を語り、何が語られるのべきなのか? 男性俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が解説する。

◆グループでは重要な立ち位置

 7人組のダンス&ボーカルグループ「BE:FIRST」は、SKY-HIプロデュースの下にコロナ禍を躍進して、今や日本のダンス&ボーカルシーンを牽引する存在として世界的に注目されている。

 同グループのメンバーである三山凌輝(グループでの名義はRYOKI)は、グループの人気を支える重要なポジションにいる。音楽界でのグルーヴィーな佇まいと存在感を全身で強く打ち出しながら、最近では、その音楽的才能をテレビドラマや映画などへの出演にも注いで、演技の資質も並外れていることを示している。

 伊藤沙莉主演の朝ドラ『虎に翼』(NHK総合、2024年)では、主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)の弟・猪爪直明役を演じた。台詞の一言一言を丁寧に配置するように発する、クリアな眼差しがひときわ、きらきらしていた。同作での三山には演技というものに自らを全面的に投じるスタンスがあり、俳優の鑑のようだとぼくは感じ、すっかりファンになった。

◆朝ドラ『虎に翼』でもしなやかに躍動

 近年の朝ドラ作品として圧倒的な注目度だった『虎に翼』は、名刺代わりの出演作である。同作放送後に主演映画が後続するのは当然。三山にとっては初主演となった映画『誰よりもつよく抱きしめて』(2025年)では、『虎に翼』で養った演技の根幹とバランス感覚をよりしなやかに躍動させた。

 具体的には冒頭場面から明確に可視化されるリズミカルな演技である。映画は三山演じる絵本作家・水島良城が、テラス席で絵を描いている様子から始まる。外は寒く、良城は温かそうなマフラーで口元までおおっている。

 彼が息を吐く。マフラーがずれて口元が露になる。今度は鼻から息を吐く。持参したドリンクを一口、さらに息を吐く。等間隔に3回息を吐く。

 初主演映画の冒頭場面にしては少し地味な身振りかもしれない。でも、この場面の三山は3回吐いた息を3拍分のビートとしてカウントするように演技を構築している。

 リズミカルな組み立て方には音楽的才能を感じる。そしてそれを単なる雰囲気として醸すのではなく、明確なビート感としてスクリーン上に刻む慎ましい映画的資質に深く感動してしまった。

◆SKY-HIの声明文を踏まえて何が語られるべきか

 という具合に、音楽的であり映画的でもある三山の演技について、少し丁寧に記述してきた理由がある。『誰よりもつよく抱きしめて』の三山は早くも2025年最高の名演だと確信したのだが、同作公開から3か月近く経ち、予想外の話題性が飛び込んできたことに対してどう反応すべきか、戸惑ってしまったからである。

 4月24日発売の『週刊文春』が「結婚詐欺」と報じたのである。事実確認以前に、この四文字があまりにも強いインパクトで迫ってきた。文春報道からすぐネット記事でも一斉にこの文字が複製された。2025年最高の名演を感じたばかりだというのに、随分複雑な気持ちになる話題である。

 初主演映画でキャッチしたビート感に対して、何ともリズミカルじゃない報道内容。いてもたってもいられない。三山凌輝について早く何かを書かなければならないと気持ちははやるのに、何をどう書いたらいいのか。そんな感じでひとまず静観しているうちに、所属事務所が声明を発表した。

 さらにマネジメントを担うBMSGのCEOであり、三山の才能を鍛えたプロデューサー・SKY-HIが自らのX上に個人的に声明文を投稿(4月30日)するという展開……。

 文春報道に対する明確な対応力が評価されるべき、このSKY-HIの声明文を踏まえて、今改めて三山凌輝について何を語り、何が語られるべきなのだろうか?

◆SKY-HIの声明が約束すること

「一部報道について」と題された所属事務所の声明文(BMSGと連名)では「三山がかつて報道にありました方と真剣に交際していたことは事実でございます。双方のプレゼントのやりとりがございましたが、法令に違反していることがないことを確認しております」と書かれている。

「法令に違反していることがない」という文言が焦点になっているわけだが、この文言を踏まえたSKY-HIは、X上声明文に「法律と関係なくBMSGの理念と反している行動があるとも認識」とある種カウンター的に補足している。

「RYOKIの件に関して自分としても早急にコメントを出すべきだと認識」という冒頭文にしろ、SKY-HIという優れたエグゼクティブによる誠実かつ的確な言葉の連なりが、ほとんど全面的に信頼が置けるものだと感じた(にもかかわらず、ネットでは一部処遇が甘いという批判がある)。

 その上で自分の責務をつまびらかにして「BMSGの理念」を改めて問いながら、三山に対する今後のマネジメントスタンスを明らかにする。これがネットニュースになろうと、どこをどう抜いても誤読の余地はないはずと感じる。

 BMSGがスローガンとしているのは「才能を殺さないために」である。同社公式ホームページにはこれが「Mission」と明記され、それに後続する形で「革命的」、「真面目」、「想像力」、「成長欲」が4つの価値として「BMSGの理念」を丁寧に説明する。

 力強い理念に照らしながら、今回の報道があったからといって頭ごなしに処遇を決めるのではなく「責任を受けられる、想像力のある人間作りのために今後の自分のキャリアも改めて注いでいくと強く誓います」とX上に書くSKY-HIは、これまでの三山をより強固なアーティストに鍛えることを約束する。

 芸能界の「旧態依然を革命する」BMSGとして、アーティストの今後を風通しよく垣間見せるスタンスを改めて表明する。それによってぼくらは少なからず、これからの三山凌輝を見守ることができる。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修
俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu

    ニュース設定