GWに観たい!2025年前半のヒット映画(1)『ウィキッド ふたりの魔女』興行収入30億円超ロングヒットの理由

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2025年05月03日 12:05  ORICON NEWS

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映画『ウィキッド ふたりの魔女』興行収入30億円突破を記念し、入場者プレゼント第3弾、大切な想いをつづる“メッセージカード”配布中 (C)Universal Studios. All Rights Reserved.
 3月7日に公開された映画『ウィキッド ふたりの魔女』が、公開から7週目で興行収入30億円を突破。8週目を迎えた先週末(4月25日〜27日)には、新作映画が多数公開される中でも全国動員ランキング(興行通信社調べ)で7位をキープし、根強い人気を示した。このロングヒットの背景には、作品の魅力や戦略的なプロモーション、そして観客の熱い支持がある。

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 ブロードウェイ・ミュージカル『ウィキッド』の映画化とあって、公開前から大きな注目を集めていた。主演は、エミー賞、グラミー賞、トニー賞を受賞したシンシア・エリヴォと、日本でも人気の高い世界的アーティスト、アリアナ・グランデ。監督は『クレイジー・リッチ!』や『イン・ザ・ハイツ』のジョン・M・チュウが務めている。

 配給する東宝東和の担当者によると、「前売券の販売数や公式サイトのアクセス数は、過去の類似作品と比べても高水準を維持していました。関連グッズが完売するなど、SNS上でも公開を心待ちにする声が日々増えていき、大きな盛り上がりを感じていました」と、ヒットの兆しはあったと語る。

 さらに、テレビスポットやデジタル広告の早期展開に加え、衣装展示やNAKEDとのコラボイベント、タイアップなどのオフライン施策を多く実施したことも功を奏した。「早い段階から認知を獲得できたのは大きかった」と担当者は振り返る。

 マスコミ向けの試写会でも高評価が相次ぎ、「良い作品だから取り上げたい!」という声が多数寄せられ、『ウィキッド』の名を見ない日はないほどメディア露出が続いた。極め付きは、監督のジョン・M・チュウと主演のシンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデによる来日キャンペーン。テレビやネットで大々的に取り上げられ、認知拡大を後押した。

■ロングヒットにつながった作品の満足度

 本作は、ザ・エンターテインメント超大作にもかかわらず、賞レースに絡んだことも大きい。特に公開直前に発表された「第97回アカデミー賞」では衣装デザイン賞、美術賞を受賞。シンシア・エリヴォは主演女優賞、アリアナ・グランデは助演女優賞にノミネートされ、品質の高さが裏付けられた。NHK BSで生中継された授賞式のオープニングで、2人が披露したパフォーマンスも話題となり、「本当にパワフルなパフォーマンスで、おふたりの素晴らしい歌によって映画の魅力が直接的に伝わったことは、公開直前だった日本にとって大きな力になりました」(東宝東和)。

 さまざまな追い風を受けながら、ターゲットとして想定していた舞台ファンや、ミュージカル・ファンタジー好きの女性を中心に劇場への動員に成功。公開初週にはXでトレンド入りするほどの反響があった。公開2週目で10億円を突破し、10回以上鑑賞したという熱いファンも続出。

 好きなキャラクターやシーンについて語ったり、劇中曲を歌ったり、イラストを描いたり、メイクやファッションで世界観を再現したり――。SNS上では多彩な「表現」が飛び交い、タイムラインを賑わせた。こうした動きが、約2時間40分という長尺の作品でありながら、ライト層をも映画館へと足を運ばせる要因となった。「映画館には年に1〜2回しか行かないような方々にも、多くご鑑賞いただいており、最近の洋画では珍しい現象かもしれません」と担当者は語っている。

 もちろん、作品自体にパワーがあったことは間違いない。

 「物語の核は“ふたりの魔女”の友情です。出会いや別れを経験するこの季節だからこそ、共感された方も多かったのではないでしょうか。娯楽として楽しめるだけでなく、現代社会における重要なメッセージも込められた作品です。今だからこそ観るべき、そして語りたくなる作品であり、その力が観客の心を動かしたと思います」と担当者。

 原作となる舞台版へのリスペクトを保ちながら、映画ならではの映像表現やロケーションが加わることで、スケールの大きな感動作に仕上がっている本作。スクリーンで観ることで、キャラクターの表情や細やかな感情の動きがより伝わり、深い共感を呼び起こす。そんな映画体験が、オンライン&オフラインでの口コミを誘い、30億円超えの大ヒットにつながった。

 5月2日より入場者特典第3弾となる“大ヒット御礼メッセージカード”を配布中。また、本作は2部構成となっており、後編『ウィキッド:フォー・グッド(原題)』は、2025年11月21日に全米公開予定。日本での公開は未定だが、今後の展開にも注目が集まりそうだ。

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