4月22日、中山美穂さん(享年54)のお別れの会が東京国際フォーラムで催され、約1万人が来場した。昨年末、入浴中の不慮の事故で54年の生涯に幕を閉じた彼女の人生は根性と愛情に溢れていた。
中山さんは89年1月にドラマ『君の瞳に恋してる!』(フジテレビ系)で初の月9主演を果たす。共演の石田純一(71)は初対面で鮮烈な印象を受けた。
「18歳と聞いて驚きました。完成された美しさがあって、キラキラしていた。演技力の高さにも感心しました。アメリカの西部劇のようなアクションシーンを決めたかと思えば、急に色っぽい表情を見せる。すぐに切り替えて、どんな場面も的確な芝居をしていました」
実は、マスコミに嗅ぎつけられなかった“大事故”が撮影中に起こっていたという。
「ドラマが中盤に差し掛かったころでした。地面にレールを敷いて、その上にカメラの貨車を乗せて、シーンを撮っていました。その本番前のテストで、レールと貨車の間に彼女の足首が挟まってしまい、血が流れる事故が起こったんです」
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現場は騒然となった。慌てたカメラマンやディレクターが「すみません!」と貨車から降り、駆け寄った。美穂さんは表情を変えず、毅然と振る舞った。
「大丈夫です。ここは撮ってしまいましょう」
スタッフが救急車を呼んだものの、彼女は乗らなかったと石田は記憶している。
「貨車の上には重い機材に加え、スタッフが4人ほど乗っていたから、300キロくらいの重量があったはずです。でも、彼女は足を包帯でグルグル巻きにしながら、何事もなかったかのように演技を続けた。あの根性には驚きました。翌日も、何事もなかったかのように撮影に来てましたからね」
美穂さんは2人の男性に揺れ動く大学生の高木瞳を演じ、最高視聴率23.6%を記録。俳優としても立て続けに大ヒットを飛ばし、スターの地位を確立した。
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「キスシーンに関しては、軽いのはいいのですが、激しい絡みはNGでした。まだ10代のアイドルだからかもしれないし、彼氏に気を使ったのかもしれない。事前に、制作側から注意がありました」(石田)
美穂さんは“根性のシャイニングスター”だった――。
(文:岡野誠)
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