au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)。2024年王者となればこの一台がル・マンに? 2025スーパーGT第2戦富士 5月4日、スーパーGT第2戦『FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL』が行われている富士スピードウェイで、シリーズをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表が定例記者会見に出席したが、この中の質疑応答の中で、ル・マン24時間やWEC世界耐久選手権を運営するACOフランス西部自動車クラブ、GTワールドチャレンジやインターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)を運営するSROモータースポーツ・グループとのコミュニケーションについて触れている。
スーパーGTは長年、ル・マン24時間やWECを運営するACO、さらにGT300でも使用されるGT3を生み出し、GTワールドチャレンジ、IGTCを運営するSROとコミュニケーションを取り続けており、SROとは性能調整(BoP)の採用、IGTC鈴鹿1000kmへのスーパーGT参戦車両の参加など、さまざまな連携を行っている。
そんな両者との連携について、5月4日の定例記者会見のなかで、坂東代表に対し「ACOに対し、ル・マン24時間でGT500を走らせる提案をしたという発言があったというが」という質問が飛んだ.この提案については、坂東代表がこれまでも「ずっと言っている」とル・マンに“ガレージ56”枠ができてから何度も発言してきたアイデアのひとつだ。
「ACOには、GT500でチャンピオンを獲ったらル・マンに出るレギュレーションにしろと言っている。もし『いいよ』とフィヨン(ACOピエール・フィヨン会長)が言ったら行かなきゃいけなくなるかもしれない」と坂東代表は長年温めている思いを語った。
一方で、ACOからは現在積極的に取り組んでいる水素エンジンの活用等の提案もあったというが、そういった対話を「続けていかなければいけない」と強調した。もちろんACOに対しても、SROに対しても同様であると坂東代表。
その一例として坂東代表は、富士スピードウェイで開催されるWEC富士ラウンドで、GT500のみのスプリントレースを併催するというアイデアも語った。これも坂東代表が長年口答で語っている案のひとつだ。
また一方で、SROとも対話は続けており、インターコンチネンタルGTチャレンジの2026年以降の鈴鹿開催について、「9月にステファン(SROモータースポーツ・グループのステファン・ラテル代表)は鈴鹿で何かしら発表をしたい、それまでにコミュニケーションを取ろうと言っている」と明かした。その中には、鈴鹿1000kmの中でGT300の一戦を開催するというアイデアも含まれているという。
「来年のカレンダーについては、6月にはJAFに出さなければいけない。ただ暑さの問題もあり、8月に開催する富士と鈴鹿のレースをどうするのか、では8月に開催しないのか、比較的涼しい東北にもっていくことは可能かなど、いろいろな策を考えなければならない」と坂東代表。
例えば、今季の8戦のうちのひとつを、富士でのWEC併催でのGT500のスプリント、鈴鹿でのIGTC内でのGT300の耐久と分けた開催にすることもアイデアのひとつと坂東代表は語った。もちろん、国内で開催される他カテゴリーとのすり合わせ、さらなるACO、SROとの交渉が必要だ。まだアイデアにしか過ぎないが、口にしなければ実現しない。
「ル・マンにGT500が出るということは可能性としては、現段階では数パーセントも生まれていない」としつつも、「子どもみたいだけど、いつかはル・マンにGT500を出したいとずっと言い続けている」と坂東代表は語った。
ル・マン24時間にしろ、IGTCにしろ海外勢との戦いは、ファンにとっても夢があるもの。チーム単位でのトライはあるが、シリーズとして実現すれば興味深い。坂東代表の思いがどう結実するか、今後も注目したい。
[オートスポーツweb 2025年05月04日]