ピアストリが今季4勝目。角田裕毅は5秒ペナルティ跳ね除け入賞果たす【決勝レポート/F1第6戦】

1

2025年05月05日 06:50  AUTOSPORT web

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2025年F1第6戦マイアミGP スタートのターン3
 現地時間5月4日、2025年F1第6戦マイアミGPの決勝レースが行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が今季4勝目/自身通算6勝目を飾った。

 2位にランド・ノリス(マクラーレン)、3位にジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は5秒のタイムペナルティを跳ね除け10位となり、1ポイントを獲得した。

 アメリカ合衆国フロリダ州マイアミガーデンズにあるハードロックスタジアムの敷地に仮設されたマイアミ・インターナショナル・オートドロームが舞台となるマイアミGP。

 スタートタイヤは20台中13台がミディアムタイヤ(イエロー/C4)を選択。上位勢では5番グリッドのラッセル、12番グリッドのルイス・ハミルトン(フェラーリ)がハードタイヤ(ホワイト/C3)を履いた。

 現地時間4日16時を過ぎ、57周の決勝レースは気温26度、路面温度40度、湿度64パーセントというコンディションでスタートを迎えた。ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とノリスがターン2でサイド・バイ・サイドとなるなか、ノリスはたまらずコース外に押し出され、間隙をついたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が2番手に浮上する。

 ノリスは6番手までポジションを下げ、ピアストリが3番手、ハードタイヤを履くラッセルが4番手、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が5番手に浮上。角田は好スタートを決め、エステバン・オコン(ハース)をかわし9番手で2周目に入った。

 また、スタート直後の後方ではリアム・ローソン(レーシングブルズ)とジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)が接触。左フロントタイヤがホイールから外れたドゥーハンはその後コースサイドにマシンを止め、バーチャル・セーフティカー(VSC)導入に。

 3周目にグリーンとなると、続く4周目のターン10でピアストリがアントネッリをパスし2番手に浮上。そして7周目のターン4でノリスがラッセル(ハードタイヤ)をかわし4番手に浮上する。

 マクラーレン勢は序盤から猛プッシュを見せ、9周目のターン11へのブレーキングでノリスがアントネッリをパスし3番手。これでマクラーレン勢が2-3となり、先行する車両はフェルスタッペンのみという状況に。

 ピアストリもフェルスタッペンのDRS圏内をキープし続け、ターン1、ターン11、ターン17といったオーバーテイクポイントではフェルスタッペンに揺さぶりをかける。上位2台がテール・トゥ・ノーズのバトルを見せるなか、ファステストペースの走りを続けるノリスも2台に接近する。

 そうして迎えた14周目、ターン1で2台のブレーキング勝負となるなか、イン側のフェルスタッペンはブレーキを遅らせた末、止まりきれずにコースオフ。アウト側のピアストリは余裕を残したブレーキングでラインをクロスさせ、トップに浮上する。フェルスタッペンは「使えないブレーキだ」と、無線で不満を口にする。

 トップに浮上したピアストリが一気にフェルスタッペンとのギャップを広げる。一方、15周目のターン1ではノリスがフェルスタッペンに仕掛ける。ここではフェルスタッペンがポジションを守るが、ここからはノリスの追撃を受けるなかでの走行に。

 そうして迎えた17周目のターン11で、イン側の飛び込んだノリスは止まりきれず、フェルスタッペンをコース外に追い出すかたちで前に出る。ただ、続くターン17でノリスはフェルスタッペンに対しポジションを戻し、ペナルティを回避。ただ、そのまま2台の戦いは続き、翌18周目のターン11で再びノリスが仕掛け、今度はクリーンな追い抜きで2番手に浮上する。

 これでマクラーレンのワンツーとなるが、この時点でピアストリとノリスのギャップは9秒まで広がっていた。また、フェルスタッペンの2秒後方にはアントネッリが、4秒後方にラッセル(ハードタイヤ)接近する状況に。

 22周目のターン17でハミルトン(ハードタイヤ)がオコンをかわし10番手浮上。ただ、2台は長時間バトルを展開したことで、9番手角田とのギャップは5秒まで広がっていた。

 レースも折り返しを過ぎた26周目、上位勢では4番手アントネッリ、7番手カルロス・サインツ(ウイリアムズ)がハードタイヤに交換。ただ、アントネッリはピットロードを通過するサインツへのアンセーフリリースを避けるべく、停車時間は4.4秒に達してしまう。

 27周目に3番手フェルスタッペン、6番手アルボン、28周目に角田は停車時間2.3秒でコース復帰。角田はハードタイヤスタートで引っ張るピエール・ガスリー(アルピーヌ)、オリバー・ベアマン(ハース)の後ろでコース復帰したところ、突如ベアマンがエキゾーストから白煙を吹き出しスローダウン。

 ベアマンはコースサイドにマシンを止めVSC導入に。この間にハミルトンがタイヤを変え、角田をアンダーカット。これで角田は事実上の10番手に後退する。また、VSC中にはピアストリ、ノリス、ラッセル、ルクレールもタイヤを変え、ラッセル(ミディアム)はフェルスタッペンの前でコースに復帰する。

 また、角田にはピットロード速度違反の裁定が下り、5秒のタイムペナルティを受けることになった。VSC解除後の31周目、ターン1でアルボンがアントネッリをパスし5番手に浮上する。

 33周目、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)がバックストレートでマシンを止め、VSC導入に。そのVSC明けの34周目、サインツがルクレール、ハミルトンにかわされ9番手に後退する。

 これでトップ10はピアストリ、ノリス、ラッセル(ミディアム)、フェルスタッペン、アルボン、アントネッリ、ルクレール、ハミルトン(ミディアム)、サインツ、角田というオーダーに。

 この時点でピアストリはノリスに6秒差、ノリスはラッセルに20秒差を築いており、VSC導入でマクラーレンのワンツーはより強固な状況となった。

 38周目、フェラーリはハードタイヤのルクレールにポジション入れ替えを指示し、ミディアムタイヤを履くハミルトンが7番手に浮上する。ただ、フェラーリ2台がテール・トゥ・ノーズとなってからかなりの時間が経過していたこともあり、ハミルトンは「昼休憩中だったかい?」と、無線を飛ばす。

 また、指示通りにポジションを入れ替えたルクレールも、ハミルトンの1.2秒後方をキープし「彼はもう少し早く走れないかな」、「彼に詰まっているんだ」と、無線で呟く。

 その後もハミルトンは6番手アントネッリにオーバーテイクを挑むまでは迫れず、ルクレールを蓋するかたちで周回が続いた。これに対し、ハミルトンの1秒以内をキープし続けるルクレールは「タイヤがオーバーヒートしそうだ」と無線を飛ばし、ポジションを戻すようにチームにプレッシャーをかける。

 フェラーリは52周目にようやくポジション入れ替えを指示。ハミルトンは52周目のターン11でルクレールに7番手を明け渡す。ルクレールは3秒先行するアントネッリを狙える状況となったが、残り周回数は5周しか残されておらず、オーバーテイクには至らず。

 一方、49周目には11番手アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)が10番手角田の後方5秒以内に入った。角田は再びプッシュをかけるが、30周近く走ったハードタイヤでハジャーはセクター1、セクター3で自己ベストを更新するタイヤマネジメントぶりをみせ、52周目には4.8秒差に縮める。

 5秒のギャップを守れるか、破れるか。角田とハジャーというかつてのチームメイトの戦いはチェッカーまで続いた。

 57周目を終え、ポイントリーダーのピアストリがトップチェッカーを受け、今季4勝目/自身通算6勝目を飾った。4.6秒差の2位にノリス、37.6秒差の3位にラッセルが続いた。

 以下、4位フェルスタッペン、5位アルボン、6位アントネッリ、7位ルクレール、8位ハミルトン、9位サインツ、10位角田までが入賞となった。角田は11位のハジャーに5.168秒(ペナルティ適用後は0.168秒)のギャップを残し、1ポイントを掴んだ。

 次戦となる2025年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPは5月16日〜18日に、イタリアのアウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ(イモラ・サーキット)で開催される。

[オートスポーツweb 2025年05月05日]

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定