ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキット 2024年WEC第3戦の様子 TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、美しい景観で知られるベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで5月10日(土)に決勝が行われる、WEC世界耐久選手権2025年第3戦『スパ・フランコルシャン6時間レース』に臨む。
現行WECでは、これまでに全12戦が行われてきたスパで、TGRは8勝を挙げており、特に2017年から2023年までの7年間は連続で勝利を収めてきた。第2戦のイモラで2台がそろってポイントを獲得したTGRにとっては、6月の第4戦ル・マン24時間レース前の最後のレースという、重要な位置付けの一戦ともなる。
今季まだ表彰台への登壇こそないTGRだが、マニュファクチャラー選手権では首位のフェラーリに対して39ポイント差の3位につけている。
スパ・フランコルシャンはまた、ドイツのケルンに本拠地を置くTGR・WECチームにとって、富士スピードウェイと並ぶホームレースのひとつとなる。ケルンからスパまでの距離はわずか120kmほどだ。
スパ・フランコルシャン・サーキットは、昨年のWEC開催の後、全長7.004kmのうち半分以上が再舗装されたが、TGRは4月、2日間にわたるテストでGR010ハイブリッドを走らせ、スパ6時間とル・マン24時間へ向けたさらなる準備を整えた。
TGRから第3戦スパに挑む6名のドライバーのコメントは、以下のとおり。
■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「スパは、ル・マン前の最後のイベントとして常に重要なレースです。全体のプロセスを微調整しながらクルマの特性をより深く理解し、レースでのチームの一体感を高める最後のチャンスであり、準備のための重要な局面です」
「スパは名高い歴史を持ち、毎回多くの観客を集める、すべてのドライバーが勝利を目指す素晴らしいサーキットです。天候は不安要素ですが、スパでドライブするのは本当に楽しいですし、ここでのレースをいつも楽しみにしています」
「考えうるあらゆる可能性に備える必要があるため、レースウイークは過酷です。これまでと同様、タフな戦いになると思いますが、チームとして激戦に備える準備はできています」
■マイク・コンウェイ(7号車)
「スパは間違いなくお気に入りのコースのひとつで、天候などで予期しないサプライズが起こることも多い。何が起こるか分からないというのもスパの魅力のひとつだ」
「またスパはドイツ・ケルンのチーム本拠地から約1時間という距離にあるため、ホームレースのひとつであり、我々にとって特別なイベントだ。チームの本拠地で働く同僚たちとシーズン中に会う機会はあまりないので、彼らが応援に来てくれるのも素晴らしいことだ。みんながワクワクするレースを楽しんでくれることを願っている」
■ニック・デ・フリース(7号車)
「イモラでの結果は、表彰台に上れる可能性があると思っていただけに、それを逃してしまい残念だ」
「それだけに、すぐにスパでの戦いに戻れるのが楽しみだ。スパはいつも最高の場所で、地元ファンのみなさんや同僚たちが大勢応援に集まる。ル・マンも迫ってきており、スパは準備のために重要な一戦なので、スタートを切るのが待ち遠しい」
■セバスチャン・ブエミ(8号車)
「ル・マン前の最後のレースということもあり、良い結果を出してビッグレースに挑めるよう全力を尽くしたい」
「昨年スパで戦った後、コースが再舗装されたが、その後のテストでレース分析用のデータも得ており、良い準備ができると思う」
「イモラとカタールを終えて、今年はさらに厳しい戦いになることが分かった。我々は優勝を争うにはペースが足りなかったが、それほど差があったわけではない。我々は強いチームだし、勝てるクルマを持っているので、小さな改良を積み重ねていけば、勝利を争えると思う」
■ブレンドン・ハートレー(8号車)
「スパはいつでも特別な場所だ。流れるような、高速で予測の難しいコースだ。変わりやすい天候は挑戦でもあり、それこそがエキサイティングなレースを生む要素でもある」
「チームとして、レースウイークをクリーンに戦い、ル・マンに向けて勢いをつけることに集中する。上位を争い、できる限り多くのポイントを持ち帰ることが目標だ」
■平川亮(8号車)
「カタールとイモラの2戦は厳しかったですが、チームとして力強く戦い、最大限の力を発揮できた結果だと感じています」
「トップ争いに加わるだけのパフォーマンスがないときでも、着実にポイントを稼いでいくことが重要です。シーズンは長いですし、我々の目標はチャンピオンタイトル獲得です」
「前戦イモラからあまり間がないですが、チームは全力で取り組んでくれていることを知っていますし、スパでは強くなって戻ってこられると思います」
[オートスポーツweb 2025年05月05日]