映画「宝島」完成報告会見に出席した妻夫木聡(C)モデルプレス【モデルプレス=2025/05/05】俳優の妻夫木聡が5月5日、都内で行われた映画『宝島』(9月19日公開)の完成報告会見に、共演の広瀬すず、窪田正孝、メガホンをとった大友啓史監督とともに出席。同作の宣伝アンバサダーに就任し、意気込みを語った。
【写真】妻夫木聡・広瀬すずらが幼馴染役に◆妻夫木聡、オファー時に感じた運命明かす
戦後沖縄を舞台に、歴史の陰に埋もれた真実を描き切った真藤順丈による小説『宝島』を実写映画化した本作。混沌と暴力に満ちた時代を命がけで駆け抜けた“戦果アギアー”(米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える若者)たちの姿を通じて、誰も描けなかった沖縄、誰も知らない空白の20年、そして戦争に翻弄された運命に絡め取られた人々の姿を圧倒的熱量と壮大なスケールで描くエンターテインメント作品である。
完成した本作を見た感想を求められると、グスク役を演じる妻夫木は「まだ客観的に見られていない部分があると思うんですけど、まずはこの作品が持つ圧倒的な生命力を感じましたね。見終わった後にシンプルに“生きていかなきゃいけないな”って心の底から思いました」と打ち明け、「死というものに対して、僕自身はもともと終わりを意味するものだと思っていたけど、死があるからこそ生があるというか、死が生きとし生けるものの糧になるものなのかなと。受け継がれていく何かを僕たちは持っていて、それに支えられて僕たちは生きているんじゃないか。だからこそ、精一杯生きていかなきゃいけない。そういう思いがすごく湧き上がりましたね」と吐露。オファーを受けた際の心境について「沖縄のコザという街が舞台になっているんですけど『涙そうそう』という映画を以前やらせていただいたときにコザという街が舞台で、僕自身、縁があるお話だなと思ったんですよね」といい、「原作も読ませていただいて、もしかしたら自分は導かれたのかもしれないと。役者さんの中で、コザで撮影したことがある方はいっぱいいると思うけど、僕は『涙そうそう』で出会ったコザと、コザの人たちといまだに仲良くしていて、1番知っている自分だからこそ、この映画に導かれたんじゃないかなという運命的なものを感じて、沖縄では今なお続く問題がいっぱいあるし、現地の方々の言葉にならない声を芝居に変えて表現していかなきゃいけないんじゃないかなという使命感みたいなものは最初に感じましたね」と言葉に力を込めた。
◆妻夫木聡「宝島宣伝アンバサダー」就任
そして、主演の妻夫木が『宝島宣伝アンバサダー』に就任したことが発表され、この日時点で沖縄、静岡、富山、長野、北海道へ行くことが決まっているという妻夫木は「映画を撮っているときから、この映画はしっかりとみなさまの前に立って、生で会いに行ってしっかりと宣伝したいなと思って、宣伝って言い方も似合わないくらい、映画を超えている存在になっているんですけど、それを目の当たりにしていただきたい、体験してもらいたい、感じてもらいたいと思っているところがあります」と熱い思いを告白。「『ウォーターボーイズ』という映画をやったときに、当時、日本映画はあまりヒットしていなくて、いろんなところを監督と一緒に回ったんですよね。その都市都市でみんな映画を好きになってくれて、その都市都市で映画がみんなのものになっていくのを体験していて、あのときに感じたことをこの『宝島』という映画でもできないかなと思って、まさしくこの映画はそうあるべき姿なんじゃないかなって。この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そしてみなさんの物語だと思っています。人生のバトンの物語だと思っていて、受け継がれてきたものを僕たちは未来へバトンを渡さないといけないと思っているんです。だから僕はアンバサダーに就任しますけど、みなさんに直にこの映画を届けていって、映画を見てもらいたいと。(上映時間191分と)少し長めではありますけど、観る前に必ずトイレに行ってくれということは伝えたいと思います」と意気込んだ。
また、以前、妻夫木が「この映画を映画だけに終わらせたくない」というコメントをしたことが話題に上り、そのコメントに込めた思いを聞かれると「映画って1つのビジネスで、お客さんにお金を払って見に来てもらって成立するものではあるんですよ。でも見てもらって“ああよかった”だけで終わりになってほしくないなと。映画で世界を変えられるわけではないと思っているんですけど、この作品にはそれを覆す生命力があるんじゃないかなと信じているんですよね」とコメント。「映画の力ってまだまだ底力があるんじゃないかって、僕は映画の力を信じていて、だからこそ今回もキャンペーンという形で全国の方に直に持って行きたいなと思っているんですよね。見た方々、それぞれ想いに違いはあるかもしれないけど、必ず“生きていかないといけない”と思える作品になっていると思います。それがどういう形になるか正直わかりませんが、過去がなかったことにはならないし、僕たちは前に進むしかないんだけど、その原動力には確実になると僕は思っています」と話した。(modelpress編集部)
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