2025年F1中国GP (右から)アルピーヌF1チームのオリバー・オークス代表とエグゼクティブ・アドバイザーのフラビオ・ブリアトーレ BWTアルピーヌF1チームは、ヨーロッパ時間の5月6日夜、チーム代表オリバー・オークスが辞任したことを発表した。
アルピーヌは以下のような声明を発表した。
「BWTアルピーヌF1チームは、オリバー・オークスがチーム代表の職を辞任したことを発表する。チームは彼の辞任を即時に受理した」
「本日付けで、フラビオ・ブリアトーレがエグゼクティブ・アドバイザーとして引き続き活動しつつ、オリバー・オークスが以前に担っていた職務も兼任することになる」
「チームは、オリバーが昨夏にチームに加わって以来の尽力と、2024年のコンストラクターズ選手権においてチームが6位を獲得したことへの貢献に、感謝の意を表する」
「チームはこれ以上のコメントを行わない」
最近、アルピーヌに関しては、ブリアトーレがジャック・ドゥーハンを解雇し、潤沢な資金を持つリザーブドライバー、フランコ・コラピントと交代させることを決定したといううわさが浮上した。今回のオークス辞任は、彼がブリアトーレの決定に同意しなかったことを示しているように見える。
マイアミGPの日曜日夜、ブリアトーレがハードロック・スタジアムを離れる前にドゥーハンを解雇したと、アルピーヌ内部の情報筋がイギリスメディアにリークした。それから間もなくして、オークスの辞任が発表されたことになる。オークスは、シーズン開幕以降、チーム内でドゥーハンを公に擁護してきた唯一の人物だった。
チームがコラピントをリザーブドライバーとして起用する際に、ブリアトーレによって意見を退けられたオークスは、「私としては、もし他の誰かがリザーブドライバーとして契約していて、大きな支持やそれに伴う騒動がなかったら、状況は少し違っていただろう」と述べていた。
その後オーストラリアGPでドゥーハンが早々にリタイアした際には、「我々が多くの騒音を引き起こしたことは事実であり、彼にとって最善の状況を用意できなかったことは否めないと思う」とコメントした。
ブリアトーレは、「ドライバーは常に結果を出さなければならない」と主張し、「我々は5人のドライバーと契約している」と述べ、コラピントを称賛し続けた。一方で、オークスがコラピントをあまり好んでいないことが次第に明らかになってきた。ハイテックチームを率いていたオークスは、ジュニアフォーミュラ時代のコラピントを注視してきたが、彼をF1チームに迎えることに決して熱心ではなかったようだ。
オークスは、チームに加入してからわずか9カ月でアルピーヌを去ることになった。かつてフレデリック・バスールが、ルノーを短期間で離脱したことが思い起こされる。バスールは、当時のマネージングディレクターであるシリル・アビテブールと対立、チームをわずか1年で離れ、その7か月後にザウバーのチーム代表としてF1界に復帰、その後フェラーリに引き抜かれた。
ブリアトーレは年齢と健康上の問題により、チーム代表の職をフルタイムで務めることはできないため、彼は、オークスの後任を早急に見つける必要がある。しかし、ブリアトーレが求めているのは、自分に異を唱えない“イエスマン”であることが明らかになっており、適任者を見つけるのは容易でなさそうだ。
[オートスポーツweb 2025年05月07日]