
【写真】羽多子(江口のりこ)、娘たちとおしゃべり
■「私は朝ドラのお母さんっぽい感じはないので、なんでだろうと」
本作の主人公は、漫画家・やなせたかしさんの妻・小松暢さんをモデルとした朝田のぶ。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどり着くまでを描く。
江口のりこが演じる朝田羽多子は、朝田家を支え続ける、家庭的で趣深い母。夫を尊敬し、子どもたちには平等に接する。
「まずオファーを受けたときに、どう考えても私は朝ドラのお母さんっぽい感じはないので、なんでだろうと思いました(笑)」と明かした江口。
羽多子の人物像については「羽多子は、たくましくてやさしいお母さんですね。家のことを守りつつも、夫である結太郎(加瀬亮)さんが言っていた『女子も遠慮せんと大志を抱け』という思いを大事にしていて。娘3人に好きなことがあれば、その道に進めるようにサポートし、いつも後ろから見守っている。そんな感じがしますね」と分析する。
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第1週で夫・結太郎が亡くなり、その後、第5週と第6週で結太郎が出張に行くたびにくれた手紙について話す場面があった。
江口は「初週の木曜で亡くなってしまって、びっくりしましたね。羽多子としては、もちろん悲しいけれども、まずはそれよりも生活をどうにかしなくてはいけない。小さい子どもが3人いて、悲しむ暇がない。どんな夫婦だったのかというのは、今も想像するところではあるんですが……。というのも物語上、結太郎さんと直接話したのは『出張ご苦労さまでございました』『お気をつけて』『行ってらっしゃい』くらいしかないんですよ」としつつ、「でもきっと、結太郎さんが出張先で羽多子を思いながら手紙を書く時間は、唯一ゆっくりできる時間だったんだろうなと。羽多子にとっても、その手紙を読んでいる時間が、一番豊かな時間だったんだと思います。帰ってきたらきたで、生活に飲まれてしまいますし、離れている時間が2人の愛情を強くしていったのかもしれませんね」と話した。
屋村草吉(阿部サダヲ)の助けもあり、羽多子は朝田家でパン屋を始めることができた。江口は「屋村さんは風来坊なのに、こんなに長い間、朝田家でパンを焼いてくれて。不思議ですよね。でも、屋村さんがいなかったらパン屋はできていないですし、羽多子は屋村さんをすごく大事にしていると思います」と推察。
さらに撮影エピソードも。「パン屋を演じるにあたって指導してくださっているパン職人の竹谷さんという方がいるんですが、竹谷さんが焼いたパンが本当においしいんですよ。今まで味わったことのないような深い味のパンで。それを食べられるのがうれしいですね」と語る。
■「自分の体の中に“今田美桜を見守る”という免疫が」
娘ののぶへの思いを「のぶって本当にいい子なんですよね。自分のことだけを考えているのではなく、いつも家族のことを考えていて。なので、自分の子どもでありつつ、羽多子を助けてくれる人という感じもあるんですよ。朝田家はのぶが照らしてくれている気がしますね」と語る江口。
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連続テレビ小説『あんぱん』は、NHK総合にて毎週月〜土曜8時ほか放送。