『ダウンタウンDX』終了から推測できる3つのこと。『ガキ使』『水ダウ』はどうなる?

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2025年05月07日 16:01  日刊SPA!

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©産経新聞
32年間続いた長寿番組『ダウンタウンDX』(読売テレビ/日本テレビ系)が、6月26日で放送を終了することが発表された。
ほどなくして、ダウンタウンが芸能活動を再開するとの報道がSNSを賑わせた。配信サービス『ダウンタウンチャンネル(仮)』を今夏に始めるとのことだ。

何かと情報が錯綜しているダウンタウン。これまで数多くの伝説を作り上げてきた2人が、今後はどんな形で活動していくのか? 元テレビ局スタッフの筆者が、現在出ている情報を整理しながら推測していく。

◆『ダウンタウンDX』終了の理由を考える

なぜ『ダウンタウンDX』を終了させるのか。松本人志の休業後は浜田雅功が一人で司会を担当。さらに、浜田が休業をしてからは、かまいたち、千鳥、田村淳、東野幸治が代役を務め、5月1日放送ではブラックマヨネーズが司会を担当している。

大物であっても忖度しないツッコミで浜田が進行を行い、松本がサブ司会的にゲストのトークを展開するのが魅力だった。松本の離脱後は構成が変わり、どこにでもあるトーク番組になってしまった感は否めなかった。とはいえ、番組を終了するほど陳腐化したわけではない。

それどころか、代役MCの新鮮味もあって番組の評価はうなぎのぼり。浜田が復活するまで番組は継続させられたはずだ。番組終了には何か特別な事情があったのではないかと考える。

◆異例のタイミングでの終了発表

そもそも、6月26日で放送を終了するというのはかなり異例だ。不祥事での打ち切り以外は番組改編を行わない時期。急遽、番組の打ち切りが決定したと推測される。読売テレビの発表では、所属事務所を通じて「活動休止によって多くの関係者の方々にご迷惑をおかけしている」という意向により、総合的に判断し放送終了を決めたとしている。

推測されるのは、ダウンタウンの復活がテレビでは当面は行われなず、それどころかコンビで復帰することはないということ。『ダウンタウンDX』の終了と、『ダウンタウンチャンネル(仮)』の正式始動時期の発表がほぼ同時だったことも、そんな疑念を抱く材料になる。

『ダウンタウンDX』は、前述したようにダウンタウンがコンビで出演するのがベストだ。かつて『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)が大ヒットしたのも、コンビ芸でミュージシャンの知られざる一面を引き出せたから。『ダウンタウンDX』も技法は一緒で、コンビがそろわないと魅力は欠ける。

◆『ガキ使』も終了する可能性が高い

松本は、『ダウンタウンチャンネル(仮)』を公表したインタビューでも、かなり力を入れて制作する予定だと明かした。そうなると、気になるのは残るダウンタウンの冠番組である。具体的には『水曜日のダウンタウン』(TBS系)、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の行方だ。

『ガキ使』に関しては、『ダウンタウンDX』と同じ道を歩むのではないかと考える。松本が復帰しないことには立ち行かない番組だからだ。『ガキ使』は、ダウンタウンの東京進出を成功させた番組であり、『絶対に笑ってはいけない』シリーズという、日本テレビの歴史に残る特番も生み出した。とはいえ、ここ最近ではレギュラー放送の『ガキ使』は視聴率が高いわけでもなく、『絶対に笑ってはいけない』シリーズも、公式発表はないが「終了」したように見える。

とにもかくにも『ガキ使』は、他のレギュラー番組より松本の才能を活かす企画が多い。実際、松本が離脱してからの番組は明らかにパワーダウン。影響でいえば、『ダウンタウンDX』よりも被害は甚大だった。また、日本テレビ的には視聴率が振るわなくても、『絶対に笑ってはいけない』シリーズがあるから番組を存続させていた面もあるだろう。年末の放送だけでなく、DVDも売れ、なおかつ配信でも好調だった同シリーズは“利益を産む番組”だったからだ。しかし、その副産物が無くなったいま、ビジネス的観点から見て『ガキ使』を残すべきなのかは、はなはだ疑問だ。存続はかなり厳しいように思う。

◆『水ダウ』は継続する可能性が高い

一方で、『水曜日のダウンタウン』は番組名が変わっても存続するだろうと予想できる。すでに、同番組は浜田の司会で収録した分のストックが切れ、4月23日放送では小籔千豊がMCを担当。正直言って、ダウンタウンがいなくてもさほど違和感はなかった。

『水ダウ』に関しては、ダウンタウンが企画に参加することはほぼなく、松本はあくまでも見届人としてのスタンスを保っていた。『ガキ使』や『ダウンタウンDX』と違い、ダウンタウンをプレイヤーにしていなかったから、不在でも影響がほとんどないといえる。

また、2024年12月にTVerでの見逃し配信の累計再生数が、2億回を突破。史上初の快挙を成し遂げている。露悪的な企画が多い同番組だが、TVerにおいても重要なコンテンツであり、いまやTBSを代表する番組といっても過言ではない。番組を終了するということはまずないだろう。

それどころか、何事もネタにする同番組は、『ダウンタウンチャンネル(仮)』を取り上げる企画を立ち上げる可能性も高い。あるいは、『ダウンタウンチャンネル(仮)』を応援するコラボ企画さえも考えられる。

◆ダウンタウンは「テレビを捨てる」のか

さて、ここまでダウンタウンのレギュラー番組について、現時点での情報を基に推測してきた。日刊スポーツによれば、吉本興業は『ダウンタウンチャンネル(仮)』の制作資金調達を目的とした、ファンド資金を設立しているそうだ。コンテンツの海外販売も視野に入れ、出資規模は数十億円を想定しているというから驚きだ。

もはや、『ダウンタウンチャンネル(仮)』が我々の予想をはるかに超えるプラットフォームになるのは間違いない。地上波番組への復帰を模索する必要はない。『ダウンタウンチャンネル(仮)』を成功させることに、松本が残りの人生をかけるのではないか。

『ダウンタウンDX』の番組終了は、まさに“終わりの始まり”なのではないかとさえ思えてしまう。日本のお笑いの歴史を変えてきたダウンタウンが、2025年は「テレビを捨てる」のか? 復帰までの動きをこれからも注意深く追っていきたい。

<TEXT/ゆるま小林>

【ゆるま小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆

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