自民保守系、政府の戦争検証に反対=石破首相は意欲、調整難航も―戦後80年

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2025年05月07日 18:31  時事通信社

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自民党の保守系議員連盟「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」の青山繁晴代表(右)から要請書を受け取る林芳正官房長官=7日、国会内
 自民党の保守系議員連盟「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」は7日、先の大戦について、政府が検討する有識者会議による検証を見送るよう石破茂首相に求める要請書を提出した。首相は戦後80年の節目に合わせ、検証結果を踏まえたメッセージを8月に発表したい考えだが、調整が難航する可能性もある。

 議連代表の青山繁晴参院議員らが林芳正官房長官と国会内で面会し、首相宛ての要請書を手渡した。林氏は「戦後80年に向けたメッセージの在り方は何ら決まっていない」と述べた上で、首相に伝えると応じた。林氏はこの後の記者会見で「石破内閣は歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継ぐ」と述べた。

 要請書では、政府が植民地支配への「反省とおわび」を表明した戦後50年の村山富市首相談話(1995年)により「わが国の尊厳は不当に汚され国益を損なった」と批判。戦後70年の安倍晋三首相談話(2015年)で謝罪外交を終えたとして、「先の大戦の検証という重大事はわずか数カ月でできるものではない」と反対した。

 石破首相はかねて「二度と戦争を起こさないために考えたい」として戦争に至った経緯などの検証に意欲を示してきた。8月15日の終戦の日に向け、記者会見などで自身の見解を示す意向だ。歴史認識問題の再燃を避けるため、閣議決定による「首相談話」は見合わせる。

 それでも自民保守派の反発の強さが浮き彫りとなった格好だ。党幹部は議連の動きに「単なるパフォーマンスだ」と不快感を示すものの、青山氏は記者団に「中国や韓国などに対し、わが国を非難する口実を再び与える可能性が高い」と懸念を示した。

 政府は、4月中にも有識者からの意見聴取に着手する意向だったが、トランプ米政権の関税措置など内外の課題が重なり、作業に遅れが生じているとみられる。

 立憲民主党の重徳和彦政調会長は7日の記者会見で、首相に対し「5月に入りタイムリミットが近づいている」と早期の決断を要求。国民民主党の舟山康江参院議員会長は記者団に「改めて検証することは大事だ。節目にしっかりと向き合う必要がある」と政府に対応を促した。 

首相官邸に入る石破茂首相=7日、東京・永田町
首相官邸に入る石破茂首相=7日、東京・永田町

このニュースに関するつぶやき

  • 先の大戦で、植民地に何をしたのか、いい加減認めるべきだと思うのだが? 何時まで自分たちは被害者だと公言するのか?加害を語らず、戦争を語るなかれ。
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