米Amazonは5月7日(現地時間)、触覚センサーを備えた倉庫内ロボット「Vulcan」を発表した。Vulcanは従来の視覚と吸着技術に加え、物体に触れた感触や加わる力をリアルタイムで検知する物理AIを組み合わせることで、人間のような繊細な動作を実現できるという。
従来、倉庫内ロボットは外部からの触覚フィードバックを持たず、物体や周囲環境との不慮の接触時には緊急停止や破損リスクが高かった。Vulcanは、エンドエフェクタ先端に取り付けられた定規状のツールと、ヘアアイロンのような形のパドル、力を測定するフォースフィードバックセンサーを駆使し、押す力や握る力を制御することで、詰め込まれた容器内でのアイテムの詰め替えや取り出しを安全に行えるとAmazonは説明する。
Vulcanは、前腕部に搭載したカメラと吸着カップで商品の保持ポイントを高精度に検出。吸着中もカメラで再検証し、不必要な隣接物を同時に取り出していまうミスを回避する。これらの技術により、全アイテムの約75%を人間と同等の速度で商品のピックアップと収納が可能になったという。
Vulcanは約2.4メートル以上の高さにある上段のポッドでの作業を担い、従来は人間の従業員が脚立を使用していた作業負担を軽減する。逆に床付近のアイテムも同時に扱えるため、従業員は最も疲労の少ない「パワーゾーン」での作業に集中できる。
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向こう数年間で米国および欧州の複数のフルフィルメントセンターにVulcanを順次導入し、オペレーション効率の向上、職場の安全確保、従業員の身体的負荷軽減を実現するとしている。
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