写真 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。
TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第33回となる本記事では、アンヌさんが札幌に帰ってきてから熱を上げている「野球観戦」について綴ります(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆1年前、空港から札幌駅までの車窓から見た驚きの光景
私は最近忙しいです。忙しい忙しい、なんて言うのは非常にサムイことであり、あまり口にするべきではない、という説がありますが、
とにかく忙しいの! 野球を観るのに!!
札幌に帰ってきて1年が経ちました。北海道新千歳空港から札幌駅までJRを使った際、車窓からの景色でまず驚いたのは、北海道日本ハムファイターズの本拠地、エスコンフィールドの姿!そしてファイターズの圧倒的人気ぶり。
北海道日本ハムファイターズは今や道民の魂であり、元気の源であり、生活や会話の中心といっても過言ではないでしょう。
もともとTBSでアナウンサーをしていた私。もちろんスポーツニュースを読むこともありましたし、まったくスポーツと無縁の世界にいたわけではありませんが、これまでプライベートで、例えば推しの球団があったり、球場に行って応援をするといった習慣が私の中になかったのです。
北海道に帰ってきて、さまざまな点で自分の人生はガラリと変わったと感じていますが、熱狂的ファイターズファンになり、パ・リーグが大好きになり、野球が大好きになったこの変化は自分でもびっくりなのです。自分のライフスタイルがここまで変わるだなんて。
◆エスコンフィールドに度肝を抜かれた!
かつての私を知っている人たちからしたら、私がファイターズユニフォームを身につけて、ウキウキしながらエスコンフィールドに向かい、ビールをちびちび(がぶがぶ?)しながら、ラジオ実況を耳に試合を凝視している今の姿はびっくりそのものでしょう。
きっかけはやはり道内でテレビのお仕事や文筆家のお仕事をさせていただいている関係上、意識的にファイターズに関する番組を見聞きするようにしていたということもありますが、とにかくエスコンフィールドに度肝を抜かれたのです。
あの音響、照明、食の充実、空気感。全国の野球ファンが今やエスコンに憧れてくださっていますが、北海道観光なら絶対に外せないだろうと私は強く勧めます。
◆郡司選手のサヨナラツーランホームランに熱狂
最近で印象に残っているのは2025年4月10日の埼玉西武ライオンズ戦。私はひとりエスコンにて、いつものポケットラジオ+ビールスタイルで観戦しておりました。
0-0で延長12回裏へともつれ込み、ツーアウト一塁の場面で代打・郡司裕也選手の登場。
手に汗握り見つめる私たちファイターズファン。目の前でスコーンとライトスタンドへサヨナラツーランホームランを決めたのです。
あの時はすごかった。みんなが立ち上がって、雄たけびをあげ、隣の人とハグ!(私は隣に誰もいなかったので、一人ニヤニヤ幸せをかみしめていました)
エスコンフィールド全体が郡司選手への熱狂的感謝に包まれました。
その日活躍した選手の応援グッズを買って帰るのは“あるある”。私は「お布施」と呼んでいますが、試合終了後、郡司選手のヒーローインタビューもスマホに収め、ほくほく顔でオフィシャルグッズストアへ向かいました。
◆ファイターズが与えてくれる一体感
郡司選手関係のグッズは飛ぶように売れ、あっという間に売り切れになったものも。私は郡司選手の応援タオルや、推しの清宮選手をイメージした可愛らしいマスコットなどを手にお会計待ちの順番へ。
すると……ある方から、いつも見てます! とお声掛けいただきました。
1人で腕から溢れんばかりのファイターズグッズをぎっしり抱えて並んでいる姿を見られてしまい、一瞬ちょっと恥ずかしいなんて思ったりもしましたが、私たちは心を一つにしたファイターズファン! 私は「ありがとうございます! 最高の試合でしたね!」とお声掛けさせていただいたのでした。
こんな素晴らしい一体感と感動的経験を与えてくれるファイターズ。
とにかくシーズン中は試合をチェックするのに忙しい! 特に私は出演している番組でしっかりコメントしたいという欲があります。どれだけ遅く帰ってきても、イチから布団の中で試合を見直したりすることもしばしば。
翌朝6時起きなのにファイターズチェックでいつのまにか夜中の1時になんてこともザラ。あぁ忙しい。でも幸せ。
◆毎日元気をありがとうございます!
私の趣味は仏像や狛犬巡りですが、実はこのファイターズも、熱狂的に崇め、お布施をし、場合によっては写真を撮りまくり幸せをかみしめるという点で、私にとっての仏像愛や狛犬愛と寸分と違わないところがあるのかもしれないなんて。
最近自宅では、テレビ中継とラジオ実況、場合によっては会員登録した有料配信のパ・リーグテレビもつけて三刀流で観ているほど。
学生時代の体育の成績は、一番まずかったときで5段階評価の2をもらった記憶がある私。
そんな私がここまでスポーツ観戦にはまるなんて。これはひとえに新庄監督率いるチーム全体の明るい魅力によるもの。また私たちをエンターテインさせてくれるエスコンフィールドの力によるものとしか言いようがありません。毎日元気をありがとうございます!
いやーほんとに忙しいよ。むしろ野球のシーズンが終わったら、私はいったいどうなるのか。抜け殻のようになるのではないかと今から心配。
<文/アンヌ遥香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne