『唐探1900』©AS ONE PRODUCTION. All rights reserved.中国のアカデミー賞とも呼ばれる最大規模の祭典「中国金鶏百花映画祭」が、「金鶏海外影展」として日本初上陸。5月23日(金)〜5月27日(火)、「唐人街探偵」シリーズ最新作ほか中国で大ヒットした3作品と短編3作品含む全6作品が特別上映される。
現在、中国では日本のアニメや音楽が広く支持され、中国の伝統文化や映像作品も日本において影響力を拡大中。
特に、日本映画のリメイク作品は中国市場で興行収入を伸ばしており、三谷幸喜が監督・脚本を手掛けた『ザ・マジックアワー』のリメイク作品『這個殺手不太冷静』(原題)は、中国で興行収入26.27億元(約533.8億円)を記録。
また、主演の安藤サクラが日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞するなど、日本でも話題となった『百円の恋』のリメイク版『YOLO 百元の恋』は、最終興収約35億元(約730億円)を超え、アメリカを含む世界累計興行収入は約740億円超の大ヒットとなっている。
「金鶏海外影展」として開催される本映画祭の開幕作品となるのは、ドラマ・映画も大ヒットした「唐人街探偵 」シリーズの第4弾となる『唐探1900』(原題)。
本シリーズは、世界中の唐人街(=チャイナタウン)を舞台に、リウ・ハオラン演じる青年と、ワン・バオチャン演じる叔父という「チグハグ」コンビが事件を次々と解決していくもので、今回の舞台は1900年代のサンフランシスコ。
春節期間中(中国では1月28日〜2月4日までの連休)の映画興行収入が驚愕の697億円(3月2日時点)にも上る大ヒットとなった。
そのほか、2024年のロマンス映画観客動員数NO.1を記録した『好東西』や、興行収入18.24億元(約375億円)の中国アニメ映画歴代2位の記録を持つ『長安三万里』ほか、短編『宝孜達 ーバウズダー』『半路出家』『幸存者』など上映作品のジャンルは多岐にわたり、中国国内で高い評価を得た映画作品が揃っている。
『唐人街探偵』シリーズ監督・陳思誠ティーチインイベント開催
また、「金鶏海外影展」初開催を記念して、世界的ヒット映画『唐人街探偵』シリーズの監督・脚本を手掛けた陳思誠の登壇イベントが5月23日(金)に決定。
陳思誠監督が手掛けたシリーズ3作目の『唐人街探偵 東京MISSION』は、東京を舞台に、妻夫木聡、三浦友和、長澤まさみなどが多数出演し、中国で公開された映画の歴代興行収入ランキング7位(約892億円)の大ヒットを記録。
上映後には、ティーチインイベントを開催。本作に込める思いや撮影秘話など、ここでしか聞けない話はもちろん、観客の質問に陳思誠監督が答えるQ&Aを実施する。
【上映作品一覧(全6作品)】
『唐探1900』
◆上映日:5月23日(金)11:20〜、5月27日(火)18:20〜
1900年、太后の命を受けた清朝の高官・費洋古は、政治組織・興中会の孫文と鄭仕良を捕らえるためアメリカ・サンフランシスコにやって来る。同じころ、アメリカ下院議員グラントの娘アリスが、サンフランシスコのチャイナタウンで殺害される事件が起こる。さらに年寄りのネイティブアメリカンも殺され、その嫌疑はチャイナタウン協盛堂の長・白軒齢の息子の白振邦にかけられる。
グラント議員は、アメリカ在住の中国人を毛嫌いしており、議会で中国人を排斥する法案を推進しようとしていた。白軒齢は息子を守り、中国が迫害を受けるのを防ぐべく、探偵を雇って調査を依頼することに。雇われた秦福は、養父の復讐のためにやってきた阿鬼と共に真相を追究し始める…。
『好東西-Her Story- 』
◆上映日:5月24日(土)18:20〜
シングルマザーの王鉄梅は一人娘の茉莉と新居での生活を始める。そこでバンドのボーカルを務める隣人の小葉、ドラマーの小馬らと知り合う。茉莉が新しい学校で音楽団に所属するものの楽器ではなく観客として拍手を担当することになったと聞いた鉄梅は、娘に小馬からドラムを習うことを勧める。
徐々に鉄梅と小馬の間に感情が芽生えるが、それが元夫の嫉妬と不満を引き起こす。一方、小葉はネットで知り合った医者の胡と複雑な恋愛関係を築いていた。
『長安三万里』
◆上映日:5月25日(日)18:20〜
安史の乱から数年後、吐蕃(チベット)の大軍が迫り、戦況は危機的だった。剣南西川節度使の高適(こうせき)は懸命に抵抗するも、孤軍奮闘では支えきれず、退却。その夜、朝廷に派遣された程(てい)公公がやってくる。
撤退の責任を問われると身構えた高適の予想に反して、程公公が尋ねたのは季白(りはく)のことだった。高適は、季白と身を寄せ合って過ごした貧しい時期の話や、盛唐の文壇の一時の栄光について語り始める。
〜短編3作品〜
◆上映日:5月26日(月)18:20〜
『宝孜達 -バウズダ-』
少年クランは両親と共に山中の伯父の家で正月を過ごすことに。大人たちが外出している間、やんちゃなクランは遊びに夢中になり、祭り用の羊を逃がしてしまう。伯父の家族に迷惑をかけたくないクランは、従姉とともに羊を探しに奔走する。ようやく羊を見つけたものの、すでに衰弱して瀕死の状態だった。
従姉は語る――カザフ族の伝統では、祭事用の羊が不慮の死を遂げると不吉とされ、「バウズダ(宝孜達)」の儀式が必要だと。
『半路出家』
指名手配中の男・阿貴は母の葬儀に参列するため、偽の僧侶に扮して警察の包囲をすり抜ける。しかし棺を閉じる瞬間、溢れる感情が抑えきれず、その場から逃げ出してしまう。僧侶姿のまま隣の葬儀に紛れ込んだ阿貴は、遺族に本物の僧侶と勘違いされ、経を読むよう依頼される。交錯する身分、重なる悲しみ。読経の声とともに、心の奥底に潜む悔恨と葛藤が静かに浮かび上がる――。
『幸存者』
出張をキャンセルし、映画祭へのフライトを見送った李木子(リ・ムーズー)は、別居中の夫・林野(リン・イエ)の元を訪れ、病気の愛犬ラッキーを引き取りに来る。再会したリン・イエは、破綻寸前の結婚生活を立て直そうと様々な手を尽くすが、ムーズーは迷いながらも次第に彼の長年にわたる精神的な支配に気づき、関係の本質を見抜くようになる。傷ついた過去を清算するため、彼女はついに離婚を決意する――。
「金鶏海外影展」は5月23日(金)〜5月27日(火)までヒューマントラストシネマ有楽町にて開催。
(シネマカフェ編集部)