高橋真梨子がラストツアーファイナルで完全燃焼「引退とは言いません。いつかまた…」

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2025年05月09日 20:01  日刊スポーツ

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最後の全国ツアー「EPILOGUE」のファイナル公演を行った高橋真梨子

歌手高橋真梨子(76)が9日、東京国際フォーラムで、最後の全国ツアー「EPILOGUE」のファイナル公演を行った。1979年(昭54)に初のソロコンサートを開催して46年。歌うことに人生の全てをささげてきた歌姫が、9都市21公演を回るツアーを走りきって完全燃焼。歌人生にひと区切りを付けた。


   ◇   ◇   ◇


ツアータイトルの「EPILOGUE」は映画などの「終章、終幕」や出来事などの「結末」の意。思いを込めたラストツアーのファイナル公演はソロデビュー曲「あなたの空を翔びたい」で幕を開けた。


最初のあいさつで「皆さん、こんばんは。とうとう最後のステージになってしまいました。16歳の時に歌の世界に入って60年。皆さんの後押しがなければここまで歌ってこれなかったと思います。温かい心に感謝です。今日は楽しく、そして皆さんに元気をもらって、私も元気をあげたい。本当に感謝です」。普段は言葉数の少ない高橋が、何度もファンへの「感謝」の言葉を続けた。客席から「真梨子さん〜、今日も世界で一番かわいいです〜」の声が飛ぶと「ありがとう。信じることにします」と笑顔で応じた。


23年1月、「各地を回る全国ツアーは体力的に厳しい」と40年以上も続けてきた全国ツアーに1度は終止符を打った。だが、ファンから「もう1回歌ってほしい」との熱烈なラブコールが事務所に殺到。その熱意に背中を押されて今回の“アンコール”ツアーが決まった。ツアー前には「今回は歌い納めの覚悟」と口にしていた。昨年10月から全国を回り、ファンと再会することができたことに「完全燃焼することができました。満足です」と笑顔で振り返った。


「桃色吐息」「ごめんね…」「五番街のマリーへ」などの計23曲を約2時間で歌唱したフィナーレは「ランナー」。歌詞にある「生きてゆきましょう あなたのそばで」はファンへのメッセージでもある。93年に結婚し、楽器を手にして一緒にステージにも立つ夫のヘンリー広瀬氏(81)が高橋の思いをくみ取って選曲した。「この気持ちがファンの皆さんに伝わってくれたらうれしい」と高橋もうなずいた。


約5000人のファンが総立ちで見守る中、終演の幕が下りる時には「愛しています」を意味する手話を披露した。言葉では言えない思いをツアーの途中から手話に託してきたという。「(出身の)博多の人には『秘めた情熱』っていうのがすごくあるんです。言葉では『愛している』なんてあまり言えないから、手話で伝えるようにしました」と明かす。


79年にスタートしたソロ公演はこの日で2826回目。高橋はその1本1本が「ファンの皆さんとの大切な時間でした」と言い切る。「引退とは言いません。だからいつかまたお会いしましょう」。昭和・平成・令和。歌謡界のトップアーティストとし走り続けた歌姫がこの日、歌人生の大きな区切りを迎えて笑顔でマイクを置いた。【松本久】


◆高橋真梨子(たかはし・まりこ、本名広瀬まり子)1949年(昭24)3月6日生まれ。福岡出身。プロのジャズ奏者だった父の影響で14歳からジャズを学んだ。72年にペドロ&カプリシャスの2代目ボーカルとなり「ジョニィへの伝言」「五番街のマリーへ」などがヒット。78年にソロ転向。代表曲に「桃色吐息」「はがゆい唇」「for you…」など。NHK紅白歌合戦にソロで6回出場。血液型A。

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