ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第6戦フランスGP 初日 5月9日、2025年MotoGP第6戦フランスGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは2番手で予選Q2へのダイレクト進出を決めた。アレックス・リンスは17番手で初日を終えた。
決勝レースで2位を獲得し、クアルタラロとチームにとって560日ぶりのポディウムとなった第5戦スペインGPから約2週間が経ち、クアルタラロにとって母国フランスGPが開幕した。
午前のフリー走行1回目は、気温、路面温度ともに低いコンディションで始まった。開始10分の時点でクアルタラロは1分32秒086の2番手タイムをマーク。前戦スペインGPに続き、調子が良さそうだ。リンスは15番手でガレージに戻る。セッション後半になるにつれ、全体的にタイムが大幅に上がっていく。
終盤になり、アタックを始めると、クアルタラロは、最終アタックで1分31秒442と自己ベストを更新して6番手となった。リンスは、残り5分ごろに3コーナーで転倒を喫してしまい、一足先にセッションを終えることに。このセッションは17番手で終えた。
午後は雲は多いものの、時より強い日が差して、路面温度が30度まで上がった。60分間のプラクティスでは、ふたりともハード/ソフトのタイヤを選択。セッションが始まると、クアルタラロは1回目のランで1分30秒997のトップタイムをマーク。その後の前半はロングランを中心に周回数を重ねた。
後半に入り、3回目のランで新品タイヤに履き替えたクアルタラロは、1分30秒222で2番手タイムを記録する。最後のランでは、ドゥカティ勢もタイムを上げていくなか、クアルタラロも自己ベストを更新し、1分30秒032の2番手。トップのマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)には届かなかったものの、ホームレースでも好調さを見せ、予選Q2への直接切符を得た。また、クアルタラロはセッション終了後、母国ファンから歓声を受け、手を振り応えながらガレージへ戻った。
一方、リンスもセッション前半はロングランを行うも、クアルタラロよりも1周あたり0.5秒以上遅い1分31秒後半とペースが上がらない。終盤は、技術的なトラブルでアタックが完了できないままチェッカーが振られ、1分31秒254で17番手。明日の予選はQ1から挑むこととなった。
ヤマハ勢としては、プリマ・プラマック・ヤマハMotoGPのジャック・ミラーがプラクティスで6番手タイムを記録し、クアルタラロとともに予選Q2へダイレクト進出を決めた。4大会ぶりの復帰を果たしたミゲール・オリベイラは、21番手で初日を終えている。
ル・マン-ブガッティ・サーキットは全長もストレートも短く、さらにストップアンドゴーのレイアウト。上位は依然として最高速に勝るドゥカティ勢が多いものの、クアルタラロはコーナリングの要素が大きいセクター2と4でタイムを稼いでおり、一発のタイムに反映されている。
初日を通して、全ライダーのタイムの上がり幅が大きく、ロングランペースやタイヤデグラデーションの違いがあまり見えなかった。しかし、その差がない場合、スプリントや決勝レースで再び表彰台に上がる可能性もあり、期待が高まる大会初日となった。
ファビオ・クアルタラロ(FP1:6番手、プラクティス:2番手)
「ポジティブな日だったよ。1周のパフォーマンスも良かったし、ロングランのペースも良好だった。かなり満足できる内容だったし、明日はさらに一歩前進できるはずだ。ヘレスの金曜日と比較しても、今日はずっと良かった。あのときは驚きの要素が大きかったけれど、今回はもっと自然に速さを出せた感覚があったね。最初から良いペースで走れたし、タイムアタックでも速さを見せることができた」
「ポールポジションはいつだって簡単じゃない。でも、不可能ではない。特にこのサーキットでは、脳を切り離しても1周を走り切れるからね。バイクに対してそれだけの自信を持てていることは、自分でも好きな状態だ。でも、予選ではフロントロー獲得、スプリントでは4位か5位が現実的な目標だね」
アレックス・リンス(FP1:17番手、プラクティス:17番手)
「今日は全体的には良い1日だったけど、浮き沈みもあった。今朝はターン3で転倒してしまい、それで少し自信を失ってしまった。だから午後のプラクティスでは、バイクに再び慣れるために時間を費やした」
「FP1ではセクター1がかなり速く、4番手のタイムだった。午後は強くブレーキをかけることができなかったから、2回目のランでいくつか試してみたよ。最終的には、技術的な問題でタイムアタックすることができなかった。明日は今日できなかった一歩を踏み出せることを願っている」
[オートスポーツweb 2025年05月10日]