グランプリのうわさ話:トランプ関税でゼネラルモーターズに巨額の損失

0

2025年05月11日 08:20  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

キャデラック/GMのF1マシンのイメージ
 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 アメリカ政府が開始した貿易戦争で大規模な関税が実施されたとしても、ゼネラルモーターズが予想する巨額の損失はキャデラックのF1参戦には影響しないだろう。アメリカの自動車大手ゼネラルモーターズ社長のマーク・ルースは、キャデラックF1チームの立ち上げのためマイアミを訪れ、「関税が実施されれば約50億ドル(約7169億円)の影響が出る」と繰り返したが、「このプロジェクトには影響しないだろう」と主張した。

 ゼネラルモーターズ、フォード、そしてクライスラーグループを所有するステランティスは、いずれも株主に対し、アメリカ政府がメキシコやカナダなどの旧パートナー国からの製品に対しても一方的な関税を課す計画を実行に移せば、深刻な打撃を受けるだろうと明言している。なぜなら、この3社はいずれもこれらの国に工場を持っており、アメリカ工場での自動車製造に使う部品の多くは主にメキシコから輸入しているからだ。

 ゼネラルモーターズによるキャデラックF1プロジェクトへの総投資額は明らかにされていない。しかしルースの発言は、インディアナ州フィッシャーとイギリスのシルバーストンの両拠点ですでにアメリカのチームのために働いている350名以上の人々にとって安心材料となった。同氏の以前の発言から、このプロジェクトの将来については若干の疑問があったからだ。


■マイアミがF1開催の長期契約

 マイアミが2041年までグランプリ開催を続けるという発表は、F1界に驚きを与えた。ハードロック・スタジアムはすでに2031年末までの契約を結んでおり、アメリカ経済を取り巻く現在の不確実性を考えると、レースプロモーターからのこれほど強いコミットメントを誰も予想していなかったからだ。

 なお、マイアミ・ドルフィンズとハードロック・スタジアム社長のトム・ガーフィンケルは、この契約はF1レースの開催で利益を上げるためではなく、マイアミを世界最大級のイベントに向けた人気の拠点にするという、同社の長期戦略の一環だと説明した。

 ガーフィンケルは、「我々は何か違った、ユニークでマイアミらしい本物を作ろうとしている。ここでやっていることが、必ずしも他の場所で通用するわけではない」と説明した。

 マイアミを拠点とする同社にとって、長期契約を確保することは重要だった。ガーフィンケルは次のように述べた。「計画の観点から、これで我々は創造性を発揮し、投資を増やすことが可能になる。なぜなら、その背後には回収しなければならない数億ドル(約数百億円)の多額の民間投資があり、5年で回収できるものではないからだ」

 また、F1の新たな契約についての見解として、このアメリカ人実業家は次のように付け加えた。「この契約によって、我々は長期にわたって革新性と創造性を継続することができる。ステファノ(・ドメニカリ)も、我々が物事を正しく行いたいと考えていることを認めている。我々は近道を探しているわけではない」

 契約延長の異例の長さについて、「ステファノと私は、過去3年間の成功を基に、今年何をしたいのか、そして長くここにいることについて長い間話し合ってきた」

「我々は金儲けをするためにここにいるのではない。素晴らしいイベントを企画し、アメリカでこのスポーツを成長させるためにここにいるのだ。我々はここに留まるというメッセージを送っている」


■フェラーリの若手が2年前のマシンでテスト

 フェラーリは、SF-25のペースと一貫性の欠如に対する答えを見つけるのに忙しくしている。レースチームがマイアミに向かう前に、リザーブドライバーのアントニオ・ジョビナッツィは、今年のマシンに取り入れられる可能性のあるいくつかの機械的な変更を試すため、ムジェロで2年前のマシンSF-23を走らせた。マイアミでの結果は、テストが役に立たなかったことを示しているようだが、フェラーリは今週後半に自社所有のコースに戻り、今度は3人のドライバーが2023年仕様のマシンを使用して2日間のテストを行う予定だ。

 ジョビナッツィはふたたびSF-23をテストし、その後シミュレーター作業に深く関わっているふたりの若手ドライバーのディーノ・ベガノビッチとアーサー・ルクレールにマシンを引き継ぐ予定だ。アーサー・ルクレールは来月初め、バルセロナで2回目のFP1走行を行う予定であり、ムジェロでの半日のテストは、スペインでルイス・ハミルトンに代わってSF-23をドライブする前のリフレッシュコースとなるだろう。

 FIA F2選手権のタイトル獲得を最優先課題としているベガノビッチは、数週間前にバーレーンで初めてフェラーリのFP1走行を行い、称賛に値する仕事をしたが、再度FP1セッションに参加するのは今年後半のおそらくメキシコGPでのことになると予想されている。

[オートスポーツweb 2025年05月11日]

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定