勝利を飾ったアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング) 2025年NTTインディカー・シリーズ第5戦ソンシオグランプリ 5月10日(土)、アメリカ・インディアナ州にあるインディアナポリス・モータースピードウェイのロードコースでNTTインディカー・シリーズ第5戦ソンシオグランプリの決勝が行われ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が優勝を飾った。
5月に入り、早くも第5戦を迎えた2025年インディカー。伝統のインディ500開幕を迎える前に、恒例のロードコースラウンドが行われた。
前日の予選では、今季も絶好調で勝利を重ねているパロウがポールポジションを獲得。さらにインディアナポリスのロードで度々速さを見せてきたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングの、グラハム・レイホールが2番手、3番手には僚友でありルーキーのルイス・フォスターが入った。
土曜決勝となった第5戦は、晴れ空の元でスタートが切られ、先頭のパロウにアウトからかぶせたレイホールがトップを奪った。しかしパロウは離されず2番手に続き、2台は一定の差を保ちながら周回を重ねていく。
2台の間にバトルの隙はなく、1度目、2度目のピットストップを終えるまでレイホールはトップをキープした。すぐ後ろでオーバーテイクのタイミングを探り続けたパロウは、タイヤ選択がソフト寄りのオルタネート(レイホール)とハード寄りのプライマリー(パロウ)で分かれた第2スティントでスパート。ターン7の入り口で並びかけ、そのままスムーズにインに飛び込んでトップを奪い返した。
以降、レイホールは3度目のピットストップでタイムロスが起きたことで後退。さらに終盤には後続のアクシデントによって長いフルコースコーション(セーフティカー)が入り、パロウの背後にはパト・オワード(アロウ・マクラーレン)、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が僅差で迫る展開となったが、パロウは落ち着いてトップを守り、残る13周でふたたび隊列をリード。全85周を走り切ってトップチェッカーを受けた。2位はオワード、3位はパワーがつける表彰台となった。
今回パロウが達成した、インディアナポリスでのロードコース3連勝は大会記録。そして同時に、2006年以来インディカー・シリーズ開幕5戦中4勝を挙げたドライバーとなった。
「ここまでの素晴らしいシーズンスタートは、言葉では言い表せない。チップ・ガナッシ・レーシング、チームメイト、そして僕がサーキットでこれほど速く見えるよう、舞台裏で尽力してくれたすべての人々に感謝している。本当に素晴らしい!」と、パロウは喜びをコメントした。
開幕5戦中4勝という強力なシーズンスタートを切ったパロウ。オーバルレースでの優勝経験のない彼は、この勢いのままインディ500の主役となることができるだろうか。
[オートスポーツweb 2025年05月11日]