歴史好きが、京都へ“推しの墓参り”に行った話 ドキドキのファン心理を描いたレポ漫画が愉快で爽快

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2025年05月11日 12:13  ねとらぼ

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ねとらぼ

歴史上の人物のお墓参り、意外なつながりもあり……

 新緑の頃、連休を利用し、遠くにお出かけした方もいらっしゃるでしょうか。旅に出る理由はさまざまですが、今回は“推し”に会いに行くドキドキの過程をつづった同人誌です。


【画像】誌面を読む


●今回紹介する同人誌


『小野篁の墓参りに行った話』A5 20ページ 表紙、本文モノクロ


著者:霜月ちかティ


●「墓参りは推しに会う」の心意気


 作者さんは平安時代の歌人、学者である小野篁(おののたかむら)についての同人誌を出されており、今回のご本では、小野篁のお墓参りをすべく京都に降り立った道中、お参りの様子を四コママンガで描かれています。


 小野篁は数々の歌集に歌が収録されるなどの活躍とともに、昼は朝廷で働き、夜は冥界にて閻魔(えんま)大王のもとで働いているという伝説もある人物です。現代でも小説やマンガなどさまざまな作品に取り上げられるなど、長く名を伝えられてきました。しかし実は彼のお墓の隣には大メジャーな方のお墓があり、そちらの方が有名で……と、大切な人の有名の度合いにもドキドキの道中なんです。


●1000年たってもドキドキのファン心理


 自分が応援する方の存在を、他の人も知っていたらうれしい! そんな気持ちは、お相手が歴史上の人物であっても変わりません。タクシー運転手さんから小野篁をご存じの気配がすると目がキラキラ見開き、お隣のお墓に眠る超有名人、紫式部との比較には時にそわそわとしてしまういきいきとした心の動きがコミカルなマンガから伝わってきます。


●時空を超えて会える場の奥深さを心行くまで楽しむ


 胸を躍らせてお墓に参って何をするのかというと、丁寧に祈りをささげ、周囲を見て、そっと佇む。それは時空を超えた対面の場なんですね。お墓を遠目に眺めながらペットボトルのお茶を飲むひととき、そのおいしさがひときわの味わいであることが読んでいるこちらにもうれしくなってきます。


 たとえ同じ時代に存在していなくとも、大切に思う相手と会える場を全身で受け止められる思いの深さ。それでいて、長い年月を経ただけに世の中の認知度にギャップがあることも踏まえている現実の理解とをあわせ持ちながら、1000年ほどの時間をものともせず、今を存分に堪能するお姿は愉快で、爽快でもありました!


●サークル情報


サークル名:十華亭(じっかてい)


入手できる場所:BOOTH


次回イベント予定:


東京コミティア152 す35a(6月1日)


TAMAコミ(9月21日)


おもしろ同人誌バザール神保町(11月2日)


東京コミティア154(11月24日)


X(Twitter):@Miwa_Shimotuki


●みさき紹介文


 公共図書館、専門図書館に勤務していた元司書。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えたあたりで数えるのをやめました」と語る。



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