映画「たべっ子どうぶつ」は訳が分からないまま泣ける傑作! マンガ家が大人にこそ見てほしいと感じた理由とは?

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2025年05月11日 12:41  ITmedia NEWS

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 今年のゴールデンウィークも話題の映画がたくさん公開されました。そんな中でボクが見に行った作品は、5月1日から公開中のCGアニメーション映画「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」です。


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 本作はギンビスが発売する国民的なお菓子「たべっ子どうぶつ」のまさかの映画化作品。おかしと人間が仲良く暮らすスイーツランドで絶大な人気を誇るアイドルグループ「たべっ子どうぶつ」、そのヒロインである「ぺがさすちゃん」が、最凶の”わたあめ軍団”に捕われてしまいます。かわいいことだけが取り柄のたべっ子どうぶつたちが1000%不可能な”ぺがさすちゃん救出ミッション”に立ち上がる!…というのが本作のおおまかなストーリーです。


 ただ、そのストーリーが全体的にかなりシュール。わたあめ軍団の目的からぺがさすちゃん救出ミッションの内容に至るまで、どこもかしこもシュールで突拍子もない展開が盛りだくさん。ボクも見ている間ちょくちょく頭の上にクエスチョンマークが浮かびました。


 しかし、本作のスゴイところはそのシュールな展開を、丁寧な説明や描写で違和感なく見せていることです。むしろキャラクターたちの心理描写が丁寧かつその言動に無理がないため、物語にグイグイ引き込まれます。ボクも、クライマックスではシュールな展開に失笑しながらも感動で号泣してしまいました。こんな不思議な気持ちになった映画は初めてかもしれません。


 今作はそんなストーリー以外にも見どころは多いです。作品冒頭に仰々しく映し出されるギンビスのロゴ、作中に多数登場するギンビスや他のメーカーの代表的なおかしやそのキャラクター達、そしてギャグやパロディも豊富でサービス精神も満載です。子どもはモチロンのこと、子どもの頃から日本のお菓子に親しんできた大人こそ楽しめる傑作になっていると思います。


 たべっ子どうぶつを皆で食べていた頃を懐かしみながら、本作のシュールな世界観を楽しむのもアリではないでしょうか。


●著者紹介:サダタロー


1998年にテレビ番組「トロイの木馬」出演をきっかけに漫画家デビュー。代表作は「ハダカ侍」(講談社、全6巻)、「ルパンチック」(双葉社、1巻)、「コミックくまモン」(朝日新聞出版、既刊7冊)など。現在、熊本日日新聞他で4コマ漫画「くまモン」を連載中。Pixivはsadataro、Twitterは@sadafrecce。


●連載:サダタローのゆるっと漫画劇場


漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる〜く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。連載一覧はこちら。過去の連載はこちらからどうぞ。



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