◼︎5月7日付け週間漫画ランキング
1.アオアシ(39)/小林有吾/小学館
2.僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age/堀越耕平/集英社
3.カグラバチ(7)/外薗健/集英社
4.アオのハコ(20)/三浦糀/集英社
5.極楽街(5)/佐乃夕斗/集英社
6.名探偵コナン(107)/青山剛昌/小学館
7.ドカ食いダイスキ!もちづきさん(2)/まるよのかもめ/白泉社
8.ハニーレモンソーダ(28)/村田真優/集英社
9.青の祓魔師(32)/加藤和恵/集英社
10.傷モノの花嫁(7)/友麻碧・藤丸豆ノ介/講談社
5月7日付けの日販調べ週間漫画ランキングからは、令和を代表する本格サッカー漫画の金字塔となった、小林有吾の『アオアシ』39巻(小学館)をピックアップ。
参考:【画像】『アオアシ』アニメ2期決定で原作者・小林有吾が描き下ろしイラストを公開
本作は日本プロサッカーリーグ「Jリーグ」の男子高校生年代「Jユース」が舞台だ。選手全員がプロになることを目標を超えた”使命”と言わんばかりに、生活の全てを捧げてサッカーに打ち込む様子が描かれている。そんな環境に飛び込んだのが、主人公・青井葦人(アシト)である。
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アシトは中学最後の大会を、FWとして弱小校を率いて快進撃を見せるも、県大会ベスト4がかかった試合で相手の挑発に乗り思わず手を上げてしまい、決まりかけていた高校へのサッカー推薦も「精神的に未熟では」と白紙になってしまう。しかし偶然その試合を観戦していたJユースチーム「東京シティ・エスペリオンユース」の監督・福田達也から声がかかり、トライアウトに挑戦し見事チーム入りを果たして物語は始まっていく。
作品序盤に登場する、フランスの哲学者パスカルの言葉「人間は考える葦である」を作品のテーマとし、体も心も成長途中であるキャラクター達に強く考えさせるシーンが度々登場する。
代表的なところで言えば、6巻で展開されたアシトのFWからDFへのコンバートだろう。これまでFWしかしてこず、「点を取ること」がすべてだったアシトにとって、コンバートの意図は全く理解できず、その答えのヒントも与えられないまま、困惑しつらい状況が続くことに。自信家でお調子者だったアシトが思い詰め、常にイラつき、暗い表情も次第に増えていく。そのまま挫折しかねないほどのプレッシャーの中、自ら考え行動し乗り越えていく過程を細かく描いている。
最新39巻はバルサ戦も佳境に。試合時間残り約15分、1-3と絶望的な状況でアシトと阿久津がピッチ上で何かを打ち合わせ始める。バルサに押され”エスペリオンユース最高傑作”の栗林でさえも対応に窮する中で、攻守のタクトは誰が握るのか? 各々が”考えた”先に逆転の一手として導き出されたのは……。
サッカーだけでなく、窮地に立たされた時の生き方のバイブルとしても参考になる作品は滅多にないだろう。全40巻(410話)で完結となることがアナウンスされた『アオアシ』は、今が最高潮の盛り上がりを見せている。
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続いては、堀越耕平による『僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age』(集英社)が2位にランクインした。連載期間10年の中で登場してきた100名以上のキャラクター達の個性や必殺技、さらには歴代担当者達が語る制作の裏側が収録されている。ページをめくるたびに、本編の余韻に浸れるまさに”神アイテム”である。”ファイナル”という言葉に寂しさを感じるものの、『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』が2025年4月からアニメ化、さらに同年10月からは本編のアニメファイナルシーズンが放送される。未だ熱冷めやらぬ本作を全力で楽しむなら、このファンブックは見逃せない。併せて、スピンオフ『僕のヒーローアカデミア チームアップミッション』が5月2日に発売された8巻をもって完結した。
3位は、妖刀をめぐる激しい異能力バトルと、都度現れる食べ物や「食事シーン」がキャラクター達の心情をつぶさに写すことでも大きな話題となった、外薗健による『カグラバチ』7巻(集英社)。本巻も激動という他ない目まぐるしい展開が繰り広げられている。特筆すべきは「18年前の事件」と「罪」。このワードが今後の展開の鍵となるのは言うまでもないだろう。乗り遅れないように要チェックだ。
4位は、アニメ2期の制作が決定しており、記念すべきキリ番の刊行を迎えノリに乗っている青春ラブストーリー、三浦糀による『アオのハコ』20巻(集英社)。本巻では千夏がストーリーのメインとなっている。女子バスケ部のWC予選が始まり、順調に勝ち進んで決勝へーー。恋だけでなく、部活にも真剣に向き合う千夏をぜひ応援してほしい。
5位は、累計発行部数120万部を突破し、『カグラバチ』らと並んで集英社期待の新星である、佐乃夕斗の『極楽街』5巻(集英社)。下町・極楽街を舞台に、禍と人間の間に生まれた「半禍の子」アルマとタオが怪物・禍(マガ)専門の「殺し屋」として奮闘する物語だ。東急渋谷駅には全長22mの特大ボードが5月5日から掲示されている。2つの居場所である「蛇穴」と「禍」をまたぐように、「俺の居場所は俺が決める。」というセリフとアルマがデザインされている。アニメ化を望む声も多く、これからさらに注目を集めている作品であることは言うまでもない。
続いては、強烈な”飯テロ”で重版を連発しているグルメギャグ漫画の話題作、まるよのかもめによる『ドカ食いダイスキ!もちづきさん』2巻(白泉社)。誇張されてはいるものの、食欲や味の感想など、誰しもが共感できることを平易な言葉で全力で体現してくれている。「motto cafe 池袋店」にて、コラボカフェが開催(前半:〜5月11日、後半:5月12日〜25日)されており、「もちづきさん」盛りのオムライスは重量1kg、3485kcalと超ドカ盛り。僅か2巻ながら発行部数44万部を突破する本作は漫画と食事で2度おいしい。
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※参考:日販「週間ベストセラー」
(文=瀬川隆芽)
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