<陸上:木南記念>◇11日◇大阪・ヤンマースタジアム長居◇男子走り幅跳び決勝
オリンピック(五輪)2大会連続出場の橋岡優輝(26=富士通)が、追い風2・2メートルの参考記録ながら1本目の8メートル19で優勝した。
この日の公認記録でのベストは、2本目の7メートル98(向かい風0・4メートル)。「自分のやりたい跳躍ではなく、風に跳ばされちゃった感じ。まだモタモタしている」と反省しつつ「次の試合につながる助走だった。良い試合でした」と前向きに振り返った。
21年東京五輪で6位入賞し、22年11月から渡米。男子100メートルのサニブラウン・ハキームら、短距離界のトップ選手が集うタンブルウィードTCに拠点を移した。24年パリ五輪は7メートル81で予選敗退となったが、今季にかけても米国で跳躍を磨いてきた。
「アメリカに行く時に、3年かかると思っていた。それを(パリでは)2年で無理やり、自分の技術でカバーしきれればという思いでやっていた。なので3年かかっちゃったな、というのが正直なところ。パリの結果を受けて、2年でやめるということはなかったです」
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渡米後は従来のリズム感のある助走から、全力で駆け抜けるスタイルへ変更。今季もスピード感のある助走は変わらないが、踏み切り動作とのかみ合わせにより重点を置く段階に入っている。
「去年はただ足が回っていただけ。ただ走っちゃっているだけだったのでうまく踏み切りができなくて、記録につながらない感覚でした。今年はベースがありつつ、形になってきています」
内容を重視するからこそ、記録が出た前半2本の跳躍は「走れていなかった」と渋い表情。それよりもファウルとなった3、4本目や7メートル86だった5本目に目を向け「ある程度エンジンがかかってきた。兆しが見える助走ができたのは良かったです」と及第点とした。
9月の世界選手権東京大会(東京・国立競技場)では、4大会連続出場がかかる。参加標準記録(8メートル27)を突破した上で7月上旬の日本選手権で3位以内に入れば内定。同選手権の成績や世界ランキング次第でも代表入りとなる。
渡米から3年。勝負の大舞台も「まだ先。何も考えていない」と泰然と構える。「やりたい助走や踏み切りができれば数字はついてくる。数字にはこだわりすぎない。焦らずに1歩1歩やっていきたいです」。今年も変わらず、理想の跳躍を追い求める。【藤塚大輔】
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