69歳の夫は寮の管理人として働いてます。75歳くらいまで働きますが、それまでは年金受給しないほうがいい?

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2025年05月11日 18:30  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金のもらい方についてです。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、年金のもらい方についてです。

Q:69歳の夫は寮の管理人として働いてます。75歳くらいまで働きますが、それまで年金受給しないほうがいい?

「夫69歳、私66歳の夫婦です。現在夫は寮の管理人として働いてます。夫が75歳ぐらいまで働くとして、その時まで年金受給しないほうがいいのか、年金受給しながら働くほうがいいのか分からないので教えてください」(ひろみさん)

A:夫75歳まで繰り下げすると、年金額は増えますが、トータルでの年金の受取額が多くなるかどうかは寿命にもよります。年金事務所で年金額の試算をしてもらうといいでしょう

現在69歳で働いている、「ひろみ」さんの夫の老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)の受け取りタイミングについてのご質問ですね。

老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は原則として65歳から受け取れますが、まだ受け取り開始していないということであれば、繰り下げしていることになります。年金は繰り下げすることで、繰り下げ期間に応じてひと月当たり0.7%増額された年金を受け取れ、75歳※まで繰り下げできます。最大で84%増額することになります。

※昭和27年4月1日以前生まれの方は、繰り下げの上限年齢は70歳まで

ただし、年金を受給しながら働き厚生年金に加入して収入を得ている場合、基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分の月額)と総報酬月額相当額(月収などとボーナスの平均)が51万円を超えると、老齢厚生年金の受給額が全額もしくは一部支給停止になります。これを在職老齢年金制度と言います。

会社によって厚生年金に加入しているかどうかは異なります。もし夫の給与から厚生年金保険料が天引きされている場合は、厚生年金に加入していることになります。その場合には、老齢厚生年金を受け取ると在職老齢年金制度で全額もしくは一部支給停止される可能性があります。

また在職老齢年金制度で支給停止となっている老齢厚生年金は繰り下げしても増額しないので注意してください。在職老齢年金制度で支給停止となるのは老齢厚生年金のみで、老齢基礎年金には影響はありません。

夫が75歳まで繰り下げすると、年金額は増えますが、トータルでの年金の受取額が多くなるかどうかは寿命にもよります。もし、今、老齢厚生年金を受給しても在職老齢年金制度で老齢厚生年金が支給停止されないのであれば、収入と年金の両方を得るというのも選択肢ではないか、と思います。老齢基礎年金、老齢厚生年金のどちらかを先に請求するという手もあると思います。

75歳まで繰り下げるか、年金受給しながら働くか、どちらがよいか判断するために、年金事務所で年金額の試算をしてもらい、検討してみてはいかがでしょうか。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

このニュースに関するつぶやき

  • 理屈(損得)ではなく受け取った方が良いと思う。人間何歳まで生きられるか?なんて誰にもわからない。節制して目一杯引き延ばすより充実した老後人生を楽しむ方が良いと思う。
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