自分の「夢」をパネルに指で書き、スクリーンに映し出されるコーナーを興味深くご覧になっているパンツスーツ姿の愛子さま。
《世界平和》
こう綴った後、「夢がかないますように」と語り、優しくほほ笑まれていた。5月8日と9日、愛子さまは1泊2日の日程で大阪府を訪問し、大阪・関西万博の会場を視察された。
冒頭のシーンはシンガポール館での一幕だったが、万博のシンボル「大屋根リング」に上られた際には、来場者からは歓声や、感激して見とれる声が各所で上がる“フィーバー”ぶりだった。長年皇室番組を手がけてきた放送作家のつげのり子さんはこう話す。
「万博での愛子さまは大変な人気でした。奉迎する人々の熱気を拝見していると、愛子さまがさまざまな行事や式典に足を運ばれることで、若い世代も皇室のご活動に興味を持つことが大いに期待できると思いました」
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日本赤十字社(以下、日赤)の青少年・ボランティア課の嘱託職員として働き始められて1年がたつ。ご公務とのバランスが取れはじめ、さらなるご活躍が期待されると、宮内庁関係者は指摘する。
「日赤でのお仕事とお務めのバランスが安定していることが、最近のご活動の幅が広がっている要因といえるでしょう。
さらにいえば、各地での反響の大きさを受け、愛子さまご自身も皇室のご活動の“インフルエンサー”ともいうべき立場となっていることに、ご自信も深めているようにもお見受けしています。
宮内庁のインスタグラムのフォロワーのうち、約20%、30万人超が若年層といわれてきました。愛子さまのご活躍がもっとインスタに投稿されれば、この数を100万人まで伸ばすことも不可能ではないはずです」
そんななか、愛子さまが5月18日と19日に、能登半島地震の被災地である七尾市と志賀町を訪問されることになった。
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昨年9月に同地を訪問し、和倉温泉や仮設商店街を視察される予定だったが、直前に能登半島を襲った豪雨災害によって取りやめに。現地へ赴き、震災で傷ついた人々に寄り添われたい愛子さまにとって、能登は“約束の地”ともいえる。
「皇室の方々は、一度交わした約束事は、時がたっても確実に実行することを信条としています。愛子さまも、そうしたご姿勢を誠実に守られているわけです。とりわけ、ボランティアの受け入れ状況や活動に関心を寄せ、お勤め先の日赤を通じても情報を集めているそうで、かなり熱心に被災地の現状に関する資料を読み込まれていると聞いています」(前出・宮内庁関係者)
愛子さまは万博のご視察時にも、
「ボランティアはどのくらいいらっしゃるのですか」
と質問されるなど、ご公務と日赤でのご勤務とをリンクさせながら、お務めに臨まれていることがうかがえる場面もあった。そして、ボランティア活動へのご関心の高さは、石川県ご訪問の日程にも表れているというのだ。
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皇室担当記者はこう語る。
「ご訪問中、『金沢大学ボランティアさぽーとステーション』という地元の大学生によるボランティア団体とのご懇談も予定されています。
同団体の学生たちは、被災した住宅の片づけなどといった災害ボランティアのほか、被災者の心のケアなどを行う傾聴活動も行ってきており、自治体や被災地からの信頼も厚い団体だそうです。
ボランティアに関係するご視察はほかにも予定されていますが、学生たちとのご懇談は昨年のご予定にはなく、愛子さまの強いご希望があったと伺っています」
現地で被災者のために汗を流している“同志”たちに、愛子さまはお務めのなかで寄り添われようとしている。
金沢大学ボランティアさぽーとステーションの顧問で同大講師の原田魁成さん(30)に話を聞いた。
「ご公務や日赤でのご勤務で、ご多忙のこととは思いますが、こうやって被災地に来ていただけると、住民の皆さんは勇気が出ることでしょう」
■いまだ容易ではない復興への道程に……
高齢者も多いことから、震災後は避難所や仮設住宅での生活で、孤立する被災者が少なくない。同団体の湯澤実柚さん(19)は、孤立した人々に寄り添う傾聴活動を行ってきた学生の一人だ。
「活動を始めた当初、被災した方々の参加は多くはありませんでしたが、半年ほどたつと、毎回10人を超える方々が楽しみに待っていてくださるようになりました。被災に関わることだけでなく、時には即席の“スマホ教室”を開いたりして、みなさんの話に耳を傾ける活動を続けています」
発生から約1年半。各自治体の社会福祉協議会が窓口となったボランティアの受け入れは、今後縮小されていく見通しだという。だが現地の復旧作業に関わる建設会社の経営者はこう明かす。
「被災した住宅の解体は進んでいても、和倉温泉などにある大きい建物は被災したままになっていたり、道路などのインフラの復旧も十分とは言えません。まだまだ能登半島の復興には時間を要するでしょうし、ボランティアを必要とする人々も少なくなったわけではないのです」
前出の原田さんは続ける。
「いま二次避難されている方々にとっては、故郷の能登に戻るか戻らないのか、難しい選択をする段階に差しかかっています。地元大学というアドバンテージもありますし、今後も継続したボランティア活動を続けていきます。
そして愛子さまには今後とも、少しでも被災地のことに関心を寄せていただき、折にふれて言及していただけるとありがたいと思っています」
ようやく訪れることのできる能登の地で、愛子さまは“若者の力”を結集する悲願を立て、復興に向けて全身全霊を捧げられていく――。
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