昭和34年生まれの夫は、年金受給手続きをしていません。もらっていない年金はまとめて支払いになる?

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2025年05月16日 18:31  All About

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年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金を請求していない場合の支払いについてです。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、年金を請求していない場合の支払いについてです。

Q:昭和34年5月生まれの夫は、現在は無職で年金受給手続きをしていません。年金手続きをした場合、今まで受給していなかった年金はある程度まとめて支払いになるのでしょうか?

「夫は昭和34年5月生まれです。高卒から退職まで上場企業を47年間勤め上げ、今は無職で年金受給手続きもしていません。年金手続きをした場合、今まで受給していなかった年金はある程度まとめて支払いになるのでしょうか?」(ヨウコさん)

A:未支給の年金は、請求手続きをすると一括で支払われます。年金受給の時効が成立する前に早めに請求手続きをしましょう

そもそも、老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は原則として65歳から受け取れます。65歳になる3カ月前になると、日本年金機構から、年金請求手続きの案内が郵送されます。年金を受け取るためには、この年金請求手続きをする必要があります。

また特別支給の老齢厚生年金という60代前半で受け取ることのできる年金があります。特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金の加入期間が1年以上あり、生年月日に応じた受給開始年齢に該当する人が、65歳になる前までにもらえる年金です。特別支給の老齢厚生年金も該当する年齢になる3カ月前になると日本年金機構から、年金請求手続きの案内が郵送されることになります。

請求手続きをせず老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)、特別支給の老齢厚生年金を受け取っていない人は、その後、年金請求手続きをすると、支給されていなかった過去の年金が一括で支給されます。

ただし、年金受給には時効があります。受給権が発生してから5年を超えると、受給権がなくなります。

ヨウコさんの夫は、昭和34年5月生まれで、今年で66歳になられると思います。ヨウコさんの夫は、厚生年金の加入期間が1年以上ありますので、64歳から特別支給の老齢厚生年金をもらえます。

特別支給の老齢厚生年金も請求していないようですので、これから年金請求手続きをすることで、未支給の特別支給の老齢厚生年金も一緒に一括で受け取れます。

特別支給の老齢厚生年金は、ヨウコさんの夫が64歳で受給権が発生していますので、69歳までに請求手続きをしないと、時効が成立して受給権がなくなって、もらえなくなります。早めに請求手続きをしましょう。

65歳から受給できる老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)については、66歳以降の受け取りとして繰り下げ請求をすることもでき、その場合は1カ月ごとに0.7%増額した年金額を受け取ることになります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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