B3新潟は、B2昇格をかけて岩手とプレーオフ3位決定戦(17〜19日、岩手・盛岡タカヤアリーナ、2戦先勝)を戦う。チームは16日に現地入りした。司令塔で大黒柱のPG五十嵐圭(45)は昇格に向けてすべてを出し切る覚悟だ。最終決戦に向けてコンディションを整え、準備をし、平常心で昇格を勝ち取る。
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できる準備はすべてやった。「ありがたいことに、もう1度チャンスがある」。五十嵐の表情に気負いはない。岩手に出発する直前の16日のチーム練習では丁寧にプレーを確認した。「あまりシュートタッチが良くなかったので」と、最後の実戦メニューを行った15日には全体練習後に20分ほど打ち込んだ。
ホームでの東京Zとの準決勝、勝てばB2昇格が決まる1勝1敗で迎えた3戦目、新潟は56−66で敗れ、3位決定戦に回った。五十嵐は3点シュートを9本放ったが、成功は1本にとどまった。「昇格に導けなかったのは自分の責任」。岩手戦までの時間は、悔いを残さずシーズンを終えるための整備に費やした。
レギュラーシーズンの3月の岩手戦、五十嵐は体調不良のためベンチを外れている。目の前でプレーしていないことは、この段階ではプラス材料にもなり得る。もっとも「それ以上に自分たちのプレーをしっかりすること」。まずはチーム、そして自分がやるべきことにフォーカスする。
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「やらなければならないという気持ちが強すぎた」と、アオーレ長岡の大観衆に包まれた東京Z戦を反省する。ポーカーフェースでコートに立つ胸中は、ホームで決めたいという意欲で空回りしていた。今は「失うものはない。思い切ってやる」と気負いはない。完全アウェーは、ぶつかっていくには絶好の環境だ。
準々決勝の香川戦、東京Z戦といずれも3戦目までもつれた。「正直、疲労はかなりある」と苦笑い。群馬に住む家族と離れて新潟に単身赴任中だが、食事はアスリートフードマイスター2級の資格を持つ朋子夫人(41)が管理。東京Z戦後、岩手戦までの食事を作り置きをしてくれた。夫人の支えは、ここに来て最大のサポートになった。
「自分が楽しむことでチームにいい影響を与えられると思う」。それをコートで実践した時、B2昇格切符が手に入る。【斎藤慎一郎】
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