セバスチャン・オジエ(右:優勝/トヨタGRヤリス・ラリー1)とオイット・タナック(左:2位/ヒョンデi20 Nラリー1) 2025年WRC第5戦ポルトガル 5月18日(日)、ポルトガル北西部のマトジニョスを中心に、2025年WRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』のデイ4が実施された。競技最終日はスペシャルステージ19から24(SS19〜14)の走行が行われ、前日に首位に浮上したトヨタ・ガズー・レーシング・ワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が大会2連覇を達成した。同チームレギュラーである日本人ラリードライバー、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合5位で今大会を終えた。
そんなデイ4を終えた各陣営より、ドライバーたちのコメントが届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/総合9位
「本当に厳しい大会だった。うまくいったこともあれば、そうではなかったこともあり、結果はそれほどではなかったが、少なくとも最後は良い感覚を取り戻すことができた」
「パワーステージ(SS24)ではまずまずの走りができた。最初の2kmは良かったが、ふたつの轍で大きくスライドしてコースアウトし、多くのタイムを失った。でも僕たちは諦めず、プッシュして時間を取り戻そうとした。終盤に向けてペースはあったと思う」
●ジョシュ・マッカーリーン(#55 フォード・プーマ・ラリー1)/総合8位
「正直に言って、本当に素晴らしい週末だったし、すべての瞬間を楽しんだ。いつものようにクレイジーなラリーだったが、クリーンにフィニッシュできたし、良いタイムも出せたので本当にうれしい。チームの全員に心から感謝している。4台のマシンを問題なく走らせられたのは、彼らの素晴らしい仕事のおかげだ」
「家ではたくさんの友人や家族が観ているし、ステージにはたくさんのアイルランド国旗も掲げられていて、とてもうれしかった。次はサルディニアだ!」
●マルティン・セスクス(#22 フォード・プーマ・ラリー1)/総合15位
「難しい一週間だったが、間違いなく良い経験だった。すべてが計画どおりに進むわけではないし、そんなことは決してないものだ! これは僕たちにとって貴重な学習の機会だった」
「(SS2での)タイヤのパンクからすべてがおかしくなり始めたと思う。その後のステージはかなり違和感があったので、セットアップを少し変えてみたが、そこからはフィーリングに苦しんだ。不運が続いたが、ロスした時間を除けば、チームメイトとの距離は近かったと思う。ラリー1マシンでポルトガルに参戦するのは初めてだったから、これはかなり良い結果だ。これほど厳しいとは思っていなかった」
●ディオゴ・サルヴィ(#2 フォード・プーマ・ラリー1)/総合31位
「なんというパーティーだったろう! 楽しかったよ。とてもゆっくり進んだが、それでも最高に楽しい時間を過ごすことができた。アクセル(・コロナド/コドライバー)と仕事ができてうれしかった。彼はとてもプロフェッショナルで才能があり、週末を通して僕に忍耐強く接してくれた」
「そしてMスポーツのエンジニア、メカニック、サポートスタッフたち全員が素晴らしかった。すべてが完璧だった。ラリーが嫌いな僕のパートナーも含めて、応援に来てくれた家族にも感謝したい! 素晴らしい時間を過ごすことができたよ」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#1 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合4位
「金曜日に小さなミスを犯し、土曜日の順位を落としたかもしれないが、ミスがなかった場合と同じ順位でラリーを終えられたと思う。僕の本能は、今日オィット(・タナック)とスーパーサンデーを争うことはできなかっただろうと言っている」
「今週末はそれほど苦戦しなかった。パフォーマンスは良かったし、タイムも良かったので、全体的には満足している。マシンのスピードをもう少し上げるためにできることがいくつかあることはわかっているので、サルディニアに向けてさらなるパフォーマンスを引き出せれば、もっと有利な出走順を獲得できるだろう」
●オィット・タナック(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合2位
「ある意味、今週末はとても苛立っていた。とくに僕にとって非常に特別なイベントで、このように負けるのは嫌なものだ。とはいえ、久しぶりにドライビングを本当に楽しめたし、(オジエやロバンペラとの接戦は)とても面白かった」
「スピードはあったものの、勝つために必要な頑丈さが少し欠けていたのかもしれない。それでも、ラリー・イスラス・カナリアスに比べれば大きな進歩だったことは間違いないし、僕たちは間違いなくゲームに復帰できた」
「今後はこれをベースにさらに発展させていく必要がある。今シーズンはこれまでトヨタ車だけがラリーで勝利してきたが、それを変える時だ」
●アドリアン・フルモー(#16 ヒョンデi20 Nラリー1)/リタイア
「今日は最初から厳しかった。僕たちは出走順が最初だったので、他のクルーのためにコースを掃除するのに多くの時間を費やした。スーパーサンデーで多くのポイントを獲得したかったが、残念ながらそれはできなかった」
「金曜日の素晴らしいスタートの後、週末全体を通して僕たちはフラストレーションを感じていた。それに、サスペンションの故障で首位争いから脱落し、ポイントを獲得するのもとてもに困難になった」
「それでも、多くのポジティブな収穫を得ることができた。マシンにはペースがあり、ハンコックタイヤのこともよく知ることができたからね。これからは、ラリー・イタリア・サルディニアで力強い週末を過ごすことに焦点を移していくよ」
■トヨタ・ガズー・レーシングWRT
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合6位
「この週末は僕たちにとって簡単なものではなかったので、無事に終わってほっとしている。金曜日に出走順トップでスタートすることは、僕たちにとって明らかに厳しい状況だった」
「しかしそれだけでなく、とくに金曜日の途中からはパフォーマンスもかなり低下していた。望んでいたほど多くのポイントを獲得することができず、この週末は悔しい結果となったが、今は次のラリーであるサルディニアに向けて、より良い戦いができるように努力するのみだ」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合3位
長く厳しい週末だったが、ポディウムでフィニッシュすることができたのは、決して悪いことではない。とくに金曜日に出走順2番手で走り、ロードクリーニングをしなければならなかった状況を考えればなおさらだ」
「最終的には、それなりに多くのチャンピオンシップポイントを獲得することができた。しかし、今日は2位を争うなかで、より良い出走順だったにも関わらず、あと少しペースを上げられなかったことは残念に思う。まだ改善すべき点があるということなので、次のラリーに向けて継続して改善に取り組む必要がある」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合1位
「ポルトガルでふたたび優勝することができて素晴らしい気分だ。非常に過酷で疲れ果てた一週間だったが、チームと自分自身のためにこの勝利を手に入れることができたので、すべての努力が報われたと感じている」
「オィット(・タナック)との戦いは非常に激しいものだったが、彼に問題が起こらなければ純粋な速さで勝てたとは思えない。ただし、ラリーとはただ速く走るだだけでの競技ではないんだ」
「今日の再走ステージ(SS21〜24)は非常にラフなコンディションだったが、強いクルマとクレバーなアプローチでチャンスを掴むことができたので、チームに感謝したい」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合5位
「本当に厳しい週末でしたが、自分たちにとっては悪くないラリーでした。クルマの調子は良く、ラリーの序盤は快適に感じられるペースで走ることができました。ですので総合5位でフィニッシュできたことを嬉しく思います」
「もちろん、さらに良い結果を望んでいましたが、それでもとくに新しいタイヤについて多くのことを学ぶことができましたし、より良い結果を出すポテンシャルがあることも分かりました」
■TGR-WRT2
●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合7位
「自分たちにとってはクリーンで良い週末だったし、まさに望んでいた結果を得ることができた。ツイスティなグラベルロードでラリー1カーの経験を積み、安定して速く走ることが今回の計画だった」
「そして、大きなミスや問題もなく、その目標を達成できたので本当に満足している。もちろんチームに感謝しているし、次のサルディニアもこの調子で頑張りたいと思う」
[オートスポーツweb 2025年05月19日]