市川由紀乃、卵巣がんなど病気から復帰コンサート「歌えることが奇跡 いろんなことに感謝です」

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2025年05月19日 17:00  日刊スポーツ

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病気療養復帰後、初の単独コンサートを行った市川由紀乃

昨年6月から卵巣がんなどの治療と療養のために歌手活動を休止し、今年3月に復帰をした市川由紀乃(49)が19日、故郷の埼玉・サンシティ越谷市民ホールで、復帰後初の単独コンサート「ただいま!」を開催した。昨年5月27日以来のソロ公演となる。


開演前に取材に応じた。


−病気からの復帰コンサートです


市川 単独コンサートは約1年ぶり。故郷からスタートをきることができる喜びと「ただいま」という気持ちでいっぱいです。


−これまでを振り返ってください


市川 喜怒哀楽の中の「喜び」と「楽しみ」が抜けた期間もありました。闘病中は壁にぶつかって、自分らしくいられなくなる時も。そんな時も常にファンや先輩が支えてくれました。


−病気が見つかったきっかけは


市川 年齢的にも40代後半になって、ホルモンバランスが崩れてなのか調子の良くない時がありました。自分と年齢が近い先輩に相談をしましたが、自分自身に「大丈夫」と言い聞かせてきたところもあった。でも、由紀さおりさんに相談したら「すぐに検査を受けなさい」と。医師も紹介してくれた。そして活動を休止して治療に専念をして、昨年12月に治療を終えました。最初は卵巣腫瘍の疑い。手術で開腹をしないと病気の詳細は分からないと言われました。良ければ(陰性)なら2時間、悪ければ(陽性)なら6時間かかると言われ、翌日朝に目が覚めて6時間かかったと聞きました。


−抗がん剤治療は


市川 体毛を全て失うんです。特に髪の毛を失うのがつらかった。どこかで覚悟をしないといけないのでベリーショートにしました。髪の毛と眉毛、まつげがなくなると人相が変わるんです。「今の自分」を受け入れることも学びました。


−由紀さおりさんについては


市川 優しさと強さと愛情ある厳しさをいただいた。私の背中を押してくれました。由紀さんにメールを送ったら、私の中のどこかに「もう舞台に立てないかもしれない」と気弱な気持ちがあるとピンときたのか「『またいつか歌う日が来たら』じゃないでしょ。もう1回歌うのよ」と返事がきました。このメールで自分の心を奮い立たせることができた。恩人です。


−闘病中は歌番組を見るのも嫌だった?


市川 どこか、うらやましいと思う思いがあって番組を見ない時もありました。


−今の体調は?


市川 通院は2カ月に1回の検査だけ。今も抗がん剤の副作用で両足と右手が少ししびれていますが、少しずつ抜けていっている。しびれがなくなる日を楽しみにしています。体力づくりは母との散歩。とにかくよく歩きました。


−20日発売の新曲「朧」について


市川 大好きな曲です。(作曲した)幸耕平先生は、最初は優しいバラードを考えていたのですが、私は攻めたかったんです。幸先生が書き直してくれました。私自身がこういう経験をして、同じ病気で戦ってる方や友人らの背中を押せないかと考えました。そこで認定NPO法人「マギーズ東京」への募金を「ただいま!」コンサートの3会場で行い、寄付をさせていただくことにしました。


−年末の紅白歌合戦への出場を期待する声も出てくるのでは?


市川 年末とかは今は頭になくて。もう、1日1日歌えることが今とても幸せで、毎日が本当に特別というかスペシャル。目の前のありがたいステージを1つ1つ精いっぱい歌っていきたいという気持ちだけです。生きていることが楽しい。病室にいた自分を思えば今は奇跡。いろんなことに感謝です。


「ただいま!」コンサートは5月28、29日に大阪公演、6月20日に愛知公演を行う。

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