団地の一室で無断で飼われていたトイプーとポメ 小さな愛玩犬はストレスで攻撃的になっていた

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2025年05月19日 18:40  まいどなニュース

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団地で飼われていた2匹のワンコのうちの1匹、トイプーのティア(推定9歳・オス)

2024年7月のこと。東京を拠点に活動をする動物愛護団体、アイドッグ・レスキュー隊の元にとある保護依頼がありました。都内の団地で暮らす生活保護を受けている女性からのもので、「飼っている2匹のワンコを引き取ってほしい」というものでした。

【写真】保護当初のポメラニアンの「朝顔」。笑ってる?

一般的に団地で犬猫を飼えるところはほとんどなく、さらに生活保護を受けながら2匹のワンコを飼うということに、どうもモヤモヤしますが、団体では飼い主に相応の指導をしながらも、この2匹を保護することにしました。

小さな愛玩犬なのに攻撃的な行動をとる?

その2匹は、オスのトイプードルのティア(推定9歳)と、メスのポメラニアンの朝顔(推定5歳)。このうち、ティアは少しでも気に入らないことがあると、人間を前に「ウーッ(怒)」とうなるとのことでした。小さな愛玩犬のトイプードルが攻撃的な行動をすることはそう聞いたことがないですが、どうやらその理由は、部屋の中で狭いサークルの中に常に入れられており、ストレスがたまっていたからのようでした。

保護当時も人間のほうを向き、2本立ちして訴えかけるように過ごす様子に胸が痛くなりましたが、団地生活で受けた心の傷は今後いやすことができるのでしょうか。

保護当初からうれしそうに過ごしていた2匹

……と思いきや、ティアも朝顔も保護当初から常にルンルンの様子。預かりボランティアさんの家でのティアは、部屋中を走り回ってオモチャとうれしそうに格闘。また、ワンコの中にはお風呂が苦手な子が多くいますが、ティアは大のお風呂好き。お風呂に入れてあげると、とびきりの笑顔を浮かべながらうれしそうにシャワーを浴びます。もちろん、うなるような素振りはありません。

朝顔も同じくいつも笑顔で、預かりボランティアさんに甘えてきますが、ここでわかったことは、元飼い主からはワンコ用のエサではなく、人間が食べているものをもらっていたのではないかということ。人間が食事をする横で、独特の「クレクレ」アピールをしますが、無視すると吠えて怒ることも。でも第二の犬生に向けて考えれば、この悪い癖は治さないといけません。預かりボランティアさんは、心を鬼にして優しく厳しく朝顔に接し続けました。

紆余曲折ありながらも「本当の家族」と出会えたティア

保護から3カ月ほどが経過した頃、まず天真爛漫で元気でオチャメなティアの元に、里親希望者さんからの声がかかりました。しかし、諸事情あってトライアルが中止となり、いったんゼロスタートに。

それからさらに2カ月ほどが経過したところで、再びKさんという心優しいご夫婦から「うちにおいで」の声がかかり、今度は正式譲渡。譲渡後それまで以上にはしゃぎ回る様子を見せたティアのうれしそうな様子が幸せぶりを物語っているように思いました。

優しい奥さんに抱っこされてニンマリ笑顔を見せた朝顔

さらに朝顔の元にも複数の「うちにおいで」の声がありました。このうち、最も朝顔の性格にぴったりのWさんと言うご夫婦のもとでトライアル。当初の朝顔はやや戸惑いを見せつつも、優しい奥さんに抱っこするとニンマリ笑顔に。

朝顔もまた正式譲渡となり、やはり明るく幸せな犬生を掴むことができました。

2匹とも狭い団地で、自由に過ごせない日々を送っていたわけですが、その分も含めてこれからの犬生はワンコらしい幸せな毎日を送ってほしいなと思います。そして、いつかまたティアと朝顔が「幸せ自慢のご対面」ができる日が来ると良いなとも思いました。 

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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