画像提供:マイナビニュース三菱重工業は19日、環境に配慮した次世代新交通システムの新ブランド「Prismo(プリズモ)」を開発し、市場に投入したと発表した。2000年代から全世界に納入してきた全自動無人運転車両システム(AGT)の「Crystal Mover」ファミリーの新ブランドとなる。
新ブランド「Prismo」では、三菱重工が新たに開発したエネルギーマネジメントシステムを採用。駅での急速充電と走行中の回生蓄電を組み合わせることで、エネルギー効率を高めた。このエネルギーマネジメントシステムの採用により、従来のAGTシステムと比べて約10%の省エネ運行と、約10%のCO2排出量削減を実現したという。駅間の架線レス化を可能にし、シンプルなシステムを実現している。
ガイドレールを車両の左右両側に配置せず、車両の中央下部に配置する「センターガイド方式」も採用。軌道をスリムに設計できるようになり、インフラ建設費の大幅削減や景観の向上、保守コストの低減など実現できるとしている。
車両は「カーボンニュートラルトランジションハブ三原」(広島県三原市)で製造する。この施設は必要な電力のすべてを太陽光発電で賄い、CO2排出量を97.5%削減していることから、新交通システムの製造・建設時のCO2排出量を従来と比べて約40%以上削減できるとのこと。製造・建設と省エネ運行、メンテナンス・廃棄まで含めたライフサイクル全体のCO2排出量も、従来製品との比較で約6,400トン削減される見込みだという。(佐々木康弘)