愛子さま 初の被災地訪問 心遣いの言葉に「言葉にならないほど感激」 記者が見た公務の現場【Nスタ解説】

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2025年05月19日 20:25  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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18日から能登半島地震の復興状況を視察されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さま。初の被災地訪問には、どんな思いがあったのでしょうか?

【写真を見る】公務で被災地に初めて訪問する愛子さま

愛子さま被災地へ初訪問 勉強熱心な公務への姿勢

山形純菜キャスター:
愛子さまは、5月18日から能登を訪問されています。公務で災害・被災地を訪問されるのは、今回が初めてということです。単独公務で言いますと、2024年から回数を重ねて、今回で6回目となります。

TBS報道局 社会部 米田祐輔記者:
今回、愛子さまは初めて被災地を訪問されたのですが、かなり強い思いで行かれたと伺っています。

それが如実に出たシーンがありました。元々お声がけするはずだった施設の中の人たちだけでなく、施設の外に集まっている一般の方々にもお声がけをされるというシーンがありました。これは元々予定されていた行動ではなかったので、現場もかなりびっくりしたと思います。

山形キャスター:
目線を合わせてお話されているのも印象的でした。

TBS報道局 社会部 米田祐輔記者:
高齢者の方々もいるので、愛子さまが腰をかがまれて、目線を合わされて、お話されていてすごく印象的でした。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
本当に素敵だなと思うのが、表現が難しいのですが、質問の力が本当に素敵です。知的好奇心がちゃんと後ろにおありなのか、当事者にしかわからないようなことを聞いてくださる。

私はスポーツ選手だったので、皇室の皆さまとお目にかかる機会もあり、お父様が浩宮さまだった頃にもそうでしたが、「この質問をしてくださるんだ」ということを聞いてくださる。

「そこに好奇心を持ってくださるのか」というところが、愛子さまにも感じられますよね。

TBS報道局 社会部 米田祐輔記者:
愛子さまの公務への姿勢ですが、「とにかく勉強熱心」です。どういった人と話すか事前にしっかりとお話をされた上で臨まれていたということがわかりました。また、「事前に資料を読み込み、公務に臨まれている」と感じました。

「きょうお誕生日ですね」選手の1人にお声かけ 記者が見た印象的な2つの場面 

山形キャスター:
愛子様の公務での印象的だった場面を、米田記者に挙げてもらいました。

まず1つ目が、2025年5月に行われた、世界の医療従事者が集まる「世界災害救急医学会」の開会式への出席です。ここで公の場で初めてのご挨拶となったのですが、印象的だったとのことです。

TBS報道局 社会部 米田祐輔記者:
この挨拶の中で、私が注目したところがあります。それは愛子様がお言葉の中でおっしゃっていた、被災者の心のケアなどが「不可欠です」と言い切る表現をされていたところです。

皇族の方は「必要ではないでしょうか」など、すごく柔らかい表現を使われます。しかし、愛子さまは「不可欠です」と言い切られたのが、すごく印象的でした。

愛子さまは、日本赤十字社でボランティアをしたり、そういった方たちと接しているので、知識に沿ってお話しになったのではないかなと思いました。

山形キャスター:
もう1つが、2025年2月に行われた「車いすバスケットボールの天皇杯決勝」に、ご一家で観戦されたときのことです。

TBS報道局 社会部 米田祐輔記者:
愛子さまが、優勝チームに掛けた言葉に注目しました。
ある選手に「きょうお誕生日ですね」と声をかけ周囲の方々や選手が驚くことがありました。

(試合が)終わった後、選手たちに天皇皇后両陛下と一緒にお声をかけられました。その時、選手に「お誕生日ですね」と声をかけられて、選手が本当にびっくりして「そうなんですよ」とお話されているところがすごく印象的でした。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
私はこの時、ちょうど現場にいて、少し遠いところから見ていましたが、みんなで「いいな!」という話をしました。資料をきちんと見ていらっしゃるということですよね。

山形キャスター:
愛子さまのこういった姿からも、勉強熱心な面が現れているということですね。

6月に沖縄初訪問 両陛下から受け継ぐ思い

山形キャスター:
今後の愛子さまの予定は、6月に初めて沖縄を訪問されます。天皇皇后両陛下に同行する形で、戦後80年の慰霊が目的となっています。愛子さまは沖縄訪問について、どういった思いで臨まれるのでしょうか?

TBS報道局 社会部 米田祐輔記者:
今回、ご一家で沖縄に訪問されるのですが、両陛下と愛子さまの強いお気持ちから、今回お三方で行かれるようになったと伺っています。

天皇陛下はこれまでの会見でも、何度もお話されているのですが、「自分たちは戦後生まれであり、戦争は体験していないけれども、戦争の悲惨さを次の世代に受け継いでいくことが大切だ」と述べられています。

そして、愛子さまご自身も、両陛下の思いを受け継いで、「自分たちの世代がその思いを受け継いでいく」と思われて、今回行くのではないかなと感じております。

井上貴博キャスター:
能登の被災地ご訪問もそうですけど、今ちょうど二次避難している人が故郷に戻るのか、はたまた、別の場所に移るのかという難しい決断を迫られているタイミングです。

そのタイミングで、愛子さまがご訪問されることで、すごく力をいただけた人も多いでしょうし、高齢者施設の訪問もありましたが、同じ学生の会合にも自ら参加されたといった、細かいお心遣いが随所に散りばめられているなと感じます。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
枝だけを見ず、しっかり森を見て、大きな課題はこんなに大変なことで、それぞれのステークホルダーの声を聞くということを感じる方ですよね。

(「世界災害救急医学会」の開会式への出席された際の)心のケアの話もそうですが「不可欠です」と主観で出したら、もしかしたらおっしゃらないはずなのですが、これにはきちんとした科学的根拠があることを、しっかりとご存知でいらっしゃるからこそ、はっきりとした発言なのだと思います。

おそらく「それなぜですか?」と聞かれたら、エビデンスをしっかり、わざわざご提示はされないかもしれませんが、できるだけの論拠を必ず持っていらっしゃる。だからこそ発言されているのだと感じます。

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<プロフィール>
米田祐輔 
TBS報道局 社会部 宮内庁キャップ
2023年から皇室の公務に同行

田中ウルヴェ 京
スポーツ心理学者(博士) 五輪メダリスト慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰

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