バレーボール男子の欧州チャンピオンズリーグ(CL)が18日(日本時間19日)、ポーランド・ウッジで行われ、日本代表アタッカー石川祐希(29)が所属するペルージャ(イタリア)がチーム史上初の優勝を飾った。ポーランドのザビエルチェと対戦し、3−2のフルセット勝ち。石川は全セットで先発出場し、チーム2位の20得点。日本男子として初めて同大会制覇の快挙を成し遂げた。
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セットカウント2−0から2セットを失って迎えた最終第5セット。窮地に立たされても、石川の表情は明るかった。自身初となる欧州CLの決勝戦。追いすがられた重圧よりも、最後の最後まで大舞台に立てる喜びが勝った。自らの鋭いサーブからブレークを重ねて5−1とリードを取ると、セット後半にも再びサーブで流れを奪取。15−10でこのセットを取り切り、チーム史上初となる欧州チャンピオンに輝いた。
全セットで先発出場し、攻撃専門のオポジットのベンタラに次ぐ20得点。MVPを獲得した16日の準決勝ハルクバンク・アンカラ(トルコ)戦に続く活躍でチームを頂点に導き、「本当に苦しい試合だったけど、CLを勝てたことをうれしく思う」とチームメートと満面の笑みで抱き合った。
昨季、世界クラブ選手権を制したペルージャにおいても、移籍1年目から欠かせない存在になった。リーグ序盤は途中出場が主だったが、「出た時に自分のプレーをしっかりと出すだけ」と試合を重ねるごとに存在感を発揮。プレーオフでは準決勝で敗れたが、3位決定戦はMVPの活躍で銅メダルを獲得した。今大会でも昨年11月の予選ラウンドから安定したプレーで支え、準優勝だった16−17年シーズン以来の決勝で、チームの雪辱へ旗振り役を担った。
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昨年9月のスーパー杯との2冠を達成。日本人男子初の快挙に「ペルージャとしても初だし、日本人男子としてもCLで優勝した選手は僕が初めて。そこはうれしく思うし、歴史に名を刻めたということを誇りに思う」と胸を張った。
勝利請負人の旅は続く。イタリア10季目となった今季の全日程を終え、今後は日本代表に合流。28年ロサンゼルス五輪でのメダル獲得を見据え、まずは9月の世界選手権(マニラ)での飛躍を目指す。「声援のおかげで思いっきりプレーできる。また皆さんの前でプレーできることが楽しみ」。日本のエースの最高到達点は、まだ先にある。
○…男子日本代表の高橋藍がX(旧ツイッター)を更新。欧州CLで日本男子初の優勝を飾った石川を祝福した。「祐希さんすごっ!! チャンピオンズリーグ優勝はやばいって」と祝う絵文字を加えた。そして「帰ってきたらお寿司奢ってもらお!」と、プライベートでも仲良しの後輩らしく“ちゃっかり”おねだりしていた。
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