
5月18日、江藤拓農林水産大臣が自民党佐賀県連の政治資金パーティー『政経セミナー』で講演を行なった。高騰が続いている日本の米について言及したが、その内容に批判が殺到している。
“売るほどある”無神経な発言
江藤大臣は、現在の米高騰の状況や政府の行っている対応について説明。「(備蓄米の放出を)3回やりました。備蓄米を31万トン出しました。下がりません。大変責任を感じています」と現状について反省の弁を述べた。
その上で、備蓄米の一部を集荷や卸しを通さず小売りに届けることや、玄米の状態で販売することなど、今後の備蓄米の放出についての方針を発表した。しかし、ある発言が国民を激怒させたのだ。
「江藤大臣は、備蓄米の精米処理について触れる中で『私はコメを買ったことはありません、正直。支援者の方がたくさんコメをくださるので、まさに売るほどある。私の家の食品庫には』と述べたんです。その中には、石などいろんなものが混入し、家庭内で精米してから精米機に持っていくという具体例を明かした上で、『(備蓄米を)精米できなければ玄米で売ることも可能にするので(価格を引き下げる)効果は期待できる』と自身の計画について自信ある発言をしていましたよ」(政治ジャーナリスト)
精米についての具体例を出したつもりだったのか。高騰に苦しんでいる国民に対して、あまりにも無神経な発言は猛批判を生んだ。
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《このご時世で「支援者に貰うから、売るほど米がある」という発言はちょっとどうかと思う》
《米価高騰に苦しむ消費者や農家の心情を逆なでするものであり、非常に不適切と言わざるを得ません》
《心ならずも石の入っている米をたべたとおっしゃっている大臣、国民が困っていることをご存知ない様では、農業者がどれほど米を大事に扱っているか知る余地もないのでしょう》
本当に責任を感じているのかと疑いたくなるほどお気楽な発言は、当然の如くネットで大炎上。こうした発言もあってか、毎日新聞によると、現在の内閣支持率は下降を辿っているという。
「同紙は、5月17日18日の両日に全国世論調査を実施。石破内閣の支持率は22%だったことを発表しました。これは石破内閣発足以降、過去最低の数字で、これまで最低だった3月の調査での23%を切りました。支持率が30%を切るのは3カ月連続。国民が抱える政府への不信感は、支持率としても顕著に現れています」(前出・政治ジャーナリスト)
首相の商品券配布問題や、消費減税に対して慎重な姿勢などへの批判も集まっており、その支持率の低下は免れない。様々な問題がある中で、米の高騰に対して政府の消極的な対応も下落の要因として大いに関わっているだろう。
「今回の江藤大臣の発言は“自分には無関係”と言っているようなもの。問題意識が欠けています。食料の安定供給や、農林水産業の発展などを扱う農林水産省のトップの発言とは思えませんし、批判の声が上がるのも当たり前でしょう。内閣支持率の今後の下落にも影響してくる可能性もありますね」(前出・政治ジャーナリスト)
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19日、大臣は批判を受けて記者団に釈明。「売るほどある」発言に関し「講演で会場が盛り上がっていたので、ちょっとウケを狙って強めに言った」と説明。
7月28日には参議院議員選挙が行われる。国民の声はどう反映されるのだろうか。