画像提供:マイナビニュースα世代ラボは5月19日、α世代の「購買・消費傾向調査」の結果を発表した。調査は2025年1月22日〜1月23日、小学校1年生〜中学校3年生までの子供を持つ親(子供と一緒に回答できる人)600名を対象にインターネットで行われた。
○α世代は「リーダー型」と「フォロー型」に分かれる
α世代とは、Z世代の次に続く世代であり、おおよそ2010〜2024年ごろに生まれた世代を指す。
α世代における情報流通のメカニズムや、購買行動、流行の形成をより深く理解するため、α世代を2つのタイプに分類した。「リーダー型」は、リーダーシップをもって自分から発言や発信をしたり、新しい挑戦をしたいタイプ。「フォロー型」は、自分から発言や発信をするよりも周りをサポートし、安定した環境にいたいタイプである。
○α世代のスマホ・タブレット使用状況
近年、小学生がスマートフォンを持つことが一般的になりつつあり、特にα世代は早い段階からデジタルデバイスに親しんでいる。α世代を「リーダー型」と「フォロー型」に分類した場合、親からデバイスを与えられている(自分のものを持っている、または親のものを借りている)傾向には差が見られる。リーダー型の方が、親からデバイスを与えられている割合が多いことが分かる。
また、年齢が上がるにつれて、自分でデバイスを持つ割合が増加する傾向も見えてきた。小学1・2年生では自分のものを所有している割合が36.7%だが、小学5・6年生では56.7%、中学生では75.3%となっている。
○小学1〜2年生のスマホ・タブレット使用状況
小学1年生から6年生全体(N=450)では83%、そのうち小学校1年生、2年生だけを見ても77%がスマホ・タブレットを使用しているという結果が出た。小学1年生から2年生の段階で、すでに非常に高い割合の子どもたちがデジタルデバイスを日常的に触れている状況が明らかになった。
○α世代が選ぶ「利用しているSNS」
α世代が主に利用しているプラットフォームは、InstagramではなくYouTube、LINE、TikTokが中心。YouTubeはエンタメや学習目的で幅広く活用され、TikTokはトレンドをチェックしたり、動画を投稿する場として人気が高い。
α世代ラボの取材を通じて、α世代の女子は身近なインフルエンサー(2〜3歳程度年上)の影響を受けていると考えられる。
特にLINEは、小学校5年生頃から利用者が急増し、友人同士の個人間連絡ツールとして定着していく傾向がある。低学年では親のスマホを借りて利用するケースが多いが、高学年になるにつれて自分のスマホを持ち始め、LINEを使って日常的なやり取りをするようになるようだ。このように、小学生の間でもデジタルツールの活用が進み、学年によって利用スタイルが変化していくことが明らかになった。
○α世代のお小遣いに関して
α世代「リーダー型」は、親から自由に使えるお金を与えられている傾向が強いことがわかった。自由に使えるお金を持つことで、彼らは自らの興味・関心に基づき、「本・参考書」や「推し活」をするなど、好きの深掘りを積極的に行っている。
α世代「フォロー型」は、お金の使い方に関して、「友人との交際費」や「貯金」への意識が高い傾向が見られる。
α世代ラボの取材を通じて、大きな買い物に関しては、子ども自身のお金ではなく、親を巻き込む形での購買行動や、親が子どもへの投資として購入するケースが多いことがわかってきた。
○α世代の「商品を欲しいと思うきっかけ」
購買行動において、家族からのおすすめの影響度は年齢に関係なく一定であり、小学生から中学生にかけても親や兄弟の意見が重要な参考情報となっている。
α世代は年齢が上がるにつれて、自発的に情報を集める傾向が強まり、購買の意思決定プロセスに変化が生じることがわかってきた。特に、小学生低学年ではテレビCMや番組の影響が大きいが、高学年になるにつれて、情報源が友人のおすすめやSNSの口コミへとシフトしていく。
α世代「リーダー型」は、YouTubeやTikTokで流行をチェックし、SNS上のレビューを参考にすることで、より自分に合った商品を選択する傾向が見られる。この変化は、中学生以降さらに顕著になり、従来のマスメディアよりも、同世代の発信するリアルな情報が購買行動を左右する重要な要素となっていく。
α世代「フォロー型」は、「リーダー型」の投稿や同世代インフルエンサーの発信を参考にしながら、流行をキャッチアップし、受動的にトレンドを追う一方で、一定の信頼を置いた「リーダー型」の情報を優先的に取り入れる傾向がある。
○α世代の「商品の検索方法」
α世代は、商品の検索方法として、「ネット検索」を最もよく利用する。また、「店舗に行って実物を確認する」といったオフラインで商品を調べている。「友達に情報を聞く」や「家族に情報を聞く」といった身近な人からの情報収集も上位にランクインした。
○α世代の「よく行く飲食店」
α世代は「マクドナルド」が他の飲食店を大きく引き離して最も多く利用されていることがわかる。「ミスタードーナツ」「サイゼリヤ」「スシロー」「ガスト」といったチェーン店も上位にランクインしている。
○α世代が選ぶ「良いイメージを持っている企業」
「マクドナルド」が他の企業を抑えて最も良いイメージを持たれている理由は、普段利用することが多い飲食店としても「マクドナルド」が1位であることと関連している可能性がある。そして、α世代が日常的に触れる機会の多い企業も良いイメージを持たれている傾向が見られる。また、α世代は普段からゲームに触れる機会が多く、生活の一部となっているため「任天堂」が第2位にランクインしている。
○α世代の習いごと事情
α世代の習いごと市場は拡大傾向にあり、73%が何かしらの習いごとを経験している。特に小学1〜2年生でも10個以上の習いごとをしているケースもある。幼少期から幅広い経験を積むことが重要視されており、単なる学習や技能習得にとどまらず、将来の選択肢を広げるための活動として捉えられている。
習いごとランキングを見ると、1位「学習塾」、2位「スイミング」、3位「ピアノ・電子オルガン」と、従来の習いごとが根強い一方で、「ポニースクール」「かけっこ」「表現教室」「体操」など、個性を伸ばす習いごとのニーズも増加している。特に、SNSで話題になるアクティビティや、新しい教育アプローチを取り入れたスクールが注目を集めやすい傾向にある。(Yumi's life)