スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの妹ワヨミさん(中央)とポールニマさん(左)=2023年4月、東京都千代田区 名古屋市の入管施設で2021年、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が死亡した問題で、収容中の映像を入管側が全て開示しないのは違法だとして、遺族が20日、国に不開示決定の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状などによると、遺族は22年、ウィシュマさんが体調不良を訴えたのに入管が必要な医療を怠って死亡させたとして、国家賠償を求め名古屋地裁に提訴。亡くなるまでの映像約295時間分の開示を求めたが、国側が同地裁に証拠提出したのは約5時間分だった。
遺族側は今年2月、名古屋出入国在留管理局に全映像の開示を請求したが、3月に不開示とする決定が出されていた。
提訴後に東京都内で記者会見した妹のポールニマさんは「姉の映像は国のものではない。遺族として返してもらう権利がある」と訴えた。
ウィシュマさんは20年8月に名古屋入管の施設に収容され、21年3月に死亡した。