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2024年4月に宮崎市のグラウンドで落雷があり、遠征試合で訪れていた熊本県立鹿本(かもと)高校(山鹿市)のサッカー部員18人が搬送された事故で、熊本県教委が設置した事故調査委員会(委員長・猿渡健司弁護士)は20日、報告書をまとめ、県教委に提出した。事故原因について、監督らが「雷に関する情報を確認せず、屋外での活動を継続した」と指摘した。
報告書や県教委によると、24年4月3日午後2時半ごろ、ウオーミングアップをしていた鹿本高サッカー部の生徒の列に雷が落ち、18人が病院に搬送された。うち1人は現在も入院中で、車椅子で外出できる程度には回復したが、意思疎通が難しい状況にある。
報告書によると、当時、大気の状態は不安定で、宮崎地方気象台は事故前日の2日午後に雷注意報を発表。3日午前には雷鳴がしたため、監督らは練習試合を一時中断した。事故直前には雷鳴や強い風雨はなかったが、落雷を予測する気象庁ホームページの「雷ナウキャスト」は落雷の可能性を示していた。
こうした状況を踏まえ、報告書は指導者の対応を検証。鹿本高の監督らは天気の推移について目視やスマートフォンアプリの雨雲レーダーで確認していたが、雷に特化した情報は見ておらず、「客観的には落雷がありうる状況であることを把握していなかった」と指摘した。再発防止策として雷ナウキャストなどを利用した情報把握を提言した。
部活動中の落雷事故は今年4月にも奈良市の帝塚山中学・高校のグラウンドで起き、サッカー部の男子中学生5人と野球部マネジャーの女子高生が搬送された。【山口桂子】
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