「ナインパズル」会見 (C)2025 Disney and its related entities キム・ダミとソン・ソックが初共演することでも話題のオリジナル韓国ドラマシリーズ「ナインパズル」が本日5月21日(水)よりディズニープラスのスターで独占配信開始。配信に先駆け5月14日に韓国・ソウルで行われた制作記者会見の模様が到着した。
本作は、10年前に起こった殺人事件の唯一の目撃者であり現在はプロファイラーとして働くユン・イナと、彼女を容疑者だと信じて疑わない刑事キム・ハンセムが、新たに始まった連続殺人事件の犯人捜しと、事件の背後にある真実を暴いていく予測不能な心理サスペンス。
監督のユン・ジョンビンは「最初に台本を読んだとき、吸引力のある作品だと思いました。ただ、全て読んでみると“果たして現実で起こりうることなのか”“こういう人物は現実にいるのだろうか”と疑問が湧いてきました。現実と非現実の境界線である漫画的な世界として描く必要があると感じ、衣装、セットなどで少し現実とは距離を持たせる工夫をしたり、キャラクターのユニークさを活かすような漫画的な表現をたくさん使ったりすることにしました」と演出の方向性について明かす。
また、「僕は作品を作る時、俳優たちと親しくなるためによく飲み会をするのですが、今回はそれが難しくて。ソン・ソックさんとヒョン・ボンシクさんはお酒が飲めず、キム・ダミさんはカカオトークで質問をしてくるくらい『(MBTIで)極I(超内向的)』。今回は、カカオトークが絆を深めてくれました」と笑顔を見せながら吐露した。
個性的なプロファイラー役の「ビジュアルにも気を遣いました」
過去にトラウマを持ちながらプロファイラーとなったユン・イナ役のキム・ダミは、「初めてシナリオを読んだ時、次の展開が気になって読むのがやめられなくなりました。個性的なプロファイラー役というのも新しい挑戦ではないかと思い、参加することにしました」と、出演を決めた理由を話す。
役作りの際は、“10年前に叔父が巻き込まれた殺人事件の唯一の目撃者”という設定を重要視したそうだ。「事件を目撃したショックで当時の記憶を失っています。そのため、彼女は少女時代から時間が止まっているのではないかと考え、正直で、感情の赴くまま自分勝手に行動するけれども、同時に痛みや弱さも持っている。そんな子どもっぽさを見せようと思いました」とキム・ダミ。
「一方で、プロファイリングをする時には鋭くて冷静で、事件に向かう時にスイッチがオンになるような姿を表現しようとしました。外見に関してはネクタイを多用し、プロファイリングをする時には眼鏡をかけるように。ヘッドフォンを身につけたりネイルアートをしたり、髪を少し跳ねるようにするなど、ビジュアルにも気を遣いました」と語った。
ユン・ジョンビン監督は、イナ役の俳優を探す際、キム・ダミが真っ先に思い浮かんだという。「以前から、キム・ダミさんには健康的なエネルギーがあると感じていました。そんなダミさんが演じることで、視聴者の方も、“イナは元々独特で少し変わった子”だと自然と認識してくれるのではないかと思いました。完成した作品を観ても、ちょっと変わっているけど憎たらしさはなく、とても愛らしい人物に仕上がっています」と評価した。
「映画『レオン』のようにニット帽をかぶっているのが特徴」
以前から監督の大ファンだったというソン・ソックは、会見冒頭から、「オファーをいただき光栄に思いました。出演の決め手は監督です」とファン心を爆発。
演じるキム・ハンセム役について「ひと言で言えば、とても“しつこい”刑事。10年間未解決の事件を追うせいで昇進も出来ず、その事件にだけ執着しています。映画『レオン』のようにニット帽をかぶっているのが特徴です。普段から私がニット帽を愛用していることもありますが、ニット帽姿の刑事というのも異質でおもしろいと思い使うことにしました」とビハインドストーリーを紹介した。
イナとハンセムは、容疑者と刑事でありながら、同じ事件に携わるプロファイラーと刑事でもあるという不思議な関係性。
「本当の兄妹でもないし、近所の知り合いでもない。だからと言って敵でもない。守りたいけど、倒したい相手でもある。なかなかない関係性なので、自分が思い描いた通りに演じるのが正しいと信じ演じました」とソン・ソック。
一方、キム・ダミは「(イナにとってハンセムは)どんな関係だとしても、子どもの時からそばにいてくれた人で、そばにいなくてはいけない存在」と特別な存在であることを強調した。
共演した印象については、キム・ダミが「ソックさんは自分から私のところに来てくれていろんな話をしてくれました。二人で演技する場面が多く、楽しかったです」と感謝すると、ソン・ソックも「ダミはいろんなアイディアを持っているので、頼りになりました。僕とダミとは性格が似ているんです。内気で、淡白。なので、いいパートナーとしてやっていけると思いました」と笑顔で返答した。この相性の良さもドラマの完成度を高める要素になったようだ。
個性派俳優ヒョン・ボンシク「末っ子になることが出来て幸せ」
キム・ソンギュンが演じるのは、漢江署刑事課2チームのチーム長ヤン・ジョンホ。「ユン監督は、映画『悪いやつら』で私を映像デビューさせてくださった監督です。約13年ぶりの再会は、感慨深いものがありました。大きな役を与えてくださり、感謝しています」と感謝。
「ジョンホは、原理原則通りに動きたい人物で、面白みのない人。これまでも刑事役を演じてきましたが、今まで演じてきた刑事役とはテイストが違い、折り目正しく、しっかりした人物なので、満足しています」と役への愛情をアピールした。
40歳にして刑事課の“末っ子”チェ・サン役を演じることになったヒョン・ボンシクは、「魅力のある台本でとても楽しく読みました。サンはかっこいい刑事に憧れているけど実際の仕事は防犯カメラのチェックばかりの末っ子刑事。ライフバランスを重要視するMZ世代です」とコメント。
「キム・ソンギュンさんと監督が私のことを普段からMZだというので、普段の姿を活かして演じようと思いました」と語ると、「いつも“班長”役ばかりしてきたので、末っ子になることが出来て幸せでしたね」と加えて、満面の“末っ子スマイル”を見せた。
また、ソン・ソックとヒョン・ボンシクは、ドラマ「D.P. -脱走兵追跡官」で共演した仲。そのときは、ヒョン・ボンシクがソン・ソックの上官役だった。“元上官”で“部下”のヒョン・ボンシクの印象を聞かれたソン・ソックは「かわいいですよ」とニヤリ。
「社会に出たらいつ立場が逆転するかわからないのですから、軍隊にいる時から、どんな人にでも優しくしておかなければいけないということです。(ボンシクは)前作の中で僕を苦しめたので、本人も“しまった”と思い、なかったことにするために、今かわいく振舞っているのではないでしょうか」と冗談交じりに話すひと幕も。
豪華カメオ出演にも注目「回ごとに主人公がいます」
本作は、こうした主演俳優以外にも豪華俳優陣がカメオ出演しているのも見どころのひとつ。
監督は「回ごとに主人公がいます。出番は少ないですが、だからこそ、存在感と確かな演技力が必要だと思い、どんな人たちにオファーをすればいいか、随分悩みました。20年の映画人生で培った人脈がここに全て現れています」と解説。
「チ・ジニさんは僕よりも繋がりが深いソン・ソックさんに連絡をしてもらい、出演をしていただきました」とキャスティング秘話を明かした。
最後は、ソン・ソックが「事前に出てくるネタバレを観ないようにして、犯人が誰なのか推理しながら見ると、2倍楽しめると思います。友達・家族と本作を鑑賞しながら楽しい時間を過ごしてください」と語り、会見の幕を閉じた。
「ナインパズル」は毎週水曜日、ディズニープラスのスターで独占配信中(全11話/初回6話一挙配信、2回目3話、3回目2話配信)。
(シネマカフェ編集部)