【オークス予想】不安要素が見当たらない?! AIが推奨するのは絶好の狙い目の馬

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2025年05月21日 20:30  netkeiba

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オークスに出走予定のアルマヴェローチェ(c)netkeiba
【文・構成:伊吹雅也(競馬評論家)=コラム『究極のAI予想!』】

netkeibaにある膨大な競走成績を人工知能によって機械学習するAiエスケープを開発したAIマスター・Mと、レースデータの分析を専門とする競馬評論家・伊吹雅也による今週末のメインレース展望。コンピュータの“脳”が導き出した注目馬の期待度を、人間の“脳”がさまざまな角度からチェックする。
(文・構成=伊吹雅也)

◆上位人気グループの馬があまり崩れていないレース

AIマスターM(以下、M) 先週はヴィクトリアマイルが行われ、単勝オッズ2.5倍(1番人気)のアスコリピチェーノが優勝を果たしました。

伊吹 強かったですね。スタート自体は悪くなかったもののダッシュがつかず、ほぼ最後方のポジションで3コーナーから4コーナーを通過。ゴール前の直線に入り、各馬が横に大きく広がっての追い比べとなる中、進路を求めて少しずつ馬場の外へ寄せていき、残り200m地点の手前でようやく大外に持ち出しています。この時点ではまだアリスヴェリテ(5着)が2番手以下を大きく引き離していたものの、これをすぐ前にいたクイーンズウォーク(2着)、内を捌いて追い込んだシランケド(3着)、中団から伸びたアルジーヌ(4着)とともに決勝線の手前で捕らえ、4頭が並んだまま入線。最後のひと伸びで内の各馬にクビ差だけ先着しました。レース後のコメントでC.ルメール騎手や黒岩陽一調教師が指摘していたように、この馬向きとは言い難い馬場コンディションだったようで、そのあたりが序盤のもたつきに繋がっていた模様。そんな中でもしっかり勝ち切ったわけですから、人馬ともにお見事と言うほかありません。

M アスコリピチェーノは2歳時の阪神JF以来となる自身2度目のGI制覇。年明け初戦の1351ターフスプリントを制したとはいえ、今回は帰国初戦、かつ休養明けでしたし、少々危ういと見ていた方も多いのではないでしょうか。

伊吹 荒れやすいイメージのレースですし、私自身も◎を打つことはできなかったので、半信半疑だった方の気持ちはよくわかります。もっとも、今年のヴィクトリアマイルに出走した馬のうち、GIウイナーはステレンボッシュ(8着)とこの馬だけ。少々の不利では埋まらないくらいの力差があったと言って良さそうです。次走は順調ならば安田記念を予定しているとのこと。3歳時のNHKマイルCで2着となるなど、牡馬相手のレースにも十分な実績がある馬ですから、引き続き目が離せません。

M ちなみに、今回のヴィクトリアマイルで2着となったクイーンズウォークは、先週の当コラムでAiエスケープが推奨していた馬。単勝オッズは8.5倍(4番人気)どまりでしたが、こちらも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

伊吹 良い見立てだったと思います。Aiエスケープは昨年のヴィクトリアマイルでも勝ち馬のテンハッピーローズを推奨していましたし、このレースとは本当に相性が良いですね。今の調子ならGIシーズンの終盤戦も期待して良さそう。皆さんもぜひご注目ください。

M 今週の日曜東京メインレースは、3歳牝馬三冠競走の第二関門、オークス。昨年は単勝オッズ4.6倍(2番人気)のチェルヴィニアが優勝を果たしました。ちなみに、その2024年は単勝オッズ2.3倍(1番人気)のステレンボッシュが2着、単勝オッズ7.9倍(3番人気)のライトバックが3着で、3連単の配当は8060円どまり。堅めの決着をイメージしておいた方が良いのでしょうか。

伊吹 過去10年のオークスにおける3連単の配当を振り返ってみると、平均値こそ9万6519円でしたが、中央値は2万7145円。計10回中7回は5万円未満でしたし、比較的荒れにくいレースと見ておいた方が良いかもしれません。

M 過去10年の単勝人気順別成績を見ても、1番人気馬の連対率が8割に達するなど、上位人気馬が相応に優秀な成績を収めています。

伊吹 単勝3番人気以内の馬がすべて4着以下に敗れた年はなく、1頭しか馬券に絡まなかったのも2000年と2022年の2回だけ。あえて伏兵を狙う場合であっても、人気の中心となっている馬を安易に軽視してしまわないよう心掛けるべきでしょう。

M そんなオークスでAiエスケープが指名した特別登録時点の注目馬は、アルマヴェローチェです。

伊吹 話の流れ的にもちょうど良いところを挙げてきましたね。単勝1番人気になるかどうかは微妙なところですが、それなりの支持は集まるはず。

M アルマヴェローチェは昨年の阪神JFを勝っているGIウイナー。前走の桜花賞でも、勝ったエンブロイダリーとクビ差の2着に健闘しています。デビュー2戦目の札幌2歳Sで2着となった実績もあり、距離が延びる点は問題なさそう。プロフィールを見る限りだと、これといった不安要素が見当たりません。

伊吹 昨年の優勝馬チェルヴィニアと同じハービンジャー産駒である点も注目を集めそう。絶好の狙い目と見ている方が多いのではないでしょうか。Aiエスケープが有力視していることも踏まえたうえで、私はレースの傾向からこの馬の信頼度を測っていきたいと思います。

M 真っ先に注目しておくべきポイントはどのあたりですか?

伊吹 近年は重賞ウイナーが中心。2020年以降の3着以内馬15頭中11頭は、JRA重賞を勝ち切ったことのある馬でした。

M なるほど。重賞未勝利馬はあまり強調できませんね。

伊吹 ちなみに、“JRAの、重賞のレース”において1着となった経験がない、かつ父がキズナでもゴールドシップでもない馬は2020年以降[0-0-0-44](3着内率0.0%)と3着以内なし。この条件に引っ掛かっている馬は思い切って評価を下げるべきでしょう。

M 先程も触れた通り、アルマヴェローチェは昨年の阪神JFを勝っている実績馬。この点は大きな強調材料と言えます。

伊吹 あとは臨戦過程もしっかりチェックしておきたいところ。前走の着順が2着以下だった馬は2020年以降[2-2-3-53](3着内率11.7%)と、やや期待を裏切りがちです。なお、3着以内となった7頭のうち5頭は、桜花賞からの直行組であり、なおかつノーザンファーム生産馬か、そのノーザンファームと技術提携しているレイクヴィラファームの生産馬でした。

M こちらもなかなか興味深い傾向。基本的に前哨戦を勝って臨む馬が強いレースと見るべきでしょうね。

伊吹 おっしゃる通り。実績面が多少心許なくても、勢いに乗っている馬は侮れません。

M アルマヴェローチェは前走の桜花賞で2着に敗れているものの、生産者がノーザンファーム。巻き返しを期待して良さそうな側の一頭です。

伊吹 さらに、同じく2020年以降の3着以内馬15頭中13頭は、前走の馬体重が450kg以上490kg未満でした。

M 小柄な馬や大型馬は過信禁物、と。

伊吹 前走の馬体重が450kg未満だったにもかかわらず3着以内となったのは、2021年2着のアカイトリノムスメと、2022年3着のナミュールだけ。今後も同様の傾向が続くと見るべきでしょう。

M アルマヴェローチェは前走の馬体重が496kg。残念ながら、この条件には引っ掛かっています。

伊吹 正直なところ、私は他の馬に◎を打つつもりでした。もっとも、2走前の阪神JFを使った時の馬体重は484kg。私が設定したラインから少し外れたとはいえ、極端な大型馬ではありません。もともと無理に嫌う必要はないと考えていましたし、好調なAiエスケープが中心視しているのであれば、むしろ素直に信頼した方が良さそう。実際のオッズも確認したうえで、買い目上の位置付けをじっくり検討したいと思います。

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