【競馬予想】オークスの行方を占う「3歳牝馬ランキング」 勝つのは桜花賞組か、別路線組か

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2025年05月22日 07:20  webスポルティーバ

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3歳牝馬ランキング(前編)

 3歳牝馬戦線は、いよいよクラシック第2弾のGIオークス(5月25日/東京・芝2400m)を迎える。

 その覇権争いの中心となる面々がしのぎを削ったクラシック第1弾のGI桜花賞(4月13日/阪神・芝1600m)は、3番人気のエンブロイダリー(牝3歳/父アドマイヤマーズ)が中団から鮮やかに抜け出して一冠目をゲット。父アドマイヤマーズは初年度産駒からクラシック馬を出す快挙を遂げた。桜花賞の勝ちっぷりから、エンブロイダリーはオークスでも人気の一角を担うことになるだろう。

 そのほか、2歳女王のアルマヴェローチェ(牝3歳/父ハービンジャー)は2着。1番人気のエリカエクスプレス(牝3歳/父エピファネイア)は5着に終わったが、いずれもオークスでの巻き返しが期待される。

 また、桜花賞同日に行なわれたリステッド競走の忘れな草賞(4月13日/阪神・芝2000m)は、サヴォンリンナ(牝3歳/父サトノダイヤモンド)が好位から突き抜けて快勝。2連勝を飾って大舞台へ向かう。

 東京競馬場を舞台にして行なわれたトライアル2戦は、GIIフローラS(4月27日/芝2000m)をカムニャック(牝3歳/父ブラックタイド)が、リステッド競走のスイートピーS(5月3日/芝1800m)をルージュソリテール(牝3歳/父ロードカナロア)が勝って、オークスへの最終切符を手にした。

 ほとんどの馬にとって、未知の距離での争いとなる樫の舞台。はたして、頂点に立つのはどの馬なのか。今回は、その行方を占う3歳牝馬の『Sportiva オリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、JRAのホームページでも重賞データ分析を寄稿する競馬評論家の伊吹雅也氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今回はオークスに挑む3歳牝馬の、現時点における実力・能力を分析しランクづけ。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。

 5位には、桜花賞には出走しなかった2頭がランクインした。オークストライアルのフローラSを制したカムニャックと、GIIIフラワーC(3月22日/中山・芝1800m)の勝ち馬レーゼドラマ(牝3歳/父キズナ)。それぞれ、桜花賞組を脅かす存在として期待されている。

伊吹雅也氏(競馬評論家)
「カムニャックは5月4日終了時点(以下同)の本賞金が6220万円で、JRAに所属する現3歳世代の牝馬としては単独5位。また、JRAのレースにおける一走あたりの賞金は1555万円で、JRAに所属する現3歳世代の牝馬としては単独4位。前走のフローラSで通算2勝目をマークしたばかりですが、この路線においては実績上位と言える存在です。

 半兄には今年のGIIIダービー卿チャレンジトロフィーで3着となったキープカルムがいて、母のダンスアミーガも2015年の重賞ターコイズSで2着に食い込んだ実績があります。血統的なポテンシャルも高いと言えるのではないでしょうか。

 近年のオークスは、小柄な馬や極端な大型馬が不振。2020年以降の3着以内馬15頭中13頭は、前走の馬体重が450kg以上490kg未満でした。この馬は前走の馬体重が470kg。いかにもこのレースが合っていそうなサイズ感ですから、人気の盲点となるようであれば、絶好の狙い目かもしれません。

 レーゼドラマの本賞金は4360万円。実績上位と言えるかどうかは微妙なところですが、重賞初挑戦だった前走のフラワーCを勝ちきった点は高く評価するべきだと思います。

 母のシアードラマは現役時代にアメリカのGIを3勝。レーゼドラマは5月12日生まれですし、まだまだ伸びしろはあると見ていいのではないでしょうか」

 4位は、前回(桜花賞前の本企画)5位タイだったリンクスティップ(牝3歳/父キタサンブラック)。桜花賞で3着と奮闘し、順位をひとつ挙げた。血統背景から、距離延長も歓迎のクチだ。

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「スタートから最初のコーナーまでが長い京都・芝1800mのGIIIきさらぎ賞(2月9日)においては、ハイペースを先行して2着と好走。桜花賞ではマイルの流れに対応できるかがポイントでしたが、案の定、後方から外を回る形に。ただ、今までとは違う競馬で3着まで追い上げられたことは、大きな自信になったはずです。

 まだ馬体は上下や前後のバランスに良化の余地を残しており、桜花賞からさらなる成長があれば、オークスでは一段とパフォーマンスを上げてきそう。距離延長は不問、折り合い面も問題はありません。本来の前づけでしぶとく脚を使う形なら、上位に肉薄してもおかしくありません」

 3位は、前回2位のエリカエクスプレス。桜花賞で5着に敗れて、評価を落とした。オークスでのリベンジなるか、注目される。

木南友輔氏(日刊スポーツ)
「桜花賞では持ち前のスピードが生きすぎたせいか、結果的に前に出る形になって、最後まで踏ん張りきれませんでした。それでも、きついペースに乗ってしまって、普通ならバッタリと止まってもおかしくないところを5着。あらためて能力の高さを感じました。

 血統背景を信じれば、距離延長は問題ありません。あとは落ちついて走ることができれば、オークスでの巻き返しは十分にあると思います」

土屋真光氏(フリーライター)
「桜花賞ではスタートが決まりすぎたうえ、2ハロン目が10秒7と速かったこともあって他馬が争ってくることもなく、逆にチグハグな競馬になってしまいました。そんななか、5着に粘ったのはスタミナがあるからこそ。これまでマイル戦のみ使われてきましたが、本質的にはマイルよりも長い距離のほうが向くと思います。

 オークスでも積極的に行くような馬が見当たらず、再び逃げる形になるかと思いますが、今度は距離がある分、道中でタメも利かせられそう。桜花賞上位組のなかでは、樫の女王に最も近い存在かもしれない、と見ています」

(つづく)

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