フランスで開催中の第78回カンヌ映画祭のカンヌ・プレミア部門に出品された、元日向坂46齊藤京子(27)の初主演映画「恋愛裁判」(深田晃司監督、今冬公開)の公式上映が22日、同映画祭の劇場、ドビュッシーで行われた。齊藤は「カンヌ映画祭に関わるなんて夢にも思わず一生、忘れない経験となりました」と感激した。
齊藤は、深田晃司監督(45)とともにレッドカーペットを歩き、1000人超の観客で埋まったドビュッシーに入場。本編を鑑賞し、上映後にはスタンディングオベーションが起きた。24年4月の日向坂46卒業コンサートから、ちょうど1年でカンヌ映画祭のひのき舞台に立ち「レッドカーペットはお祭りのような雰囲気で、気づいたら終わっていたという感じでしたが、後から実感が湧いてきました」と口にした。そして「世界で初めて上映される瞬間を、皆さんと一緒に見ることができて本当に幸せでした今まで生きてきた中で一番、幸せな日になりました」と繰り返した。海外に来たのは人生で3回目だったが、ひときわ大きな感動を受けたようだ。
「恋愛裁判」は、16年「淵に立つ」で同映画祭ある視点部門審査員賞を受賞した、深田晃司監督(45)の新作。「元アイドルの女性に賠償命令」という新聞記事を目にした同監督が、そこから着想を得て、構想から10年をかけて作り上げた。日本のアイドル界でまことしやかにささやかれる「恋愛禁止ルール」に反する行動をしたとして、所属事務所から契約違反と訴えられ裁判へと発展した1人の女性アイドルの姿を描く。 深田監督は「最高の舞台でお披露目できてうれしく思います。公式上映では、スタンディングオベーションもうれしかったですが、最初のシーンが始まった時に『この映画が生まれた』というように感じました」と上映を喜んだ。そして「映画が1本出できるのは奇跡のようなものであり、映画祭に選出され、ワールドプレミアを実施し、主演俳優とその瞬間を立ち会うことができ、その主演俳優も楽しんでくれているなんて、こんなに監督冥利(みょうり)に尽きることはないです」と感慨を口にした。
カンヌ・プレミアは、最高賞パルムドールを争うコンペティション部門では、まかないきれない良作、具体的には、より世界の歴史・民族・風土・生活習慣・信仰など現代社会を取り巻くテーマを描くワールドシネマにフォーカスした作品が選ばれる部門。23年には、北野武監督(78)の「首」が出品されている。
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