『恋愛裁判』 ⒸKazuko Wakayama『淵に立つ』『LOVE LIFE』の深田晃司監督による最新作『恋愛裁判』が第78回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア部門に正式出品され、かつて「日向坂46」でセンターを務めた経験を持つ齊藤京子が、海外でのレッドカーペットに初登場。公式上映後ではスタンディングオベーションが巻き起こった。
本作は、「元アイドルの女性に賠償命令」という新聞記事を目にした深田監督がその内容から着想を得て、物語を作り上げ、構想から10年を経て結実した渾身の作品。
カンヌ・プレミア部門とは、2021年「コンペティションの枠には収まりきれない良作を集める部門」として設立。芸術的な野心と観客へのアピール力を兼ね備えた作品を上映する部門で、日本作品としては『竜とそばかすの姫』(2021年/監督:細田守)、『首』(2023年/監督:北野武)が出品されている。
公式上映に先立ち、レッドカーペットアライバルに深田監督と齊藤が登場。齊藤は、海外では初のレッドカーペットアライバルとなり緊張した面持ちながらも、多数の海外メディアからの呼びかけにも爽やかな笑顔で応じながら、レッドカーペットを颯爽と歩き、「あっという間に終わってしまった」とコメント。
そして、いよいよ世界最速となる公式上映が実施。会場となったドビュッシー・シアターでは、「コウジ・フカダ!」「キョウコ・サイトウ!」という呼び込みのもと、1,000名を超える観客の万雷の拍手で座席に迎えられ、上映がスタート。アイドルの「恋愛禁止ルール」という日本独自のテーマである本作を、観客は食い入るようにスクリーンを見つめた。
上映終了後にはスタンディングオベーションが沸き起こり、深田監督と齊藤は、幾度となく手を挙げ、お辞儀で応える姿も。そして、場内でマイクを向けられた深田監督は「今日という日を、スタッフ、そして齊藤京子さんと迎えられて嬉しい」と語り、齊藤は「世界で一番幸せです」と述べながら拍手に応じた。
上映を終え、深田監督は「こんなに監督冥利に尽きることはない」、齊藤は「一生忘れられない経験。生きてきた中で一番幸せな日」と大いに感激した様子。
映画を鑑賞した観客からは「爽やかな風をカンヌに吹かせてくれた」や「現代の問題に切り込んだ映画。齊藤さんは本当に素晴らしい演技だった」と感想を述べ、「恋愛禁止ルール」という日本独自の文化をテーマにした作品ながら、カンヌの地で衝撃をもって受け取られていた。
コメント全文
【齊藤京子】
カンヌ国際映画祭に関わるなんて夢にも思わず、一生忘れない経験となりました。レッドカーペットはお祭りのような雰囲気で、気づいたら終わっていたという感じでしたが、後から実感が湧いてきました。そして、世界で初めて上映される瞬間を、皆さんと一緒に観ることが出来て本当に幸せでした。今まで生きてきた中で一番幸せな日になりました。
【深田晃司監督】
最高の舞台でお披露目出来て嬉しく思います。
公式上映では、スタンディングオベーションも嬉しかったですが、最初のシーンが始まった時に「この映画が生まれた」というように感じました。映画が一本出来るのは奇跡のようなものであり、映画祭に選出され、ワールドプレミアを実施し、主演俳優とその瞬間を立ち会うことができ、その主演俳優も楽しんでくれているなんて、こんなに監督冥利に尽きることはないです。
『恋愛裁判』は今冬、全国東宝系にて公開。
(シネマカフェ編集部)