2025年F1マイアミGP 映画『F1/エフワン』のショーカー F1モナコGPを前に、ブラッド・ピット主演の映画『F1/エフワン』のプライベート上映会が、F1ドライバーやチーム代表らを対象にして実施された。ドライバーたちは映画製作側から秘密保持を誓わされた上で映画を楽しみ、ポジティブな感想を述べた。製作にかかわったルイス・ハミルトンは、仲間たちの反応を緊張しながら見守っていたという。
『F1/エフワン』は、F1の全面的な支援を受けて製作された映画で、監督は『トップガン マーヴェリック』で知られるジョセフ・コシンスキー、プロデューサーはジェリー・ブラッカイマー、ブラッド・ピットが主演を務める。ストーリーは、ブラッド・ピット演じる伝説的な元F1ドライバーが現役復帰を果たし、所属する弱小チームやダムソン・イドリス演じる若手ルーキードライバーらと衝突を繰り返しながらもチームを強くしていく、というもの。
実際にF1開催中の世界各地のサーキットで撮影が行われ、ハミルトンがプロデューサーに名を連ねたことでも、大きな注目を集めており、日本では6月27日に公開される予定となっている。
F1ドライバーらを招いて行われた今回の上映会には、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランス・ストロール(アストンマーティン)以外の18人が出席した。試写会を終えたハミルトンは、次のように感想を語った。
「僕はこれを見るのが初めてではなかった。少なくとも20回はすでに見ている。でも、会場に入ると、ドライバーたちが来ていて、そのなかで座って見るのは緊張したよ」
「『皆は初めて見るんだ』と思った。周囲を見渡してドライバーたちの反応をうかがった。僕としては、彼らがこの映画をどう思うのかがとても気になっていたんだ。彼らが高く評価してくれるといいな、と思っていた」
「終わった後、彼らに対して『率直な意見を歓迎する』というメッセージを送った。たとえば、戦略ピットストップのタイミングがずれているじゃないか、とか気になる部分があるかもしれないからね」
「でも、音響が素晴らしく、映像が信じられないほど良いという部分は、見事だと思った。これはかつて誰もやったことがないことだ。だからこそ、僕はこれを本当に誇りに思っている」
ハミルトンが心配する必要はなかったようで、他のドライバーたちからは称賛の声が寄せられた。
フェルナンド・アロンソ(アストン・マーティン)は、映画について「良かった」と報告し、「この映画が気に入ったよ。F1の要素、そしてスポーツの要素をかなりうまく描いていると思う。それは、この手の映画では必ずしも保証されていることではない。すべてが嘘っぽければ、自分たちがやっていることを正確に表していないと感じるが、今回はその部分をうまくやっていたと思う。観客が楽しんでくれるといいね」
カルロス・サインツ(ウイリアムズ)は、「いくつかハリウッド風の瞬間があって、熱心なファンなら気づいて笑うだろう」と指摘したが、それについてアロンソは「それは確かにいくつかある。だがこれは映画であってドキュメンタリーではない。だから絶対に起きないようなこともいくつか含まれているんだ」と語った。
「ただし、トラック上のアクションなどの面では、その大部分、あるいはほぼすべてがオリジナルで、非常に現実をよく表していた。だから、それはとても良かったと思うよ」
サインツは、前述のとおり、「僕たちのようなF1の専門家にとっては、Netflixと同じように、少しハリウッド的だと分かってしまう部分がある」と指摘したものの、映画を「本当に楽しんだ」とも述べている。
「F1を知らない新しいファンの関心を引くだろう。とても良い影響をおよぼすと思うよ。正直に言って、僕は全体的に楽しめた。驚かされる部分もあった。制作チームは、非常に良いハリウッド映画を作り上げるという点で、素晴らしい仕事をした。あとは人々がどう思うかだね」
エステバン・オコン(ハース)は、映画を褒め称え、「ルイスに言ったように、非常に没入感がある。彼らがマシンを運転しているシーンは素晴らしくて、これまでに見たことのないものだ」と述べた。
「ルイスがあらゆることをできる限りリアルにしようと努力した、その意図を確かに感じられた」
サインツも、「映像のクオリティが尋常でないほど高い。それこそがハリウッドの最も良い部分だと思う」と強調した。
「彼らは、F1のレースを一度も見たことがない人々を対象に調査をした。映画を見た後、その人たちに対して『F1のレースを今後見たいですか?』と尋ねたら、100%が『はい』と答えた。それがこの映画がスポーツにもたらす影響の大きさを物語っている」
https://twitter.com/F1Movie/status/1925698717870395779
[オートスポーツweb 2025年05月23日]