ホームレース連覇の可能性は「低い」とルクレール。低速コーナーを苦手とするSF-25を前に自問自答/F1第8戦木曜会見

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2025年05月23日 13:40  AUTOSPORT web

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2025年F1第8戦モナコGP FIA会見 シャルル・ルクレール(フェラーリ)
 2025年F1第8戦モナコGPのFIA定例ドライバー会見第一部には、地元モナコ出身のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、そして隣国フランス出身のピエール・ガスリー(アルピーヌ)、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)が出席した。フランス語ネイティブ3人衆が揃った形だ。

 モナコでは前夜、日本でも6月27日封切り予定のブラッド・ピット主演映画『F1/エフワン』の特別上映会が開催され、F1ドライバーたちが招待された。まずは3人の感想から聞いてみよう。

ガスリー:映像が素晴らしかったね。僕たちの世界に飛び込んでもらう素晴らしい機会になると思う。僕自身、ブラッド・ピットの大ファンだけど、彼のF1ドライバーとしての演技がとても魅力的に見えたよ。

 とはいえ当然ながら、映画と実際とは違う。ルクレールとハジャーは、現役F1ドライバーとして細部の違いが少し気になったようだった。

ルクレール:すごくハリウッド映画っぽかったよね。F1ドライバーだけに向けた作品ではないことはもちろん承知しているけど。でもこういう映画を制作してもらったのは、F1にとって本当に素晴らしいと思う。映像は最高だった。マシンが走っている様子を捉えるアングルには本当に感銘を受けたよ。

ハジャー:ドライバーとして客観的に語るのは難しいかな。上映中、とても不思議な感覚にとらわれたよ。でも子供たちや、このスポーツをまだ知らない人には、この映画が最高のスタート方法だと思う。

 ルクレールは去年、何度も挑戦して果たせなかった地元モナコでの勝利を、ついに実現してみせた。しかし今年は、連覇の可能性は高くないという。

Q:去年のモナコは素晴らしいレースでした。今週末、それを再現できる可能性は?

ルクレール:正直に答えるなら、低いかな。僕たちのマシンは、低速コーナーが苦手なんだ。そしてモナコには、低速コーナーしかない。なので理論上は、最も有望なサーキットとはいえない。ただモナコは本当に特別なコースだし、明日実際に走り出したら、必ずいいサプライズがあると思っているよ。

Q:モナコは典型的な超低速サーキットで、高速コーナーはほぼありません。マシンを低速域に特化したセッティングにすれば、高い戦闘力が期待できるのでは?

ルクレール:まさにそれこそが、僕らが自問自答していたことだ。明日、それを試してみようと思ってる。他のサーキットのように、高速域と低速域のバランスを取る必要がないからね。何が起こるかはわからないけど、新たな発見があることを期待しているよ。

 モナコといえば、アイルトン・セナ。彼の打ち立てたモナコ6勝という最多記録は、30年以上経った今も破られていない。そして彼らはいずれもセナをアイドルとして慕っている。アジャは今回、セナトリビュートのヘルメットを制作した。

アジャ:最初はサンパウロGPを予定していたんだけど、モナコの方が相応しいかなと思ってね。もし自分がF1に上がれて、モナコを走れたら、ぜひセナに敬意を表したかった。ヘルメットには、彼のポールポジションラップ、優勝回数などの統計データが表示されている。いいアイデアでしょう?

 そして第二部にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)が出席したが、質問はやはりマックスに集中した。

Q:先週のイモラでは素晴らしい週末を過ごしました。最近のレースでマシンが大きく進歩しているのは明らかです。日曜日のモナコグランプリで今季3勝目を上げる可能性は?

フェルスタッペン:正直、それほどいい状態ではないと思う。イモラは確かによかったけど、金曜日は最悪だった。マシンをもう少し理解し、セットアップで何を目指しているかをはっきりさせる必要がある。そしてモナコは、これまでとまったく違う。今季を振り返ると、僕たちが本当に競争力を発揮できたのは高速コーナーだけだった。これまでも、市街地サーキットで特に好成績を収めてきたわけじゃないしね。

 確かにフェルスタッペンはモナコでまだ2勝。アゼルバイジャンやシンガポールといった他の市街地レースでも、勝率は特に高いわけではない。

 一方、今季のレッドブルで気になるのは、グランプリ初日に最初から速さを発揮できないことだ。

Q:確かにイモラも、金曜日は散々な結果でした。それでも予選ではポールポジション争いに加わり、レースは優勝しました。なぜベースラインが崩れても、予選までに力強く巻き返せるのでしょう?

フェルスタッペン:金曜日がひどい理由は、僕が一番知りたいよ。決してわざとやっているわけじゃないしね。確かなのは、マシンを正しいウィンドウに収めるのが今年は特に難しいということだ。ここ1年半、いや2年ほどは、(本来のマシン性能を発揮できる)ウィンドウはかなり狭くなっていた。ほんの少しセッティングを変えるだけで、運転がかなり難しくなってしまう。それが金曜日の不調の原因のひとつだと思う。でもチームは分析が得意で、翌日に向けて適切な判断を下してくれる。そうやってほとんどの場合、状況は改善してきた。イモラもね。

 最後にアルボンに、2回ストップが義務化されたことへの質問が飛んだ。去年のような単調なレース展開を防ぐ措置としてだが、はたして実効性はあるのか。アルボンは悲観的だった。

Q:2ストップが義務化されることで、1周目か2周目に全員がピットインするだろうことは容易に想像できます。そこはどう考えていますか?

アルボン:僕もその点を一番心配している。もし1周目に全員がピットインしたら、結局同じことだからね。チームの戦略担当と話しても、どうなるかまったくわからないと言っていた。とにかく重要なのは、中団グループでは特にだけど、チームメイト同士がどうサポートし合うかだ。ハースが去年のサウジアラビアGPで、ケビン(・マグヌッセン)が後続を堰き止めて、ニコ(・ヒュルケンベルグ)を入賞させた。そんな展開があり得るだろうね。もちろん2ストップが悪いアイデアだと言っているわけジャない。でもレース展開が大きく変わることはないんじゃないかな。

[オートスポーツweb 2025年05月23日]

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